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2008年03月30日

ハンギングバスケット(ブルーデージーとオステオスペルマム)

ハンギングバスケット<br />
母とヨネヤマガーデンに行ったら、ちょうどハンギングバスケットの講習を始めるところに出くわしました。
材料は香りナデシコやコデマリ、エニシダ、ヒューケラといった地味なものでしたので、「ちょっと今いち」と話しているのをスタッフが聞きつけ、「間違いなくあれが豪華になります」と言うのです。

そこまで言うのならと、外でつったったまんま、最初から最後まで見てしまいました。
和の素材で作って欲しいという要望があったとかで、ハンギングバスケットマスターが要領よく説明してくださいました。

そんなのを聞いた後だと、何だか無性に作ってみたい。
ところがちょうどパンジー・ビオラのシーズンが終わったばかりで、苗はすっかり入れ代わり。
ペチュニアで作るのでは簡単すぎておもしろくない。
ステオスペルマム、エニシダ、ミムラス、ベルフラワーなどで実家に飾ってもらうためにトライしてみましたが、何だか意図したのとは違っていてもの足りません。

今日はちょうど日曜日。
ガーデンアイランドの第一園芸で苗やハンギングスタンドを調達してしまったので、とっても高価なものになってしまいましたが、第2作が写真のものです。
ブルーデージーの斑入りの葉っぱが効いていますが、黄色やオレンジ部分が離れてしまっていて、もっと中心に持って来れば良かったかもしれません。

しかし、11株も入るとかなりのボリュームです。
寄せ植えにしたら、こんなに入りませんよねえ。
さらにもっと入っているバスケットもいっぱいあるようですが。

ハンギングには、フラーワアレンジメントに近いものがありますが、植えた後の手入れが大変なようです。
水やり、花がら摘み、追肥など、うまくやらないと花がだんだん小さくなったり、下の部分に水が行き渡らないと枯れてきたり、水やりが過ぎると加湿しすぎたり。
作るのは楽しいけれど、作ってしまうと興味が薄れてしまうのは、保存食や薬酒と似ています。

2008年03月27日

白頭翁(翁草)

翁草<br />
日本絶滅危機種という日本翁草を、サカタノタネで売っていました。
イカリ草(淫羊藿)もあったけれど、このキンポウゲ科の翁草がたくさん咲いたらきれいだろうなと期待しつつプランターに植えました。
写真は、ピンシャンしていたときのものですが、何だかだんだん色あせてきちゃいました。
絶滅危機種というだけあって、栽培がむずかしいのかも。

白頭翁として中薬になっているのはヒロハオキナグサですが、花は同じような赤系統のようです。
スイスにはまた白や黄色の翁草があるそうですが、平地では栽培しにくいのかしら。

花が終わると白い長い毛が現れ、それが白髪のようだというので白頭翁の名がついたそうですが、それ以前に茎や葉、それに花弁の裏はびっしりと白い短い毛に覆われています。
細い葉がか弱い乙女のようで、いつまで生きていられるのか怪しい雰囲気。

白頭翁は、熱のある下痢(湿熱、熱毒)に効くといわれています。

2008年03月26日

十大功労(ヒイラギナンテン)

マホニア<br />
マホニア2<br />
私の住んでいる建物の玄関まわりには、マホニアが植えられています。
2〜3週間前の方が盛りでしたが、3月は毎年このマホニアの花がとても良い香りを放っています(写真はそのときのもの)。
秋になると紅葉するので、まだその名残のある株も多いのです。

マホニアは草丈があまり高くならないので、下草として植わっているようですが、このマホニア(ヒイラギナンテン)は十大功労という中薬なのです。

何だか聞き慣れない中薬の名前ですが、分類上は清退虚熱薬で、肺結核の微熱などの陰虚が亢じて熱が発生したときに使います。
帰経は、肺と腎。
腎は納気を主っていますので、腎虚のせいで肺気が上逆して咳が止まらないなんていうことが起るわけです。
だから、上の肺で起きている咳を鎮めるのに、下にある腎陰を補うことによって治すという手法があるのです。
それを煮えたぎっている釜の下にあるたきぎを引っこ抜くと、自ずと釜の中は鎮まる(釜底抽薪)というのですが、おもしろいですね。

