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2008年04月24日

方剤の覚え方

方剤は、当帰補血湯など二つの薬からなるものもありますが、大活絡丹のように50近い中薬から組成されているものもあります。
いったい、みんなどうやって方剤の組成を覚えてるの?
多分、語呂合わせを作ってるんだろうとは思いますが、それにしてはインターネットの世界に出て来ないですねえ。
語呂合わせが記載されている方剤の本というのがあるようですが、高価なのでそのためだけに買う気がしません。

中国語だと方歌があったり、中国語の音で語呂合わせが作られていますが、なぜ日本語版はないのでしょうか。
ドイツ語の方歌ってあるそうですよ。
それなのになぜ?
日本には先人の知恵ってものがないのかな。

2008年03月03日

脾胃の経絡と上下

人体の「気」は、上に昇るもの、下に降りるものとあり、「脾」の気は昇清で昇るのが正常、「胃」の気は降りるのが正常といわれています。
ですから、もし嘔吐やシャックリが出たら、それは降りなければいけないはずの胃気が逆行しているからで、下痢した場合は昇清しなければならないはずの脾気が逆行しているからなのです。
ここまでは、中医基礎論のはなし。

知識が知恵になり、応用できるようになるには、1回や2回その話を聞いたぐらいでは身になりません。
経絡の運行もわかっていたはずなのに、突如として、この気の運行が経絡の運行とぴったり合っていることに気がつきました。(今頃気づいたといわれそうですが)

脾経は足から胸に上り、胃経は頭から足に下るのです。
経絡は気血が運行するところ。
気が滞ったり、逆行すると人体にとっては不具合が起ります。

中医学って、有機的に結びついていて、人体の研究にはもってこいの学問ですね。

2008年02月27日

青い風邪、赤い風邪

ここのところ風邪を引いていなかった(去年は全然)のに、先週とうとう風邪を引いてしまいました。
疲れが溜まっていたのだと思います。
火曜日の授業中、何だか今日は体感温度で寒く感じなあ、だったのですが、翌日の帰りの電車で、うっかり襟巻きをしないでうとうとしてしまったら、電車を降りたとたんに喉の痛みを感じました。

あれっ、まずい。
なんで風邪ひいちゃったの?
こんなことぐらいで。

風邪には睡眠が一番とは知っていても、補助に薬がほしい。
でも、風寒の風邪なのか、風熱の風邪なのか、いったいどっち?
巷で最近囁かれている青い風邪、赤い風邪というのは、どうやらこれらの違いらしい。
青か赤か、温めたらいいのか冷やすべきなのか?

いつも罹っている風寒の痰がからむような咳は出て来ないし、いつものパターンとは違う。
咽喉痛があり、舌尖はいつもよりさらに赤い、悪寒はするけどいつもほどひどくない、咳は乾いた咳で、発熱はしていないけれど、夜ふとんに潜り込むと暑くて安眠できない。
口渇は夜いつもあるけれど、このときはいつもに比べるとあるとはいえない。
それにずっと出ていなかった腰痛まで出てきた。(これについては、腎陰虚で髄を養えなくなったと判断。)

結局、赤い風邪と判断して、いつも行く漢方薬局に天津感冒片(銀翹散羚羊角が入っる)を買いに行きました。
でも、店主は風寒の風邪じゃないの、というのです。

「でも、喉が痛いんですよ。」
「風寒でも、喉が痛くなるよ。口渇ないんでしょ。」
「ないというわけじゃ。それに、いつものパターンとは違う。」
「じゃ、天津漢方片、持ってってみる? 副作用(たとえば食欲不振)が出たら、飲むのをやめてね。」

どうやら、処方は合っていたようです。
1服飲んで、あっこれは効きそう、と思いましたもの。
今は、八分程度に治っています。

それにしても、実際の症状に合わせて弁証するのは本当にむずかしいことです。
ぴったり合っていれば、見事に症状が消えていきますが、本や学校で勉強するのは典型的な場合なので、実際の人間がその典型的なパターンにはまればいいのですが、はまらないことが多い。
熱もなく口渇もあるというほどではないのに、風熱の風邪と感じたのは、いつもひく風邪のパターンとは違うせい。
これは、自分じゃなければわからないことですねえ。

