肩立ちのポーズ(サルワンガアーサナ)その2
前回のサルワンガアーサナの記事の補足です。
胸骨に顎を近づける→顎は体重によって固定されているので、胸骨(胸の中心でそこから肋骨が出ています)を顎に近づけるようにすると自然に足は手前に倒れてくるのです。
胸骨に顎を押しつけ喉を圧縮する(ジャーランダラ・バンダ)→これが甲状腺を刺激することになります。
床についている部分は、後頭部、首、肩と上腕のみ。
体の他の部分は一本の棒のように床に垂直、これが完成型と『ハタヨガの真髄』には書かれています。
手前に倒れていた足を後方にするには背筋や腹筋でバランスをとらなければ床に垂直にはなりませんが、甲状腺を刺激するためには足が手前に倒れていても良いのではないか、と思います。
ホルモンは、鍵と鍵穴の関係とよく言われます。
血液を巡っていく微量のホルモンは、それを受け取る鍵穴があったとき初めてぴったり合うのですが、甲状腺のホルモンを受け取る鍵穴は全身にあるのです。
人間の細胞は60兆あるといわれていますが、それらの代謝を上げることができたらいつまでも若々しくいられる、と思いませんか?
だから、甲状腺を刺激する肩立ちのポーズがアーサナの母といわれる所以なのでしょうね。
本には、顎をまっすぐ伸ばし、顎を胸骨中央につけることに注意、初めのうちは首が横に曲がりやすく正しく行わないと首を痛める、とあります。
さらに、
このポーズは5分以上続ける、次第に延長し15分続けるようにする、このように長く続けても何ら害はない、
とも記載されていることから、効果を上げるには5分は必要ということでしょう。
(天地を逆にするので高血圧の人は鋤のポーズを最低3分はできるようにならなければ肩立ちはしないように、血圧高めの人も気をつけて肩立ちをするようにという注意書きがあります。)
このポーズをやっていると、脳戸・強間・玉枕・肩中兪・肩外兪・大杼あたりに刺激を感じ、終わると目がすっきりし首の凝りが取れるようです(肩中兪には目をはっきりさせる効果がある)。
顎を胸骨につけていると口は当然閉じ鼻呼吸になるので呼吸器の状態が改善されますが、鼻詰まりのときはできないかもしれません。