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中医学とマクロビオティック

マクロビオティックで、
「お酢は体を冷やすと言われたんだけど、そうなの?」
と、友人に聞かれました。

そのとき、私は「そんなことはないと思うけど」と答えました。

中国の中医薬大学の教科書として使用されている『飲食営養学』(栄ではありません、営なのです)という教科書を開くと、

酸、苦、温。入肝、胃経。

と記述されています。
五味は酸・苦。
四気は温性。
経絡には肝経と胃経に入る。
とあるのです。

中医学とは中国伝統医学のこと。
3、4千年前の時代から培われてきた経験や知識が積み重なって作られています。

マクロビオティックの考えの基本は『陰陽』で、中国哲学に基づいているように思えますが、マクロビオティック独自のものです。
陰は遠心的、陽は求心的と久司さんの本には記述されていますが、
中医学的に考えると陰陽は全く逆になります。

遠心的と求心的を陰陽に分けるとすれば、
遠心的は、外にどんどんひろがり発散していくので『陽』、
求心的は、内に向かっていくので『陰』
と考えます。

この考え方は私だけのものではなく、中国人の中医師資格を持つ北京中医薬大学日本校の講師にも確認して、同意をもらっています。

薬膳の献立を考えるとき、薬膳師は食べ物を陰陽という区分では分けません。
教科書の記載のとおり、その食物の味・体を温めるか冷やすか、そして食療法のときはどの経絡に効いていくのか、を考えます。

<参考記事>マクロビオティックは中国陰陽の思想ではないの?

中医学的に、一つ一つの食物の寒熱はどうなの?と思う方には、現代の食卓に生かす「食物性味表」をお薦めします。
この本が絶対とは思いませんが、指標として、薄くてハンディなところが使いやすいのです。

[追記]現在amazonでは取り扱いなしのようです。ごめんなさい。良い本なんですけどねえ。


コメント

はじめてコメントさせて頂きます。
マクロビオティックの陰陽と中医の陰陽は少しだけ概念が違います。と言いますか、中医学の陰陽も陰陽論の一つの解釈でしかないと思います。
中医の陰陽は寒熱に代表されると思いますが、マクロビオティックの陰陽は求心力遠心力に代表されると思います。どこに主観を置いているかという違いがあるのでそこを加味せずに同一土俵で論じてしまうと混乱することになると思います。
ちなみにお酢は、マクロビでは冷やすというよりも、緩めるといった感じだと思います。緩まれば結果的に冷えやすいという部分から冷えると言われるかもしれません。

求心力と遠心力が陰陽のどちらにあたるか、この基本的な考え方が中医学とマクロビオティックでは逆になるのです。
だから、それを基本にしているマクロビオティックの考え方が中医学とは異なる、ということなのでしょう。

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