2008年02月18日

火と熱

中医学では、肝火上炎や肝陽上亢などということばを使って、病気の内容を表現しますが、体の中で火が燃え盛っているのか、熱があるだけなのかは違いがある、というのを先日知りました。
両方とも、症状としては乾燥状態が現れ、イライラしたりするのですが、火は熱よりも強く、一点に集中して症状がでるというのです。

中医学仲間の口の周りに出現しているおできは、胃熱があるという証拠。
しかし、この火と熱の違いを聞いた後では、
「胃熱があるんじゃない。あっ、違う、これは火ね。(う〜ん、症状重そう。)」
と、なります。

魚もグリルで直火で焼くと皮に焦げ目ができますが、オーブンの輻射熱で焼くと全体に蒸されたように焼き上がります。
火が一点集中型とは、これにてしかり。

自然から学んできた伝統的な中医学。
奥が深いです。

2008年02月14日

赤いパンツ

先日、母から電話がかかってきて。
赤いパンツを履いていると下の世話にならずにすむという言い伝えがあるそうで、

「巣鴨に行って、赤いパンツ買ってきてよ。テレビで黒柳さんが、巣鴨のお店で赤いパンツを買ってたの。」
「ええっ、やーよ。消耗してるんだから、巣鴨くんだりまでいきたくない。インターネットで見てみる。」

といって、検索してみると、
あらー、これのことかしら。

まっさきにヒットしたのは、やはり巣鴨のマルジのページ。
あるわ、あるわ、いっぱいありすぎて迷っちゃう。

田舎にも送るとかで、真っ赤なパンツを全部で9枚も注文してしまいました。
その中には自分用のお試しのワコールもあります。
ワコールの赤は黒みがかっていますが、マルジのオリジナルは本当の真っ赤。
履くのにちょっと勇気がいるというか、気合が必要です。

赤いパンツを履くことによって、丹田に力が入るのと同じ効果があるのだとか。
丹田は、気海穴関元穴のことを指しますが、赤の色は動物が興奮する色、血液の色で、五行でいうと「心」の主る色、生命の源です。
古来より、赤ふんや赤い腰巻きがあるのは、力が湧くからだというのですが、そうなのかな。

そういえば、朝、気合を入れて赤いパンツを履き、日中は忘れていて、夜帰宅したとき、ああそういえば今日は授業中あまり眠くならなかったな、赤いパンツのおかげかしら、なんてときがありますね。
気合が入るってとこが、ミソですか。

2007年12月19日

陰虚は虚なのね

陰虚は虚などと、何、当たり前のこと、書いてるの、と言われそうですが。
先日の中医営養学の授業のとき、陰虚の人が取らない方がよいものとして、熱い刺激物と冷たい刺激物というのがあったのです。
熱い刺激物とは、唐辛子に代表されるもの。
はて、冷たい刺激物とは?

それは、氷や凍った食品、冷たく冷やした料理です。
陰虚だと、体の中の津液が不足してきて、体の中で火が燃えてきたりするので、そのときは、当然『大熱』の性質を持つ唐辛子は避けなければなりません。
でも、冷やすのだったらオーケーなのでは?

いやいや、『虚』という性質を考えると、冷たくて体を刺激するものはやっぱり避けるべきなのですねえ。
でも、おおかれ少なかれ、陰虚の人は口渇があるので、冷たい食品を好む傾向にあります。
これを、病気が欲しがるって言うんでしょうね。

おそらくこの考えが記載されているのは、写真の本だと思われます。
確認していなくてごめんなさい。

2007年11月05日

五行クッキー

五行クッキー青<br />
五行クッキー赤<br />
五行クッキー黄<br />
五行クッキー白<br />
五行クッキー黒<br />
黒龍江で、友人が購入した五行クッキーです。
それぞれの五行の色別に、赤い食物や黒の食物を加えてあります。
最初、このクッキーを買ったと聞いたときは、五臓に関連付けして、帰経を考えているかと思ったのですが、五行の色別に作られているものでした。