2008年03月24日

イタドリの漬物

イタドリ<br />
これは、漬物ファンクラブで届いたイタドリの漬物(届いたのはだいぶ前ですが)の写真です。

中薬を勉強していて楽しいのは、
『えっ、これって〇〇だったのー。』
という発見があったとき。

虎杖(こじょう)という中薬が、このイタドリだったのです。
漢方薬として使われるのは根の部分で、祛風湿薬なので関節痛に効くし、打撲(瘀血を取り除く)や化膿性疾患・毒蛇に咬まれたとき(解毒)にも効くとあります。
熱による咳にも効くなんて、いろいろ応用範囲が広い植物ですね。

2008年03月22日

トリプルの水仙

水仙<br />
球根を埋めたら、埋めっぱなしの私。
バラの鉢から、何だか水仙の葉らしいものが出てきて、いつのまにやらつぼみもつき、といってもたった一つでした。
でも、いったいこの球根、どこで買ったのか全然わかりません。

母とサカタノタネで見かけた似たような水仙は一重でしたが、これはダブルならずトリプルです。
真後ろから見たら白一色にしか見えないのに、正面から見ると、外側から白・オレンジ・白・オレンジ・白・オレンジになっていてとってもゴージャスです。

母がそんな水仙なら欲しいというので、今回咲かなかった株を掘り起こす時期になったら分けようと思ってます。
花が咲くためにはエネルギーが充分でないと、だから今回エネルギーを貯め込んだ株はきっと来年咲くはずです。

今日はとっても暖かくて、すでにしぼんできてしまった水仙の花のありし日を忍んで。(大袈裟な)

2008年03月19日

衛益顆粒(玉屏風散)が花粉症に効かないという先生もいる

花粉症の予防に玉屏風散が効くというフレーズはよく聞きますが、そういっているのはたいがい薬局系のサイトだったりします。
体の表面を守っている衛気(えき)が不足している状態にあるので、それを補ってあげて、玉(ぎょく、宝石のことです)でできた屏風でさえぎろうというのが主旨です。

私の場合は、元々アレルギー体質で花粉の季節はいつも不調ですが、毛穴が半開きになっていて体が寒いと感じているのに汗が出て行くということが多々あるのです。
それを中医学では衛表不固(体の表面の守りが固くない)といいますが、花粉症の人がみなこのような状態かというとそんなことはないようです。

夏の冷房の風が吹いて来ると、半開きの毛穴に風寒の邪気がやって来て、他の人たちが涼しい、快適と感じているとき、私は『この風嫌い、吹かないでほしい』と思っているのです。
でも、同じ花粉症の人でも、冷風が平気な人も沢山います。

ですから、衛表不固の人に向く玉屏風散が花粉症に効くという病気の機序が今一つわかりかねていました。
バリアーを張るだけでいいのか?

風邪をひいて治りかけて来ると咳が出てくるという状態で、すでに3週間ぐらいたちます。
それで、千代田漢方クリニックに先週行きました。
その時、処方されたのは「二陳湯」と「五虎湯」で、週末は調子が戻っても会社に行くと咳が出てきます。
再び、クリニックに行き、水曜担当の斉藤先生が処方なさったのは、「麦門冬湯」と西洋薬でした。

先週なかった症状で今あるのは、かすれ声と喉の痛み(これって二陳湯のせいかな)。
潤いを持たせれば花粉が落ちやすくなって、花粉のせいで咳が出ているのではないかというのが先生の見立てです。

その際、家に玉屏風散があるのですがと言ったところ、先生は、
「ダメです。
玉屏風散黄耆白朮が入っていて温性だから、目の痒みや鼻が充血しているという風熱の症状には反対のものだから。いろいろな説があるようだけれど、私はダメだと思ってます。」
と、いわれました。
先に予防のためにバリアーを張るというのはどうですか、という問いにも
「ダメです。寒の季節なら良いけど。」とのこと。

