« 2009年05月 | メイン | 2009年07月 »

2009年06月26日

真珠せっけんと珊瑚せっけん

真珠30g真珠60g真珠せっけん真珠せっけん2真珠珊瑚せっけん市販されている石けんのうち、真珠パウダーが一番入っているのは、5%かもしれません。
珍珠は、収斂生肌----荒れた肌のキメを整えてくれます。

黒龍江の中医薬大学に研修旅行に行ったときに買いだめした珍珠粉があり、使用期限が3年くらいかなと思うので(別の珍珠粉の期限は3年と記載されていました)、せっかく購入してきてダメにしてはもったいないと、手作り石けんに使うことにしました。

真珠を、60g使用した贅沢な石けんです。
ビーカーのメモリが100に近いので、約 半カップ分入っています。
メインの油脂の配合は、ガーディアンエンジェル
守護天使のようにお肌を守ることを計算された前田京子さんのレシピで、最高に贅沢な石けんの姉妹版というべきものです。

使いきるまでに期限切れをおこしそうとはいっても、真珠粉を半カップも入れるのは、せっけんに投入された真珠として、どこまで効能があるのかわからなかったので、私の中では入れられる限界です。
真珠粉は、総油脂量の約10%にあたります。

型入れし、保温箱から出した状態の真珠石けんは、今まで見たことないくらい白く輝いて、白っぽい石けんが多い中でもとりわけ別格の白さでした。
さすが、真珠。。。

珊瑚カルシウム(パウダーです)でも白くなるのか知りたくて、同じガーディアンエンジェルの配合で、珊瑚カルシウムも半カップいれてみました(珊瑚カルシウムは猫ごはんと自分たちの食事用)。
二つ並んだ写真がそれなのですが、珊瑚カルシウムの方は薄いベージュで、やはり真珠の方は白くて綺麗。
真珠を入れる前の油脂だけの状態は、結構黄色っぽいです(一つ上の写真)。

いったい、どんな使い心地なのか、興味津々です(解禁日は7月)。
着香は一切していません。(本当に、テストということで1回くらいは作ってみるかもしれませんが)

たった1滴で効かせることができる精油を、100滴以上(通常10mlのポトルの半分以上)も使用しなければ、1か月の熟成期間後に香らないなんて。。。なんて、もったいない。

揮発性の高いモノテルペン類(リモネンなどが多く含まれる柑橘系の精油は特に香りが飛びやすい)を残すためには、このくらい精油を入れなければ香らないのでしょうが、アロマテラピーは芳香物質を利用した療法なので、香りをつけるために精油を用いることは私はしません。

私は過敏体質なので、熟成期間中にずっと香っている精油を嗅ぐのも苦手ですし、本来アロマテラピーとは、そのときの体調に合わせて精油をチョイスするものなのですから。

[使用感]
真珠石けんの固さは結構あり、鹸化率90%でここまであるなら、固さに関していうなら95%にする必要はないかもしれません。
しかし、高価な真珠粉を60gも投入したわりには、『ん?』といった感が否めません。
洗顔後はマットな感じで、いいかも、と思えたのですが、洗髪には不向きな石けんで、髪を乾かしている最中の指通りが悪く、なぜ?、なぜ?
皮膚の潰瘍やただれに効くということは、ひきしめる効果が強いということですが、これが髪の毛にはよくなかったのでしょうか。
頭皮に良いものが髪の毛そのものに良いとはいえないのかもしれませんが、洗髪後に毛先にオイルを補充しなければいけないものではなく、洗いっぱなしでもふんわりサラサラになる石けんが理想です。

真珠石けんが期待したとおりでなかったので、同じオイル配合の珊瑚石けんを試しました。
こちらは、意外にも髪の毛サラサラになります。

それでも、もったいないので、真珠石けんは洗顔用にしてときどき使っていますが、収斂---顔の引き締め効果がとても強いことを感じます。
洗顔後、化粧水をぬらずにいる間、毛穴が締まっていくような感覚を覚えます。
珍珠は収斂生肌の作用が著しい---というのは本当ですね。


2009年06月17日

青黛の石けん(原料は藍です)

竹炭せっけん写真は、真ん中の黒っぽいのが竹炭石鹸、右側の青っぽいのが青黛の石鹸です。

栗きんとんのようなのは、オレンジフラワー石鹸。

湯煎でオイルを鍋に入れオレンジフラワーをインフューズドさせようとしていたときに、湯の入った大きな鍋にバランスを崩した鍋が、ドッポン。

何とそれを2回もやってしまったので、油に入ったと思われる余剰水分を差し引いて苛性ソーダ水にしたつもりでしたが、やわやわで水分が抜けきらずに固まっていません。
ずっと乾燥させてもだめなようなら、溶かして洗濯や掃除に使うつもりです。
もったいない話ですが。