食べ終わったら、袋をちょうだいと言っておいたのですが、手元にあるのは赤と黒なので、詳しいことはこの二つだけです。

五行クッキー赤
高粱、紅米、紅豆、紅棗、紅芋、枸杞。
養生格言心者、火也、其色赤。
万法之宗、一身之主、生死之本、善悪之源。
与天地相通、為神明之主宰、両病否之所由系也。『寿世青編』
『霊枢・脈度』心気通于舌、心和則舌能知臭香矣。(注:心陽有温煦的作用、火有陽熱的特性、故以心属「火」)。

五行クッキー黒
黒芝麻、黒米、黒棗、黒豆、栗子。
養生格言腎者、水也、其色黒。
精神之舎、性命之根、外通于耳。
男以閉精、女以包血、与膀胱為表里、足少陰、太陽是其経也。華陀『中蔵経』
『霊枢・脈度』腎気通于耳、腎和則耳能能聞五音矣。(注:腎有主水、蔵精的効能、水有潤下的特性、故以腎属「水」)

現代語訳黄帝内経霊枢・東洋学術出版社によると、

五臓の精気は、常に体内から上って顔面の七孔に通じている。
肝気は目に通じているので、肝の機能が調和していれば、目は五色を見分けることができる。
心気は舌に通じているので、心の機能が調和していれば、舌は五味を嗅ぎ分けることができる。
脾気は口に通じているので、脾の機能が調和していれば、五穀の滋味を味わうことができる。
肺気は鼻に通じているので、肺の機能が調和していれば、鼻は香臭を嗅ぎ分けることができる。
腎気は耳に通じているので、腎の機能が調和していれば、耳は五音を聞き分けることができる。
もし、五臓の機能が調和しなくなると、七孔の機能つまり五官の機能が失調する。
六府の機能が調和しなくなると、気血が鬱滞して外表に癰ができる。
故に邪気が六府にあれば、陽脈が不暢となり、陽脈が不暢となれば気が滞り、気が滞ると陽気が偏盛する。
邪気が五臓にあれば、陰脈が不暢となり陰脈が不暢となれば血が滞り、血が滞れば陰気が偏盛することになる。
陰気が偏盛すると陽気は内に入って陰気と調和することができなくなり、陽気が偏盛すると、陰気は外で陽気と調和することができなくなる。

よく考えられたクッキーが、何げに市販されているあたり、中国での伝統医学浸透ぶりがうかがえると思いませんか。

2007年10月28日

黒龍江中医薬大学での研修

黒龍江中医薬大学での研修をサイトの方に載せています。
興味のある方は、ごらんくださいませ。

2007年10月18日

中医学的リップクリーム

リップクリーム<br />
黒竜江中医薬大のスーパーには、食品以外にも日用品が置いてあります。
食品も多分に中医学的で面白いのですが、日用品もおもしろい。
これは、クリームではなく、正確にいうと唇を潤すオイルですが、これらにも中医学のエッセンスがいっぱいです。
薄荷や薔薇、ラベンダーを使い、ただ潤すだけではなく、涼しげであったり、活血したり、養血したりと、そのときの体調に合わせて使えます。
写真のものは、4タイプぐらいありました。

昔、四川料理の麻婆豆腐を日本に紹介したので有名な陳建民さんが、フランス料理のシェフ(名前は忘れました)と対談したときの話を思い出します。
フランス料理のシェフは言ったそうです。
「フランス人はおいしいものしか食べません。」
それに対し、陳建民さんは、
「中国人は、おいしくて、体によいものしか食べません。」
どうです。
リップオイルと通じるものがある、と思いませんか。


2007年09月27日

成長しているときは女は少陰、男は少陽

婦人科の推拿治療学のとき、女は7の倍数で歳をとり、男は8の倍数で歳をとるという説明がありました。
あら、また、7とか8の話になっちゃった。
なぜ女は七の倍数で、男は八の倍数で成長するのか

以前高橋先生の考えは聞いていたので、別の先生の意見も聞きたいと、質問してみたのです。
決して、先生を試した訳ではありません。
でも、私はいつも変な質問ばかりする、と先生に思われているのです。
授業の合間に質問したので、先生は別の先生にちょっと調べておいてとお願いしたらしい。

