骨盤骨折1
なぜ、3か月もお休み(何もかもです)するはめになってしまったかというと、旅行で行ったスイスで、ハイキング中に崖から落ちて骨盤を骨折したことにあります。
ハイキングはスイスが初めてでしたが、土曜日はテニス、日曜日はエアロビクスを毎週続けていたので、山登りは無理としてもハイキングくらいなら大丈夫と思っていました。
モンブランで片道30分のショートハイキングを楽しんだのを皮切りに、落ちた日は8回めのハイキングでした。
インターラーケンに近いブリエンツ湖が望めるロートホルン鉄道で、展望台に行った日は、ミスティで霧に煙ってなんにも見えない状態でした。あれほど一寸も見えないほど霧が濃いのは珍しい。それまで、晴天が多い日ばかりだったから。
ツァーの人たちは展望台のレストランで何も見えない景色の中、ランチを食べていましたが、途中駅にもレストランがあると聞いたので、夫と私はそちらに行くことにしました。
レストランでは、2組の人しかいませんでしたが、霧は晴れていてブリエンツ湖がくっきりと現れ、食事後に歩いて下山しても大丈夫に思えました。
しかし、そのハイキングコースはあまり人が通らないコース。途中に会ったのは、レストランにいた人たちで近くに別荘をお持ちの家族でした。
ハイキングコースの道しるべ(石に赤い印)をたどりつつ、そろりそろりと歩いていたのですが(レインジャケット、ストック、スパッツと、もちろんトレッキングシューズ)、道の途中にあるきれいな花の写真を撮ろうとした後、片側の崖から落ちたようです。あいまいな言い方なのは、記憶が飛んでしまって、気がついたのがインターラーケンの病院だったからです。
夫が言うには、「きれいな菊科の花」と私が言った後、「あっ」と言う声がして、振り返ったらでん繰りかえってバウンドしながら私が落ちていったそうです。
道端に後で私のカメラのレンズがこわれたまま落ちていたそうなので、写真を撮ろうとしたのは確かなようで、崖の花を撮ろうとするはずがないので、片側の土手(石のブロックらしい)に咲いているものを接写しようとして足を一歩踏み込んですべったのではないかと想像しています。
落ちていく私を見て、夫はダメかと思ったそうですが、私の落ちた場所まで来て声をかけたら、意識があって、でも動けない状態だったそうです。
どうしようと思っているところに、人の声がし、「ヘルプ・アス!」と叫ぶと犬連れのドイツ人女性二人が駆けつけてくれ、携帯で救助へりを呼んでくれたのですって。一人はナースで「I'm a nurse. How many fingers?」と言いつつ2本指を私の前に出したそうな。
救助ヘリには私しか乗れなかったので、夫と彼女達(麓のコテージを借りていた)は一緒に下山し、レンタカーをブリエンツの駅の近くに止めていることを話したら、コテージの彼女達の車でその場所まで行き、一人がインターラーケンの営業所まで返してくれたんですって。何て、親切な方たちでしょう!!!!
もう一台で、インターラーケンの病院まで夫を送ってくれて、私の顔を見ていったというのですが、私は記憶がぶっ飛んでいて覚えていません。
恥骨と座骨と仙骨が折れ、まるっきり動けませんでしたが、病院のとった処置は安静にしているというものでした(CTの結果内蔵も脳も損傷はなかったのですが、頭の外傷に対して3か所縫いました)。