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キャリアオイルはドラッグ・デリバリー・システムのようなもの?

もともと、中医学を学ぶきっかけになったのは冷房病なったからですが、夏になると電車のクーラーが風寒邪になって襲ってきて調子が悪いこと、悪いこと。

中医学的にいうと「表虚」(体表を覆っている衛気が不足している)の状態ですが、西洋医学的にいうと体温調節しているはずの自律神経がイカレテいると感じます。
それで、自律神経系に働きかけると思われるアロマの力も借りているところなのですが、キャリアオイルのことで何だか気になったのでそれについて書いてみます。

キャリアオイルは、アロマショップなどで市販されているオイル(必然的に高価)がお薦めで、通常一般的な安い食用油は、アロマテラピーにはお薦めしませんというのが何だかひっかかるのです。

安い食用油は、高熱を加えていたり、長く保存させるために添加物を加えているので体に悪いものが吸収されてしまうし、栄養分が多いものを使ったほうがよいというのがその趣旨なのですが、皮膚から吸収できるものってどれだけあるというのでしょうか。
サイトによっては、皮膚は単なる排泄器官なので何も吸収できない、などという古くさい意見もありますが、毛細血管を通ることのできるくらい小さいものなら体内に入るでしょう。
もちろん、油の分子は大きいので油そのものが血液の中に入るということはないでしょうが、油に含まれている有害物質が吸収されてしまうということは起きると思えます。

有害物質を経口摂取した場合は、胃の塩酸や肝臓での解毒といったバリアーをくぐり抜けないと血液やリンパに入るということはないけれど、皮膚から入った有害物質はその関門がないので溜まっていくという論理があります。
もし、血液の中に入ったら、やはり肝臓に来たときに解毒されるし、リンパに入ったら食作用がおきるのではないでしょうか。

大気が汚染されていたり、農薬のかかったものや添加物が多い加工食品を、選別しないで摂取していたら、肝臓も悲鳴をあげるにちがいありません。
薬でさえ、肝臓にとっては異物なのですから、せっせと解毒しているのです。(もし、体内に入った薬が解毒されずに延々と効いてしまったら....考えるだけ恐ろしい。)

だからこそ、できるだけ体に良いものを使う必要があるのですが、食用油だって体内に入るのですからキャリアオイルに向かないものを摂取していることこそ矛盾していると思いませんか。
それに、市販されているキャリアオイルは、オーガニックと記載(一応、一定以上のレベルだと判断できます)されていなければ農薬をかけた植物から絞ったオイルかもしれませんよ。

皮膚からどれだけの物質が吸収されるかは、吸収できるための環境(システム)が必要らしいのですが、狭心症のための貼るニトログリセリンなどの経皮薬などもあり、薬を必要な場所に必要なだけ効くようにするシステムをドラッグ・デリバリー・システムというようです。

これについての参考サイト

皮膚について
新薬を生かす次世代ドラッグデリバリー

患者に優しい剤形
生体膜による分子認識とドラッグデリバリーシステム(DDS)と血液にやさしい材料
ドラッグデリバリーシステム(DDS)の研究開発動向

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