ボルゲスオリーブ石けんとマルセイユ石けん
型入れした石けん種を保温時に加温するようにしてから、今まで作ったソフトオイルが多いものが硬く出来上がり、鹸化のゴールまで早く追い込んだ方が、熟成期間を多く取らなくてもマイルドな石けんになるのを確認してます。
ですから、基本に立ち返りオリーブ石けんやマルセイユ石けんをいろいろ作っています。
20分手でグルグルするのは何の苦もないのですが、それ以上では疲れますし、トレースが出るのが何時間もかかるのでは夕方仕込むのは無理というもの。
それで110回めからの石けん作りではブレンダーを使っています。
型に入れられるくらいまで混ぜるには、たとえブレンダーを使っていても1時間ぐらいかかるときもあるので、結局手で混ぜている時間は以前より長くなりました。
上の写真はボルゲスのエクストラバージンを使ったオリーブ石けんです。
香りがかなりあるオリーブオイルだったのと、緑色が濃かったのがそのまま石けんにも残りました。
とろーりとねっとりした泡が立ち使い心地は良いけれど、個人的にはオリーブ石けんよりマルセイユ石けんの方が好きです。
2枚目の写真は、チュニジアのルスピナのエクストラバージンを使ったマルセイユ石けんです。
型入れ時に温度を上げるのを忘れたら、水分が残り過ぎてベタベタし、型からはずすのが大変でした。
熟成期間が終わったら水分が飛んでかなり使いやすくなりましたが、型からはずしたときに柔らかい石けんはやはり柔らかいのです。
ボルゲスに比べると、硬さには雲泥の差があります。
[マルセイユの使用感]
鹸化するスピードに水分の蒸発が追いつかず、でき上がりが水分過多の石けんでしたが、1か月半立つころには硬さも出てマイルドな石けんになっていました。
オプションで入れた成分によっては1か月立っても、指で押したときにくぼみができるほど柔らかいものがありますが、水だけで苛性ソーダを溶かすと石鹸になる化学反応がうまく進むようです。
色はピュアオリーブオイルのマルセイユとは全然違って、パージンオリーブオイルの色がそのまま出ていて黄緑色です。
これぞマルセイユ、と、基本に立ち返りたいときに使うにはベストの石けんですね。
ピュアとパージンの石けんの違いまでは、わかりません。
多分に、気分的に私はEXVの方が好きです。
精製したものは、本来の持ち味が薄れてナチュラルとはほど遠くなると思うからです。
[ボルゲスオリーブ石けんの使用感]
いやあ! この石けんには驚きました。
キャスティールなのに、モクモクモクモクあわが立ち、洗い上がりはさっぱりとしています。
通常オリーブ石けんは泡立ちがよくありませんが、こんなに泡が立つのならストレスはきません。
洗い上がった髪もフワッと内巻きになり、申し分ありません。
ただし、オリーブ石けん自体がもともとツルスベ感は低いので、髪は硬い感じに仕上がります。
といっても、他のオリーブオイルを使ったものより遥かに使い心地の良い石けんになりました。
初めは、石けんとしての出来に関係しているのかと思ったのですが、同じように硬くできたガルシアオリーブ石けんが泡立ちが良くなく普通のオリーブ石けんぽいので、ボルゲスが他と違うのだと思います。
天然の植物を使っていたら、その成分内容は自ずと異なる、それを実感した石けんです。