一昨年に罹った脂漏性の湿疹になるかもしれないという痒みが頭に出たので、青黛の石鹸を作ろうと思い立ったわけですが、炭入りの石鹸も汚れを吸着するには良いかもしれないと、お試しに作っています。
中薬を炮製するときに炭化させたものは、一般的に止血の効果が出ますが、竹炭パウダーは型入れ時に大さじ1杯入れただけなので、どのような効果があるかは使用してみないとわかりません。

肝心の青黛も、同じく大さじ1杯を型入れ時に使用。
青黛は水に溶けにくいのですが、トレース時の石鹸にはきれいに混ざりました。

オリーブ油28%、マカデミアナッツ油15%
米油10%、ひまし油9%
パーム油20%、ココナッツ油18%
青黛
鹸化率90%
(オイルは前田京子さんの配合です)

<関連記事>
苦参丸(湿疹に)
ぴったりの漢方薬を選ぶのってむずかしい

[使用感]
頭の蒸れや痒みに対して乾燥させるための石けんとして青黛の石けんを作ったのですが、乾燥しすぎるものを作ってしまった感があります。
私が石けんに望むことは、髪・顔・体全部にオーケーなものですが、頭皮に良いものは必ずしも髪の毛には良くない。
つまり、じゅくじゅくした頭皮には乾燥させる必要があるけれど、髪の毛はしっとりしてほしいと、相反する需要があるわけです。

ただ、青黛の石けんには別の効果もあるようです。
ヘナには木藍(インディゴ)入りのものがありますが、ヘナで染めた後にインディゴで染めると色が定着し濃くなるというサイトを見つけたのですが、青黛の石けんにもいくぶんその傾向があるような気がします。
ヘナ(木藍入り)で染めた後、3〜4回青黛の石けんを使うと、ヘナ特有の草っぽい匂いが緩和されるのが早く(洗髪2回目以降匂いません)、色のついた水も早い回数でなくなり、色が定着しやすいようです。


2009年06月14日

廃油せっけん

廃油せっけん廃油せっけんといっても、私にとっては食べ物を作るときに活躍している油なので、捨てようと思っているわけではありません。
昔の人は、新しい油を継ぎ足し継ぎ足し使っていたという方法をそのまま踏襲しているので、使用済み油を捨てたりしたことはめったにないのです(さすがに2か月入院して、退院したときには捨てました)。

油は酸化しやすいから、1〜2回使用したものは固めて捨てるとか、ごくごく少量をミルクポットで揚げ物に使うという方もいますが、継ぎ足す方法で私は胸焼けを起こしたりしたことはないので、ちょっと疑問に思いつつも使い続けています。
『ためしてガッテン』のサイトでは、普通に家庭で油を使う分には酸化しないとありますし、コスロンという200枚重ねの濾紙で漉すとかなりきれいな油になるのです。

しかし、そのコスロンの濾紙の在庫がなくなり、ちょっとケチって何回も使ったので、一度は廃油せっけんに挑戦してみよう、濾紙を注文したので油も一新しようと思ったのです。

月見草油やローズヒップ油は、冷蔵庫に入れたまま酸化してしまい(天ぷら油のような臭いがしたし、顔につけてみると、気のせいか何だか痒くなりました)、使用したわけではないけれど古くなった油として、オイルポットの菜種油と合わせ、パーム油とココナッツ油も加えました。

前田京子さんは、鹸化価が同じぐらいのオリーブ油、ゴマ油、椿油を1回か2回使用したものとパーム油、ココナッツ油を合わせて(マルセイユ石鹸の配分)石鹸を作っていらっしゃるようです (お風呂の愉しみネットストア、バックナンバー142、会員にならないと読むことはできません)が、何回も使用していないので浴用にも使用可能なくらいのものができるそうです。

私の場合は、何回使用したかわからないほど。
最近でこそ、その回数は少なくなってきましたが、忙しいときほど油を使う回数が増えるのです。

油は、食材に火を入れる温度が高いのですぐに料理ができる、それが理由なのと、中華を作るときに強火で炒めるのは鉄則ですが、油通しをしてから一気に食材に火を通す方がシャキシャキしておいしいからです。

石鹸には、ちこのアロマ館さんを参考にして重曹を入れてあります。
重曹を入れることで、臭い消しと研磨力を期待して。
さすがに、使用済油で顔やボディを洗う気にはならないので、掃除や洗濯に使うためには重曹が活躍してくれると思ったのです(私は食器洗い用には、通常石鹸(もちろん洗剤も)は使いません)。

