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2009年07月17日

ウニャデガトー(アマゾンの秘薬)

ウニャデガトーカテゴリーでは『中薬』に入れてしまいましたが、正確には中薬ではありません。
中薬とは中国で伝統的に使われてきた薬ということなので、ペルー原産のウニャデガトー(キャッツクロー)は中国では取れないのですが、もし取れていたら確実に中薬に分類されていたでしょう。

抗酸化作用があり、リューマチや癌にも効くと言われているアマゾンのジャングルで取れる秘薬のウニャデガトーをポコアポコで購入しました。
店主の奥様は、ウニャデガトーを毎日飲んでいて、リューマチが治まっているとか。

「苦いですよ」と言われ、ティーバッグのものを試飲させていただきました。
ほんのちょっと苦みを感じましたが、飲みやすい-----煎じた漢方薬を飲み慣れている私には、物足りないほど。

ティーバッグではすぐになくなるだろうし、高くつくので、棒状になったスティックを1リットルで15分煮出すタイプのものを買ってきました。
やかんで煮出している際、蒸気が結構立ちのぼるのと、ティーバッグでいただいたものはもっと味が濃かったのに対し、可もなく不可もなく的に特徴的な味がしないのとで、2回目からは漢方薬を煎じるようにマイコン煎じ器で30分煮出しています。

漢方薬の味からすれば物足りないほどなので、果たしてこれが効くのかどうかわかりません。
白湯とまではいいませんが、あっさりとした飲み口なのでもっとスティックを増やした方がいいのか、薬膳的に効きは弱いけど長くいただけると解釈した方がよいのか迷うところです。

<参考>Uncaria Tomentosa(ウニャデガトー)の画像検索


2009年03月18日

画像検索について

Googleに限らず画像検索は、とっても便利。
サイトに掲載されている画像を検索エンジンが、周囲のことばの脈絡から、そうかなと思える画像をヒットさせてくれるのです。

ところが、同じことばの全然別物の画像がヒットすることもあります。
そこで、わたしは中薬の学名から画像検索しています(学名を載せているサイトは、ある程度調べて掲載されていると思えるから)。

それでも、載せた画像がどの学名にあたるかは、自分のサイトでも確かとはいえません。
なぜなら、漢方薬名で、画像を載せているからです。
その学名の画像に当たっているかは、私にもわかりません。
でも、検索エンジンは、それをヒットしてしまいます。

ですから、他のサイトもしかり。
あくまでも、画像検索は、『参考』までにして、どんな植物か、ぐらいの気持ちでながめようと思います。

<関連記事>
中薬のページに画像検索を足しました


2009年03月12日

中薬のページに画像検索を足しました

中薬のページは、私にとっては百科事典的なもの。
もちろん、このサイト以外に詳しいページは数あれど、自分のサイトならその中薬を載せたかどうかはわかるというものです。
ですから、画像検索があると知ってから(最近知りました)、他のサイトが載せている画像を検索してくれるGoogleなどの検索サイトはしょっちゅう使います。

たとえば、クリスマスローズのエレガンスホワイトの画像を載せているページを見たい。
となったら、即、画像検索です。

そこで、中薬のページにも<参考>として画像検索ページをリンクすることにしました。
多分に、自分自身が知りたいからこそなのですが。

しかし、このリンク、Googleが新しいサイトをデータに加えたりしたらどうなるのかな。
リンク切れ多発になることを恐れてはいますが、知りたい好奇心には勝てない。
せっせと画像リンクを増やしています。

例) Rosa rugosaの画像

2008年10月20日

ニンシアレッド(枸杞の飲料)

ニンシアレッド<br />
ヤングリヴィング社では『ニンシアレッド』という名前の栄養補助食品が出ています。
ヤングリヴィングは、ちょっとかわった販売方法をとっているアロマ関係の会社で、ニンシアレッドは食品として販売されています。

そのニンシアレッドの中身は、
枸杞ピューレ、アガーペ、ブルーベリー濃縮果汁、ざくろ濃縮果汁、アプリコット濃縮果汁、ラズベリー濃縮果汁、濃縮ぶどうピューレ、ビタミンC、酒石酸、ブルーベリー香料、保存料(安息香酸Na、レモン精油、オレンジ精油)
と記載されています。
(保存料の中に精油が記載されているのは、この会社が食品添加物として輸入しているため。食品添加物として輸入されている精油は他のメーカーにもあります)

お試し精油セットを購入したときに、サンプルとしてニンシアレッドがついてきたのですが、米国で作られている枸杞ベースの飲料に、ちょっと驚きを感じたのです。

どんな味かって?
酒石酸や安息香酸Naなぞが入っているものを、わざわざ飲むわけないでしょ?

