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五行と五味と五季

五季なんて、四季のまちがいじゃないの、といわれそうですが、中医学には四季の他に「長夏(ちょうか)」と呼ばれる暑くて湿度の高い季節が、夏と秋の間にあります。
季節の特徴を考えて日本に当てはめるとしたら、梅雨の季節か、9月のまだ暑くて湿度の高い時期にあてはまります。
個人的には、梅雨は「梅雨寒」ということばもあるくらい、結構冷えていると思っています。
湿度は非常に高いのですが、それほど暑くはない。
ですから、「長夏」という季節がどこにあてはまるのか、悩みます。
平均的な日本の季節を考えたら、四季にプラスするとしたら、9月より梅雨を勘定に入れる人が多いのではないでしょうか。

ところが、「長夏」にあたるのは五行においては「土」で、五味は「甘」、臓腑は「脾胃」にあたります。

五行の教えでは、相生相剋関係というのがあり、
たとえば、木(もく)を基準にすると、春にあたり春は次に夏(火)になります。
木は五臓では肝の性質にたとえられており、木は燃えると火になり、木は火を生み出す相生関係にあります。
木は土を破り土の栄養をとって生長するわけで、これを木克土、木が土を克す、といいます。
逆に木は金に克される(木は金属で切り倒される)関係にあります。

五味は五臓を養う味ですが、多く摂取し過ぎるとその臓器を傷めてしまうと「黄帝内経(こうていだいけい)」にあります。
春は、何かと肝臓機能が亢進しやすい季節。
亢進しているとしたら、酸味をとるのは控えるべきでしょう。
克しやすい脾胃を傷つけないように、甘味を増やすべきです。
もしくは、酸味をとっても必ず甘味を付け加えるということが必要です。

でも、梅雨が春の次に来て、梅雨が「長夏」だとしたら、相剋関係は崩れてしまうんですよね。

本場中国でも、広い領土の中で、五行にあてはまる場所は少ないらしい。
古典の理論をいかに理解するか、悩みは深いです。

コメント





はじめまして。
投稿から4年近く経ってからのコメントで恐縮ですが、ご容赦ください。

とても興味深い内容で面白かったです。
私個人としては梅雨は季節の変わり目に過ぎないと考えていまして、梅雨を「季節」とはとらえていません。

私は「長夏」は梅雨明け後の盛夏期が一番合うと思います。
日本では本来、梅雨明け後の盛夏期こそが一般的な「夏」だと思いますが、海外ですと夏といえば過ごしやすくて気持ちの良い季節だと思います。その気候が当てはまるのは日本では5月から6月上旬あたりではないでしょうか。

春(3月〜4月)の後に夏(5月〜6月上旬)が来て、梅雨が夏と「長夏」の分かれ目となり、梅雨が明けて「長夏」が来る。「長夏」は7月下旬〜9月初めぐらいですね。その後は台風シーズンを経て秋になる。

と勝手に考えさせていただきました。

暑くて湿度が高い季節といえば個人的には盛夏期ですので「長夏」がしっくりくるのですが、一般的には受け入れられないかもしれません。

やはり、五行の季節の順番は、「あれ?そうなの?」と悩みますよね。

五という数字自体、とても深遠な意味があると、黒龍江に研修に行ったときに教授に教わりました。五体満足という言葉、指が五本ずつあること、五感など『五』は不思議な数字です。

先に五という数字があり、それに季節を当てはめたので、長夏が入ったのかな、と思っております。

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