どれくらい立っているのかわからないほど古い緑茶も、前田式温浸法(よもぎのマルセイユ参照)でオイルにインフューズドしました。
インフューズドオイルを仕込むのに、少なくとも前日からやる必要があったのですが、単に臭い消しのためだったら、たっぷり入った重曹でカバーできていたかもしれません。
写真の状態では、天ぷら油特有の臭いはあまりしないからです。
鼻を近づけると天ぷらの匂いですが、その匂いが漂うわけではありません。

鹸化率は、一応100%で計算しましたが、鹸化価そのものがその油の平均だし、いろいろ投入した食材の脂肪分も溶けだして、不鹸化物もたくさん入っていることでしょうから、机上の計算かもしれません。

材料は、
使用済なたね油 310g
月見草油 25g、ローズヒップオイル 25g
パーム油 50g、ココナッツ油 90g
緑茶 大さじ1、重曹 半カップ

コールドプロセスの場合、油と苛性ソーダを合わせ、最初の20分間はかき混ぜ続けますが、重曹は残り5分のときに少しずつ加えました。
不鹸化物が多いと固まりやすいし、型入れできるほどもったり固まったときに、多めの重曹を加えるのはきれいに混ざらないかもしれないと考えたからです。
案の定、型入れできるまで放っておいたら置き過ぎてしまい、もったりを通り越してしまいましたので、波うったまま乾燥してしまいました。

[使用感]
私はこの廃油石けんを食器洗いではなく、お鍋やボールに使っているので、かえってステンレス部分が光ってきたなあ、ぐらいにしか感じていませんでしたが、母がこれを食器に使ったところ、何だかヌルヌルするんだけど、というコメントでした。
廃油ではなく、新しいオイルから作ったキッチンソープ(クレイと重曹を入れたもの)を渡したら、それはヌルヌルはしなかったとか。

それで、考えてしまいました。

廃油は天ぷらやフライに使っているし、豚や海老、イカなどを揚げています。
でも、それらの脂肪分や不鹸化物のことは考慮に入れずに、石けんに入れる油脂の鹸化価だけで100%になるように計算したので、そのせいで石けんになりきれない部分がヌルヌルを起こすのかな、と。

新しいオイルから作成したキッチンソープは、理論上は97%の鹸化率なので、余剰オイルがあることは確かなんですが、ココナッツ40%なのでサッパリ感があるのも起因しているのでしょうか。

<関連記事>
和紡布はとってもエコ

2009年06月12日

せっけん考察

現在使用中のせっけんアボカドバーシャンプーバーサンシャインバーモンモリロナイトバーせっけん作りにはまってしまって、まだ1か月たっていません。
コールドプロセスで作ると、ゆっくりゆっくり熟成させて油と苛性ソーダがちゃあんと鹸化(油とアルカリが反応して石鹸になること)するまで待たなければなりません。
その間、自分の作成したものは使用できないので、市販のものを試したり、MPせっけんでクレイの様子をみたりしています。

MPせっけんにラベンダーの精油を加えたもの---私が使ったMPせっけんは、生活の木のもの。
表示されている成分は、
ラウレス硫酸Na、ミリスチン酸Na、精製水、オレイン酸Na、パルミチン酸Na、PG、ソルビトール、PEG-7グリセリルココエート、グリセリン、エチドロン酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、クエン酸、フェノキシエタノール、水酸化Na、ミリスタンオキシド。

手軽に楽しめるグリセリンソープとしては、いいのでしょうが、表示成分がありすぎて何だか恐ろしい気がします。
酸化防止剤、保存料等も入っていますね。

せっけん作りのお試しと、いろいろなクレイの使い勝手を探るために、MPせっけんに入れています。

大地宅配で買ったグリセリンソープ(洗顔用)---前田京子さんはせっけんをためすときは、髪の毛を洗ってみるのだそうです。
一番せっけんの良し悪しがわかるとか。

かくいう私も、この記事を読む前に、洗髪しているときや洗髪後の手触りでせっけんの良し悪しがよくわかると思っていましたので、同意を得たり、の気分です。
洗顔にも使えるほど品質にこだわったものは、もちろん洗髪や体にも使えるという手作りの理論からすると、透明なグリセリンソープで保湿効果のあるグリセリンを含んでいるにもかかわらず、髪の毛キシキシでさらさらになりません。

●マリウス・ファーブル社のマルセイユ石鹸---伝統的な釜炊き(温度が高い)製法で作られている割に、意外としっとりして洗っているときからさらさらになりそうな予感がしました。