枸杞やブルーベリーなど、目に良いものが入っているので、飛蚊症がよくなったという記事もあるようです。
せっかく良いものを使っているのに、酒石酸などの酸味を足したり、保存をよくするために安息香酸Naを入れたりしていなければ、商業ベースの飲物だとは思わないでしょうに。
それと、アガーペって、何でしょう。リュウゼツランのことでしょうか。

2008年05月15日

板藍根ってアイだったのね

同じ植物から作られる中薬でも、名前が異なると全然別のものだと思っていることがよくあります。
板藍根もしかり。
板藍根って、バンランコンでしょ、的に覚えていたので、大青葉青黛と同じとは気づきませんでした。

青黛がインジゴで、ジーンズに使うもの、だから虫避けとかに利用されてきた、なんてのは納得していたのです。
そして、葉っぱの部分が大青葉だということも。

しかし、根の部分が板藍根だったとは。
そういえば、藍(アイ)という字が入ってましたね。

2008年03月27日

白頭翁(翁草)

翁草<br />
日本絶滅危機種という日本翁草を、サカタノタネで売っていました。
イカリ草(淫羊藿)もあったけれど、このキンポウゲ科の翁草がたくさん咲いたらきれいだろうなと期待しつつプランターに植えました。
写真は、ピンシャンしていたときのものですが、何だかだんだん色あせてきちゃいました。
絶滅危機種というだけあって、栽培がむずかしいのかも。

白頭翁として中薬になっているのはヒロハオキナグサですが、花は同じような赤系統のようです。
スイスにはまた白や黄色の翁草があるそうですが、平地では栽培しにくいのかしら。

花が終わると白い長い毛が現れ、それが白髪のようだというので白頭翁の名がついたそうですが、それ以前に茎や葉、それに花弁の裏はびっしりと白い短い毛に覆われています。
細い葉がか弱い乙女のようで、いつまで生きていられるのか怪しい雰囲気。

白頭翁は、熱のある下痢(湿熱、熱毒)に効くといわれています。

2008年03月26日

十大功労(ヒイラギナンテン)

マホニア<br />
マホニア2<br />
私の住んでいる建物の玄関まわりには、マホニアが植えられています。
2〜3週間前の方が盛りでしたが、3月は毎年このマホニアの花がとても良い香りを放っています(写真はそのときのもの)。
秋になると紅葉するので、まだその名残のある株も多いのです。

マホニアは草丈があまり高くならないので、下草として植わっているようですが、このマホニア(ヒイラギナンテン)は十大功労という中薬なのです。

何だか聞き慣れない中薬の名前ですが、分類上は清退虚熱薬で、肺結核の微熱などの陰虚が亢じて熱が発生したときに使います。
帰経は、肺と腎。
腎は納気を主っていますので、腎虚のせいで肺気が上逆して咳が止まらないなんていうことが起るわけです。
だから、上の肺で起きている咳を鎮めるのに、下にある腎陰を補うことによって治すという手法があるのです。
それを煮えたぎっている釜の下にあるたきぎを引っこ抜くと、自ずと釜の中は鎮まる(釜底抽薪)というのですが、おもしろいですね。

2008年03月24日

イタドリの漬物

イタドリ<br />
これは、漬物ファンクラブで届いたイタドリの漬物(届いたのはだいぶ前ですが)の写真です。

中薬を勉強していて楽しいのは、
『えっ、これって〇〇だったのー。』
という発見があったとき。

虎杖(こじょう)という中薬が、このイタドリだったのです。
漢方薬として使われるのは根の部分で、祛風湿薬なので関節痛に効くし、打撲(瘀血を取り除く)や化膿性疾患・毒蛇に咬まれたとき(解毒)にも効くとあります。
熱による咳にも効くなんて、いろいろ応用範囲が広い植物ですね。

2008年03月17日

下乳と回乳ってわかりにくい言葉ですね

中薬の効能のところには、下乳と回乳があります。
回乳って、乳を回すってことだから、母乳の出を良くするような気がしませんか?
でも、このことばは逆の意味があるんですよね。

先生曰く、
「回鍋肉(ホイコーロー)って、鍋に肉を戻すって意味なんです。」
『なるほどー。』
それで、回乳は母乳の出を止めるってことなんですね。

母乳の出を良くする方は、下乳といいます。
この効果を持っているのは、王不留行木通通草穿山甲鍾乳石
食品では、鹿、鮒、鯉、なまず、金針菜、落花生、豚足などです。

母乳を止めたことにより、腫れたり痛みが出る場合(回乳)は、麦芽が適しています。

2008年02月28日

豆は解毒効果がある

フジマメ<br />
何気に聞いていた中薬の授業。
「豆は解毒効果があるので...」

ん、豆っていろいろあるけど、豆一般?
解毒効果?