調べた結果は、黄帝内経の考証というか解読書(中国のものです)に、黄帝内経を編纂したといわれている王冰の解説が載っていたのです。
まあっ、思わず目が点になっちゃいました。

王冰の時代から、それについての考証があったんじゃないですか。

九は老陽の数字、八は少陰、七は少陽の数字、
成長過程においては、女は少陰の体、男は少陽の体(年をとると老陰や老陽になる)
陰陽のバランスから考えると、女は少陽の数字である八をかけた年齢で変化が起り、男は七をかけた年齢で変化が起る。

ということが、ちゃあんと記載されてました。
先生は、そういう意見もある、とのご意見でしたが、王冰のご意見ですよ。
納得いくと思いませんか。

根本的なところは、結局『易経』の世界につながる。
「まんが易経」でさえ、難解だったので、興味があっても手を出さないでいたけれど、やっぱり易を知らないと中医学の本当のことはわからないのかもしれません。
神田神保町には、易学専門の書店があるから、そのうち寄ってみましょう。

2007年09月19日

腹巻は足の冷えに効く

冷房病になってから、とみに冷房に対しては過敏になっている私ですが、外からは見えないからと下着で対抗しています。
その中の一つは腹巻ですが、最近はおしゃれな腹巻が多く出回っているし、キャミソールやスパッツをお揃いにすれば、さながら『麗しのサブリナ』(あまり疑問に思わないでください。雰囲気はそんな感じなんですから。)風です。

腹巻をすると足の冷えが改善されるという情報は中医学の情報からではありませんでしたが、中医学の理論にもかなっています。

腹---これを中焦というのか下焦というのか。お臍から上なら中焦、お臍から下なら下焦かな。

中焦は脾胃を指しますから、脾が四肢を主っているということを考えると、理にかなっているのです。(友人に言われて気づきました。遅かりしですが。)

下焦といえば腎・膀胱ですが、水を主っている『水臓』と呼ばれる腎を温めるのは、根本的に冷えを予防できるというわけ。

しか〜し、足が冷えるのなら、お腹の上の方に腹巻をするべき?
ちょうど、ウエストのところにかかって、どうも、もたついちゃうんですよね。

(とっても寒い日にホッカイロをつけたいときは、背中の腎兪穴(女性ならちょうどウエスト辺りです)にカイロをつけると温かさが違います。)


2007年09月12日

提壺(ポットの蓋を開ける)

薬膳の授業のときのこと。
腎臓病の薬膳だったのですが、水の代謝が悪くて、むくむときは、腎の他に関連する臓腑としては、

肺(宣発・粛降をする水の上源)、脾(運化がうまくいかないと水が滞る)、三焦(水の通り道)

がある、という話になりました。
そこで、肺が外邪にやられたとき(風寒)の薬膳材料として提示された材料が、利水のものがなく発汗解表するものばかりだったので、そのとき先生がされた説明は、『提壺(ていこ)』でした。

ポットから出るお茶の出が悪いときは、蓋を開けると下から勢い良くお茶が出てくる。

というのが、たとえだったんですが、わかりやすいですねえ。
むくんでいるときは、利水のほうに気を取られやすいですが、肺に原因があった場合は発汗することによってむくみがとれる。
風寒犯肺のときは、上焦に問題があるので、水はいまだ尿になってはおらず、症状としては「尿量少」なんですよね。
だから、利水して尿として出そうとするより、発汗させて水を出す方が理にかなっている。

私も、ルイボスティーをしょっちゅうヤカンで作っていますが、出が悪いなと思うとヤカンの蓋をちょいと開けます。
すごい勢いで出てくるルイボスティーを見るたびに、この提壺の話を思い出します。

2007年09月03日

トイレの音消しは誘導法?