●アレッポの石鹸---シリアのせっけんでローレル油が入った釜炊き製法。
温度が高いせいか水分がいっぱい抜けているのか、マリウス・ファーブルと同じく、軟らかいせっけんになりそうな材料なのに、結構固いです。
ソーパーの方たちは、ローレル油という言葉を聞いたとたんに市販されているかを、きっと探したにちがいありません。
私も探してみましたが、検索にヒットしませんでした。
こうなったら月桂樹をインフューズドオイル(油を溶媒にして成分を浸出させる)にして、似たようなものを作ってみたいと思っています。

●ナイアードのダフネ石鹸---こちらもローレル油とオリーブ油が材料ですが、薬臭い匂いがします。
オリーブ油はバージンを使用とのことなので、できあがったせっけんはうす緑色。
つるつるっとした触感で、わりと髪の毛はさらさらになりますが、翌日はちょっと指にひっかかります。

●お風呂の愉しみマルセイユ石鹸---今手作りせっけんを寝かし中なので、このせっけんが一番良くないと、今現在手作りしている甲斐がないところでしたが、記載した順に、だんだん使い勝手がよくなるという結果で満足です。
ご存じ、前田京子さんのレシピに忠実に作られた太陽油脂の製品ですが、成分も石鹸素地、グリセリンとしか書いていない潔さ、こういうの好きです。
洗髪翌日でも、さらさらしっとり、指で手櫛をしてもひっかかりません。

マルセイユ石鹸で、ここまで良い感触が得られるのなら、何も手作りすることはなかったかな、とも思えますが、ほんのちょっと、頭が痒くなるのです。
これは一昨年起きた脂漏性の湿疹が、またぶりかえしてきそうな予感なので、そのためにせっけんを手作りしています。

一般には、藍せっけんで市販されているようですが、藍を加工した中薬である『青黛』のせっけんが湿疹には効きそうな気がします。

[追記]
元々、かなり前から合成のシャンプーは使っていません。
大地を守る会の会員だということもあり(その前はらでぃっしゅぼーやに7年)、液体の石鹸シャンプーを使用していました。
これは、髪の毛がサラサラにはなりません。
合成シャンプーの害を受けるくらいなら洗い心地が悪くても、という気持ちでいたのですが、お風呂の愉しみマルセイユ石鹸で、ガツンと目が醒めました。

前田京子さんが、液体ではなく固形の石けんにこだわっている(液体はほとんどが水で、防腐のための成分が含有されていることが多いし、水以外の有用性の成分が当然少ない)のが良くわかったし、石けんといっても中身や製法に違いがあり、ひとくくりにはできないと思いました。

2009年06月09日

シトロンパウンドケーキ

シトロンパウンドレモンピールを作ったときの一番外側のつるつるした皮を刻み、夏みかんのピールを2/3個分もぎっしり入れたパウンドケーキです。
手作りせっけんで、グルグルかき回しているので、卵白を泡立てる気力がなく、ただパター・砂糖・卵・小麦粉を混ぜただけのものです。
だから、ふっくらとふくらんだ高さが足りません。

でも。
焼き立てが、特においしいんです。
自分ではフィナンシェかと思ったくらい。
アーモンドプードル(アーモンド粉)は入れていないのにね。

<関連記事>
夏みかんのピール
夏みかんピールとクリームチーズのパン
ピールはわたの部分で作るのよ

2009年06月05日

ベビーコーンのヒゲ入りご飯

ベビーコーンベビーコーンのご飯薬膳でとうもろこしご飯といえば、定番のひげ入りご飯です。
この季節、大きなトウモロコシを収穫するために摘果するので、ベビーコーンがベジタ(大地を守る会の野菜パック)に入ってきます。
ちゃあんとした大きなとうもろこしのヒゲも軟らかなところは、もそもそしないので、一緒にご飯に炊くことができますが、やはり今はベビーコーンです。

水分を含んだ赤ちゃんとうもろこしの周りに、ベッドのようなやわやわのクッションひげ。
このひげ部分は、中薬の玉米鬚(ぎょくべいしゅ)

湿度が高くなり、体内の水分をうまく排泄できなくてむくんだりしたときに効果を発揮してくれます。
漢方薬屋さんで、「浮腫みがひどいんですが」というと、乾燥した南蛮毛(なんばんげ)を出してきます。
フレッシュだとしなやかで絹糸のようですが、乾燥すると茶色の髪の毛のようになり、だから南蛮毛です。

今回は、ベビーコーンにしめじも混ぜて。
5つはごはんに、1つはスープに入れてみました。
とっても軟らかいので、スープにも結構イケマス。