大豆には解毒効果があるとは記載されていませんが、黒大豆、要するに黒豆は 薬物中毒、熱毒にとあるし、小豆
解毒排膿できるとあります。
薬物を解毒するのに有名なのは、チャングムにも登場した緑豆です。
トリカブトの毒(巴豆附子)に対して効き目があり、清熱解毒薬として分類されています。
そして、日本では馴染みがありませんが、フジマメと呼ばれている扁豆(上の写真)は、酒毒や魚毒に効くといわれています。
(扁豆って、ほんと眉みたいで可愛いですね。)

豆を料理するのは水に長時間浸けておかないとふっくら炊けないし、面倒な気持ちが先にたつし、豆料理って何だか地味ですよね。
いや、そんなことはいってはおられません。
解毒効果を持っている身近な食物を、もっと食べなければ(自戒)。

2008年01月31日

花粉症の季節ですね

1月からの3か月の授業に薬剤学というのがあります。
中薬から方剤を作る授業のようです。
膏剤(軟膏のような固さで、煎じ薬に蜂蜜や砂糖を入れることによって保存性を持たせたもの)が作れたらおもしろいでしょうね。
中国では、良いとこの奥様はご自身の膏剤をお持ちなので、膏剤を持っているということがステータスになるそうです。

方剤も、3味や4味のものから組成できるものなら、割と気軽に煎じ薬にできますが、何種類もの中薬を必要とすると面倒で、湯液(煎じ薬のこと)が一番吸収しやすいので早く症状が良くなるといわれても、なかなか手が出ません。
そして、4味で組成される黄連解毒湯などは、黄連の苦さのため煎じ薬にしてもきっと飲めないでしょうし、甘草の入った方剤は、その舌に絡みつくような甘さのため、まずくて私は飲めません(人によっては甘草に対してこのような状態にはならないらしい)。

明日から2月。
花粉症の人にはつらい季節が待ち構えています。
『玉屏風散』は、黄耆白朮防風の3味で作れる方剤です。
宝石でできた屏風を立てるように、皮膚の表面にバリアを作り、衛気(体の表面を守っている気)の不足を補います。
人に比べると、それほど暑くもないのに、昼間だらだら汗をかくような人に、より適しています。

煎じるのが面倒だわという方には、イスクラが輸入している「衛益顆粒」という漢方薬もありますよ。

<関連記事>
玉屏風散をお茶がわり
小建中湯茶

2008年01月07日

炮製学の実技

炮製実技1<br />
炮製実技2<br />
炮製学の実技風景の写真です。
お酒やお酢、生姜汁を振りかけて炒めたり。
今回、一番面倒だったのは、ニンニクの汁で炮製するもの。
ニンニク絞り器があれば簡単だったと思うのに、あいにくミキサーぐらいしか用意されていなく、ミキサーでもなかなか細かくならないのを友人が何とか、おろし状態にしました。
厚朴や地黄、当帰を炮製したのですが、生地黄を買ってきて炮製するといろいろ楽しめることを発見しました。
ポリポリ、酒のつまみにもなって、結構イケます。
地黄炭より、やはり炒地黄のほうがおいしいです。

2007年11月14日

炮姜炭、煨姜、乾姜、生姜

炮姜炭<br />
炮製学の実技で、乾姜から炭を作りました。
強火で炒ることしばし、燃えちゃわないように、水をシュッシュッ。

で、できたのが写真のものです。
軽くて、上手く炭になりました。
炭だけど、出来上がりを食べてみると、そうまずくもありません。

中薬は炭にすると、止血効果が出てきますが、炮姜炭もしかり。

生姜---辛/微温、帰経は肺、脾
乾姜(生姜を乾燥させる)---辛/熱、帰経は脾、胃、心、肺
煨姜(弱火で炮製)---辛/温、帰経は脾
炮姜炭---辛・苦/温、帰経は脾、肝