推拿治療学の時間、先生曰く、
「高島屋さんで流しているトイレの中の水音は、誘導法ですね。あれは、良いですね。」
『ん、ゆうどうほう?。それって何? あの水音は自分の体内から出る音を、消し去るために流しているのでは?』

「年寄りとかは、待っている人がいるとあせって尿を出しにくいけど、あの水音があると安心して出すことができます。」
『ふ〜ん、そういう考え方もあるのね。』

友、曰く、
「先生! あの水音は音消しのために開発されたといわれているんですけれど、そういう効果もあるということですね。」
ありがとう、友よ。内心、私もそう思ってたわ。

テレビでも先日放映していましたが、こういうのを環境音というのでしょう。
音で音を消す。

テレビで紹介されていたのは、オフィスでの打合せの会話が気になるので、小さいゴーッという音を常に流すと、何を話しているのかは聞き取りにくくなる、ということでした。

排泄音が恥ずかしいから気になる、こういう発想って日本人ならすぐ結びつく発想ですが、さすが中医学を勉強した先生の発想は違います。

2007年08月16日

深い睡眠がアンチエイジングといわれると

健保組合から来る冊子を見ていると、

成人してからも、深い睡眠中にのみ分泌される成長ホルモン(成長期の子供は1日中分泌されている)は、アンチエイジング医療でも注目されています。 エネルギー代謝・糖代謝・脂質代謝・ミネラル代謝・筋肉の発達に影響してきます。

と、ありました。
午後11時から2時の間は『腎』の時間(この間に寝なさいということらしい。ただし、出典がわかりません。中医学的ではなく、漢方的な意見のようで。)、と言っておきながら、ここのところ『数毒(独)(SUDOKU)』に侵されていて、止められない、止まらない、を地でいっている生活だからです。

腎虚がはなはだしく、気虚の状態が激しく、自汗の状態が多いのです。
ちなみに、自汗は気虚、盗汗は陰虚と申しますが、夜の間も汗をかいているので陰虚もありかと、ふと思いましたが、盗汗は朝起きたらぴたっと止まるというのを思い出しました。
友だち二人が、
「不思議なほど、本当に起きたら、汗が止まる」と申しておりましたから。

自分の汗で、常に肌が湿った状態って、肌に触ると冷た〜いんです。
肌に乗った水分が気化するたびに、体温は下がっていく、だから当然寒いと感じている、それなのに毛穴は開きっぱなしで汗を出し続けている。
気が不足しているので、腠理(いわゆる毛穴、それだけではありませんが)を閉じることができない。
体の表面に衛気(体を外邪から守っている陽気)が不足しているのって、最前線に兵が不足していて、敵が攻めてきても守りきれないって感じです。
開きっぱなしの腠理は風寒邪も受けやすく、無防備に睡眠中に風にあたり続けると(扇風機はほとんど天井を向いていても、ホニャホニャ吹いて来る風も感受してます)、朝起きると体調不良このうえなし。

だから、気を蓄えるためにも睡眠をたっぷりとらないといけないのです。
わかってるのに、止められない。
毒にやられてるのって、毒に中る(あたる)、だから、中毒って言うんですね。

自分なりの数毒の解き方を書き留めておかないと、踏ん切りがつかないので、次回はその辺を。

2007年07月26日

コーヒーはやっぱり温?

体を温める食品か冷やす食品か、これは中医学ではとても重要なこと。
熱性の体質の人が常に体を温める食品を取り続けていると、体の中はますますヒートアップし、冷え性の体質の人が体を冷やすものを取り続けていると血液も循環しにくくなり(寒は凝固させる働きがある)、その結果瘀血も生じやすくなります。

まっ、中国人の先生方は、
「日本人は冷たいものばかりとっているので(和食は刺身や和え物など冷たい料理が多いし、夏でも冬でもお店に入るとお冷やが出てくるし、冬でも生足の女の子もいる)、胃が冷えて胃腸が弱くなる、だから日本人は胃腸が弱い人が多い。」
と、おっしゃいます。

醗酵食品であるプーアール茶が「寒」だという本もあるのはさておき、コーヒーが「温」としていた本(北京中医薬大学日本校が出している赤い本)が、訂正版では確か「平」になっていたと思います。

先日、黒竜江の漢方薬理学の授業で、先生がたまたまコーヒーのことにふれました。
神経を興奮させるものを「陽」とすると、コーヒーは「温」と考えることができる、と。

各食物が温なのか涼なのかは、人間が摂取した後のサーモグラフィーで実験している方もいらっしゃるようですが、以前岡本先生が言うには、食物はいったん人間の体の中に入ると熱を発生するので(食物にはみな熱量があるでしょ)、寒涼のものでも一時的にはサーモグラフィーでは赤くなり、その後青くなるとのことでした。
このへんの見極めが(変化する時間的なものだとおもいます)がむずかしいと。

各本によって、薬膳の一番根本的な寒熱温涼である四気が異なるとき、いろいろな角度から考えるということができそうですね。

関連記事:
栗はやっぱり甘でしょう
紅茶・コーヒーが温でプーアールは寒なの?