鼻みずズルズルだけでなく、目も痒いし、喉も痛い、咳まで出ている私の症状では、玉屏風散は止めておいた方がよさそうですが、鼻みずズルズルだけだったら玉屏風散は効きそうな気もするのですが。

2008年03月17日

下乳と回乳ってわかりにくい言葉ですね

中薬の効能のところには、下乳と回乳があります。
回乳って、乳を回すってことだから、母乳の出を良くするような気がしませんか?
でも、このことばは逆の意味があるんですよね。

先生曰く、
「回鍋肉(ホイコーロー)って、鍋に肉を戻すって意味なんです。」
『なるほどー。』
それで、回乳は母乳の出を止めるってことなんですね。

母乳の出を良くする方は、下乳といいます。
この効果を持っているのは、王不留行木通通草穿山甲鍾乳石
食品では、鹿、鮒、鯉、なまず、金針菜、落花生、豚足などです。

母乳を止めたことにより、腫れたり痛みが出る場合(回乳)は、麦芽が適しています。

2008年03月14日

黒法師(アエオニウム)の花

黒法師の花<br />
黒法師全体<br />
今朝のこと。
「ねえ、朝日新聞に載ってるのは、家にあるのと同じなの?」と、夫。
「ん、同じだ。30年以上たってる(新聞の方は)?家のは、そんなにたってないなあ。でも、10年以上たってるかも。花が咲くのは初めて。ん、長年うまく育てないと花咲かないし、近隣で花が咲いたなんて聞いたことない?家のも咲いてるぞ。1週間に1回水やるだけだけど。」

アエオニウムを最初に見たのは植物の雑誌でした。
外国の地植えされているアエオニウムはずいぶんと背が高くて、でも花は咲いていませんでした。
その独特の風貌を見たのち、ガーデンアイランドで値段の高い鉢植えを発見したときには、『欲しいー』と思いました。
出始めの鉢はいつも高く、見送って翌年、小さなインドアプランツとして売られていたのを買ってきたのです。
植えているのはストロベリーポットとかメキシカンポットとかいわれているもの。(うちの母は、あの蛸壺のような、とかいいますが)
苺は土に触れると傷むので、このあちこち開いたところに植え込むときれいに垂れ下がって、苺も傷まないし見た目もきれいなのです。

私はこれに、多肉植物をいっしょに植えています。
アエオニウムは普通冬に活動しますので、夏は休眠状態で黒というか茶色の葉になっていますが、冬になると真中が緑色になります。
今年は、だいぶ前から葉っぱの中心からにょきにょき花芽が出てきて、いまだ全開してはいません。
花芽が出てきて初めて、あっこれって花が咲くんだと気がつきました。
黄色い花ですが、何だか地味系ですねえ。

<関連記事>
翌年の黒法師の花

2008年03月12日

ムスカリとハーデンベルギア(春ですねえ)

ムスカリとハーデンベルギア<br />
我が家のベランダの室外機の上に乗っている鉢は、放任しっぱなしです。
それでも、春になるとムスカリが顔を出し、ハーデンベルギアに至っては毎年根本近くまで切っちゃう(カイガラムシがつくため)のに、律儀に花を咲かせてくれます。

春まだ浅きときには、ムスカリも土からいじけて顔を覗かせていましたが、気温が高くなってくると茎がきっちり伸びてきました。
ムスカリの中に、猫用の草が植わっていて飼い猫ヴィッキーは、ちゃあんとそれを見つけてムシャムシャ食べてます。
だから、草が短い部分があるのですが、わかるかなあ。

ムスカリは名前のとおり、麝香(ムスク)の香りがするといわれており、本来の麝香の香りも知らないし、香水のムスクも知らない私は、逆にムスカリの香りから麝香の香りを想像しています。