生姜は、発散する性質があり、ゆえに肺経に効きます。
乾燥させたものは、上焦と中焦に、
弱火で炮製すると、中焦に
炭にすると、解毒効果が出るのか肝にも効きます。

分類の仕方によっては、炮姜と炮姜炭を分けている場合もあり、この場合は、茶色の焦げ色がついたのを炮姜、真っ黒で炭になったのを炮姜炭としています。

元の中薬の性質を受け継いでいても、炮製の方法によって微妙に変化していくのは、おもしろいですね。

2007年04月05日

一押し、甜杏仁パウダー

何回も、この甜杏仁パウダーのことは書いていますが、友だちからAmazonだと送料無料になるよと、お知らせがありました。

うれしい!

これで、気軽に一つずつ、注文できる。
食品なんだから、新鮮な方がいいに決まってますよね。

それにしても、アマゾンて、1,500円以上で送料無料にできるのはなぜ?
よっぽど、大量に発送してるのね。

今まで、この甜杏仁パウダーのことを書いた記事
杏仁茶(乾燥した季節に肺のために、それに便秘によい)
甜杏仁パウダーを使った杏仁豆腐
杏仁ミルクキャラメル

(ご注意)非常に似ている類似品があります(ライフリーで売ってました)が、この一押ししている甜杏仁パウダーのほうが、香りも味も格段に良いです。

2007年04月03日

天麻はラン科

胡蝶蘭<br />
先日、友だちに、「授業に出てきた天麻はドクダミのことなの?」と、聞かれました。
なぜ、天麻がドクダミになったのかというと、天麻の話の後に続けて、先生がドクダミの話をしたからなのですが、それぞれの中薬がいったいどんなものなのかという説明がプリントにはなかったのも原因でしょう。

中薬もしくは食材でも、それがどのようなものなのかがわからないとイメージが湧かないし、ピンと来るものがありません。
さらには、どんな味がするものなのかも重要なことです。

その場は、うろ覚えだったので、「オニノヤガラとかいうものだったと思う。」と、答えておきました。
私だって、細かく砕かれた天麻は見たことあるけれど、オリジナルはどんなものかは知りません。
植物好きの方々が、オニノヤガラのページを作ってらっしゃるので、検索してみてね。

東洋ランは地味な色合いの花が多いけれど、こちらもかなり渋めの花。
薬になるような植物なんだから、当たり前?
いやいや、他のラン科の薬は、どうでしょう。

山慈−清熱解毒薬。
ラン科 Orchidaceae のサイハイランCremastra appendiculata (D. DON)MAK.およびPleione bulbocodioides ROLFEの仮球茎、これらは山慈擇△襪い鰐啝擇半里気譴襦
光慈擇魯罐蟆 Liliaceae のアマナ Tulipa edulis BAK.や Iphigenia indica A. GRAV. の鱗茎で、他にウマノスズクサ科のカンアオイの仲間Asarum sp.の全草に由来するものもある。

白芨−止血薬。
ラン科 Orchidaceae のシラン Bletilla striata REICHB. f. の塊茎。

石斛−補陰薬。
ラン科 Orchidaceae のセッコク属植物 Dendrobium officinale K. KIMURA et MIGO、D.nobile LINDL. その他同属植物の茎。

シランは、可憐な小さな紫色をしていて、庭に植えている方も多いのではないでしょうか。
石斛は、デンドロビウムと書かれているとおり、普通に市販されているデンドロビウムによく似ています。

ジャノヒゲの根っこが麦門冬(ばくもんどう)だと知ったときも驚きましたが、身近な美しい植物が薬になるなんて不思議。

(写真の胡蝶蘭は、ミディタイプ。苗で買ってきて一株しか植えていないので、一つしか花茎が出てきません。でも、何年も楽しませてくれています。)

2006年11月27日

龍眼の乾き具合

龍眼一番最初に龍眼肉を購入したのは、漢方薬局でした。
このときの龍眼は黒くてべたべたしていてくっつきやすく、お値段も結構高いなモードでした。

その後、銀座の星福(薬膳レストラン)で見かけた龍眼は、料金が安いので買ったのですが、こちらはドライタイプで茶色でした。
そして、横浜中華街の八百屋で売っていたものは、まあ中華街ということもあるでしょうが、さらに安くて茶色が薄いものでした。

