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ツボの名前

経穴概論東洋医学を志す人は、中国伝統医学を学べると思って鍼灸学校に通う人が多いのではないでしょうか。
かくいう私も、うん十年前鍼灸学校の門を叩いたのですが、その頃の鍼灸学校では
つつがなくいかに人体に鍼を刺すことができるか?、それに尽きる、といった感がありました。

厚生労働省が認めたカリキュラムに従うと、薄っぺらい「漢方概論」という教科書があるだけ。
「経穴概論」にも、ツボの効用の記載は全然ありませんでした。

じゃ、なんでツボを習うの?
どうやって、ツボを使ったらいいの?

だいたい、中医学の英知がどこにあるのやら。。。
鍼灸師の資格を取るために、解剖・生理・病理など西洋医学系の勉強ばっかりしていたのは、調理師の資格を取るのと似ているかもしれません。
調理師も、実技は2割程度で座学ばっかりですから。

それで、中医学を基礎論から学んだのはとても有意義で楽しいことでした。
しかし、古代中国の思想(陰陽五行)を人体にたとえているのは、ときどき訳がわからなくなります。
所詮、中学・高校と西洋的思想をたたき込まれた身としては、物事がはっきりしていないと頭に入らないこともあります。

ツボの名前だって、なぜそういう名前がついたのか?、意味を知っていたら実際に役立つことが多々あるというのに。

だから、意味を知ったときは、ガッテン!ガッテン!です。
北極星のひしゃくの器部分、α(ドゥーベ)が天枢、β(メラク)が天旋、γ(フェクダ)が天璣。
旋璣なんてことば、丸覚えするしかないじゃあありませんか。
華蓋はカシオペア座、Wをひっくり返すと天蓋に見えなくもない。
太乙は北極星、太白は金星、四瀆は四つの川のこと。
古代の骨の名前がそのままついたツボもあります−−−腕骨完骨曲骨京骨巨骨など。
どんな効能があるのかを示すツボもある−−−光明水分迎香筋縮など。

ツボは骨と骨の割れ目や筋肉と筋肉の間などにあることが多く、そこを圧すと、いわゆる「ツボにはまった」感があります。
経絡の経は縦のラインのことですが、経をずっと圧しても効果的とはいえないのじゃないかと。
ツボは古代人が残してくれた人類の叡知−−−だと、思うんです。

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