2008年03月10日

梅ジャムで梅ドリンク

梅ドリンク<br />
冷凍梅1kgというのを注文していたのが届きました。
ここのところ、クロテッドクリームとジャムをトーストに塗って食べるのがお気に入りなので、この梅でジャムを作りました。
冷凍梅1kgに蜂蜜800gというところを、蜂蜜600〜700g(何せ目分量なもので)で作りましたが、梅の果肉たっぷりのドリンクにするにはちょうど良い甘さ。
でも、もし本来のジャムにするなら、やはり800gは必要かと。
トーストに塗ったら、あまり甘くはありませんでしたので。

作り方は、たっぷりの湯で梅が柔らかくなるまで茹で(わりとすぐです)、ざるに上げてお湯を切ります。
鍋に梅を入れて、ポテトマッシャーでつぶしながら、種をポイッ、ポイッ。
これに、蜂蜜を加えたら、弱火で20分かき混ぜながら煮るだけ。

本当は、ポテトマッシャーでつぶすなんて書いてはあったのではなく、ちゃんと裏ごしするとあったのですが、そんな面倒なことするほど時間の余裕がありませんでした。
しかし、マーマレード的に考えれば、形が残っているものも結構イケてますよ。

できたての梅ジャムをたっぷりに熱湯を注いで、梅ドリンクの出来上がり。
甘ずっぱ〜い! 疲れがとれていくような。

ご存じのように、梅にはクエン酸がたっぷり含まれており、生物の有酸素代謝回路であるクエン酸回路(クレブス回路)の構成物質です。
中医学的には、「緑萼梅」で花の部分が使われており、胃痛、食欲不振、疏肝和胃、気機を通暢させる働きがあるといわれています。

日本では、民間で青梅から作った梅エキスが、胃腸の調子を整えるのに用いられていますし、ご飯の腐敗を防ぐのに梅干しを入れますね。
このジャムを作った翌日、めずらしく胃痛を起こしました。
平胃散を飲んだのに、効いて来る気配がしません。
これは、解毒する必要があるかと思い、常備している梅肉エキスを大さじ1杯ほどと、この梅ドリンクをさらに飲みました。
ほどなくして、効いてきましたよ〜。


2008年03月08日

桜餅に花の塩漬け

さくらもち<br />
春になりましたねえ。

桜餅は桜の葉の塩漬けが適度な塩味で、あんこがひきたちます。
もち米を使った道明寺の皮は関東風ではないようで、私も桜餅といったらクレープタイプの方が好きです。
私の持っている本には、桜は中薬として記載されていませんが、このえも言われぬ香りは気の巡りを良くしてくれるはず。
小豆も解毒や利水効果があることだし、おいしいものをいただいて体に良ければ言うことなし。

写真は、さらに桜の花の塩漬けを乗っけました。
桜の花は一房に三つもついているものもありますが、塩味と甘味のバランスからいうと、一つだけにした方がよさそうです。(写真のは塩気がありすぎました。)

2008年03月03日

脾胃の経絡と上下

人体の「気」は、上に昇るもの、下に降りるものとあり、「脾」の気は昇清で昇るのが正常、「胃」の気は降りるのが正常といわれています。
ですから、もし嘔吐やシャックリが出たら、それは降りなければいけないはずの胃気が逆行しているからで、下痢した場合は昇清しなければならないはずの脾気が逆行しているからなのです。
ここまでは、中医基礎論のはなし。

知識が知恵になり、応用できるようになるには、1回や2回その話を聞いたぐらいでは身になりません。
経絡の運行もわかっていたはずなのに、突如として、この気の運行が経絡の運行とぴったり合っていることに気がつきました。(今頃気づいたといわれそうですが)

脾経は足から胸に上り、胃経は頭から足に下るのです。
経絡は気血が運行するところ。
気が滞ったり、逆行すると人体にとっては不具合が起ります。

中医学って、有機的に結びついていて、人体の研究にはもってこいの学問ですね。