そして、今回の龍眼は、研究科の先生がお持ちになったものと同じものを、北京で友だちが買ってきました。
さらに、色は白っぽく、より生に近いような。(写真の左側です。右は星福のもの。)
研究科で味見をしたときも、何だか干した帆立てのようだと感じましたが、ベタベタ度も強くお互いにくっついちゃってます。

個人的な味の好みは、ドライタイプの方です。
一番食べやすいと思います。
おそらく、八宝茶に入っているのは、こちらでしょう。

さて、効き目はどれが一番強いのか?
たぶん、漢方薬局で市販されている、黒っぽくてべたつくものではないでしょうか。
一番高価だし、薬局で売られているものだから、ということで。

2006年11月10日

細辛と黄連を合わせたら(口唇ヘルペスその後)

細辛細辛黄連細辛黄連の汁を混ぜたものが口内炎に効くという記載があったので、口唇ヘルペスに再度挑戦しました(前の記事参照)。
しかし、黄連の汁って、いったい。
生の黄連の汁でしょうか。
それは手に入らないので、煎じ汁を粉にした細辛に加えて、唇周囲に塗ることしばらく。
何となく、良い感じ、と思ったのも束の間、翌日にはしっかり病が先に進んでおりました。

やっぱり、口内炎じゃないから効かないのかもね。
中医の先生に、ちょっと尋ねてみると、中国では各病院で個別の軟膏を作っているけれど、市販されている薬はないのではないか、ということ。
抗ヘルペス薬で対抗するっきゃないのかもしれません。
こういうときは、中薬の限界を感じます。

2006年10月23日

口唇ヘルペスには黄連?

黄連今年の春から、風邪を引いたわけでもないのに、唇の周りが潰瘍状になってしまう口唇ヘルペスになってしまいました。
ヘルペスウィルス自体は、そう珍しいものではないみたいですが、体調が悪いと再発するようです。
唇周囲は、元に戻ったと安心しているとまた再発するという、その繰り返しです。
自分では、体調不良を自覚しているわけではないので、ヘルペスが出るたびに、何だか体から警告されているようで憂鬱です。

最初のうちは、口唇ヘルペスだとは思っていませんでした。
胃陰が足りないんじゃないという薬局の人の言葉から、麦門冬湯を飲んでいたりして。
それでも、何だかこの処方は違うのでは、おかしいとは感じていました。

唇周囲が水泡状になってしまうと、何を食べても飲んでも滲みてしまい、常に唇が「どうにかしてくれー」と主張しているようになってしまいます。
医者からもらった軟膏は、副腎皮質ホルモン剤のケナログ軟膏でした。
医者は、ホルモン剤だとは一言も言わずに出したくせに、軟膏がすっかりなくなって困り、再びクリニックで「2本欲しい」とお願いすると、「あまり使わない方がいいんですよね」ですって。

私だって、ホルモン剤になんて頼りたくない。
でも、他の代替品はないの?

そうこうするうちに、以前買ったステファン・クムリク著「生薬を活かす」の中に、口辺ヘルペスに効く軟膏ということで、黄連が紹介されているのを発見しました。

黄連を粉にして、バナナと混ぜる.....バナナは家になかったので、蜜蝋を混ぜて軟膏を作りました。
黄連は黄色く、これを塗って寝てしまったら、シーツや枕が黄色に染まってしまいそう。
それでも、起きているときに塗ったら、かなり怪しい人になってしまいます。

何とか一晩、唇周辺に塗って、翌朝のこと。
ケナログ軟膏を塗ったときは、病気の進行状態は逆行するのに、黄連軟膏では進んでしまいました。
おまけに、寝具につかないように気をつけていたせいか、寝不足気味。
かえって、体調不良になりました。

(次回は、マヌカオイルの場合をご報告します。ただいま、実験中。)

2006年08月07日

黄耆(おうぎ)に虫がつきました

以前、朝鮮人参に虫がついて虫食い穴だらけになったことがあります
今度は、黄耆に虫がついてしまいました。
天ぷら油などのストックしておくポットなどについていたりするとっても小さい黒い虫です。
補気の中薬は、虫もおいしいのか、他の中薬に比べると虫がつきやすいのでしょうか。
当帰もつきやすいそうです。
当帰も血中の気薬といいますものね。

黄耆についたその虫は、洗ったら水の中では死んでしまいました。やれやれ。
ざるにあげて水切り用にボールで受けてと。

ここまではよかったのです。
翌日もその翌日も、そのままにしてそのざるの中から煎じ薬を作りました。
しかし、そのまた翌日になったら、
アーッ、かびだらけーっ

何と、見たことないくらいのすごいかびが生えていて。
いかん、何ともったいないことをしてしまったのだ。

漢方薬局で買いなおすときに、この話をすると、
「洗っちゃ駄目。陰干しすれば、虫は出て行くよ。」
と、またもや言われてしまいました。
「それに、虫を気にせず煎じちゃえばいいじゃないの。」とも。

「えーっ、いっぱいいたら気持悪いですよー。」
(庶虫)虫(しゃちゅう)だってあるじゃない。」
「まあ、そうですけど。補気の薬を食べた虫だから、補気になるかな。」

とは、言ってみたものの、やっぱり虫は気持ち悪い。
蝉退(せんたい)ぐらいなら、まだ許せるけれど。

人によっては、昆虫が入っている方剤だと聞くと、もう飲むことはできない方もいるそうです。
先生としては、『こっちのほうが効くんだけどなあ』と思いつつ、別の方剤をお出ししたりするそうです。
昆虫系の中薬って、活血の薬が多いような気がしますねえ。

2006年06月26日

肉桂と桂枝とシナモンはどこが違うのかな

アバウトに言ってしまえば、同じものです。
世間一般には、そのように通っているでしょう。

しかし、中医学から見ると、特に方剤の組成からすると微妙に分けて考えられています。
シナモンはCinnamomum zeylanicum.、
肉桂はCinnamomum cassia BLUMEおよびその他同属植物の幹皮、
桂枝はCinnamomum cassia BLUMEの若枝またはその樹皮、ということになっております。

同じ植物の部位によって、働きが違うと考えられており、枝の部分である桂枝は「走而不守」、幹である肉桂は「守而不走」だそうです。
桂枝は枝部分にあり、幹より上の部分にあるので、軽く走っていき、温経通絡、陽気を通して気血の流れをよくする働きがあり、
肉桂は幹の部分にあり、温補腎陽、桂枝が表の部分で発汗させるのに対し、裏を温める効果があり、下焦(肝・腎)に効くのだそうです。(昨日のセミナーの受け売りですが)

中国人て、おおらかで大陸的アバウトそうに見えて(失礼)、自然から学んでいる繊細な面を持っているんですね。
とても、学ぶことが多いです。

2006年03月02日

穴あき人参

穴あき人参高価な朝鮮人参が、虫食いになってしまいました。
ちゃんと密封していなかったせいもありますが、大事にとっておき過ぎたのです。
木の虫食い穴から木屑が出てくるように、細かい人参の粉がずいぶんと出ています。

あ〜あ、もったいない。

もったいないので、洗って、生脈飲茶にせっせと使うことにしました。
高価なものといっても、食品には違いないのだから新鮮なうちに使わなければならないですね。
今さらながら、反省。

2005年11月25日

中華枸杞

中国の枸杞の実この写真は、北京の薬草園でとったものです。日本の枸杞の実に比べて、中国の枸杞の実は細長いと思いませんか。

昔、おばあちゃんが山から枸杞を掘ってきて(どこから取ってきたんでしょう)、庭に植えていました。
おばあちゃんは、どこからか便秘に効くと言われて枸杞酒を作り、それをせっせと飲んでいました。
私の中では、変な臭いのするお酒というイメージが定着していたせいか、すっかり枸杞はまずいと思い込んでいました。
薬膳を習い始めた頃、漢方薬局で枸杞の話をしたところ、店主の奥様が「ちょっとほろ苦くておいしい」というではありませんか。えっ、私のイメージと違う。

おいしいとおっしゃるなら試してみようと、食品店で枸杞を購入し、そのまま食べてみると結構おいしいではありませんか。ちょっとほろ苦いけど、まさしくごく普通のドライフルーツです。おばあちゃんのあの枸杞酒はなぜあんなにおいしくなかったの?おまけにまずかった。今は亡きおばあちゃんに作り方を聞くことはできませんが、きっとあのお酒は生をそのまま入れていたにちがいない、と推測しています。

薬膳料理の代名詞のようにいわれている枸杞ですが、肺を潤し、視力をよくし、肝腎を補う作用があります。
しかし、便秘に効くとはあまり効いたことがありません。おばあちゃんは、いったいどなたからそんなことを聞いたのでしょう。

詳細:薬膳情報.net