2007年03月12日

中医学を知ってさえいれば薬膳がわかる?

薬膳は、中医学理論に基づいて施膳されるものです。
ですから、薬膳を勉強するためには、中医学理論は不可欠です。

では、中医師はみな薬膳を知っているのでしょうか。
否、薬膳とは薬膳学、食療学、飲食栄養学なども勉強して、どんな食品がどんな作用を及ぼすのかも知らなければなりません。

今、世の中に出回っている薬膳関係の本は、料理研究家が薬膳を勉強して作っているもの、中医師が食材を提示して料理研究家が作っているものがあります。
料理として考えたときは、薬膳としての効き目よりゆるい内容で、病気に対する薬膳として考えた場合は、ある程度料理としての体裁はカットされるかもしれません。

そんな中、先生としての資質を問うと、薬膳を料理として勉強した方は、たぶんにして中医学の詳細な理論にはうといことがあり、中医学を勉強した方は、逆に食材をあまり知らなかったりします。

中医学は中国の伝統的な医学ですので、本場中国人に学ぶということは、ストレートにその知識が入るということですが、中国にある食材でも日本にはなかったり、同じ食品なのかというすり合わせができなかったり、料理自体が中国料理から脱却しなかったり、ということが起るわけです。

中薬は学名(ラテン語)が表記されている本があるので、名前が異なっていても同じかどうかは学名で判断することができますが、食品は判断できないものが多いのが実情です。
この前なんて、鴨と家鴨が同類で出てきたので、とまどっちゃいました。
肉としての、四気、五味を考えた場合は、同類で良いのかなとは思いましたが、同じ樹木でも桂枝肉桂は違うものとして分類されているので、変に細かい部分とアバウトな部分が混在して訳がわからない状態になったりします。

ちょっと、薬膳を勉強すると、どんな先生に習いたいのか、その全体像が見えてきます。
「僕らに必要なのは、中国でちゃんと勉強してきた日本人の先生だよ。」

でも、そんな人は非常に少ないのが現実です。

2007年03月05日

気は温かいの?冷たいの?

先週の気功の授業のときのこと。
合谷百会に、まるで鍼を打つように気を送るという動作を生徒同士で行いました。

友だちが、私の合谷にその動作をやったときは、ホワホワした感触が起り、薬指と小指がだんだんチリチリした感じで痺れてきました。
そして、百会にやったときは、何だか痒いような感触がしたのです。

先生がどんな感じがしたかを尋ねたときに、痒かった、と答えると、後ろから「えーっ、痒いの?」
自分でも、変な感触と思っていたら、別の友だちが教科書の気の感覚というところを開き、「あっ、痒いとかも書いてある。」

うん、うん、私の感覚も別に変ではなかったのね。
その、教科書の気の感覚のところをじっと見ていると、気は『熱』、『冷』の感覚もあると書いてあるではありませんか。

そういえば、先日、別の人と、百会に気を入れるというのをやったときは、冷たい風が吹いて来たような感覚が起ったんですよね。

気は、中医学基礎論では、カロリーの高い熱だから、気が滞ると体の中に熱が発生すると書かれています。
でも...冷たい感じがするというのも事実のようです。

生体エネルギーである気は、簡単に電磁波の一種とか、熱とかいえない複合的なエネルギーであることだけは確かなようですね。

2007年01月31日

ミニドリンク剤・ニューゼナF-

電車の壁に貼られている広告。
何気に見ている人はきっと多いと思います。
ニューゼナF-兇砲論弧瑤いっぱい。

目に飛び込んできたのは「反鼻」の文字です。
あれ、これにもマムシが入ってるの?
おーっ、何と養命酒のようなドリンク、養命酒の酒抜きといってもいいかも。

滋養強壮を目指すと、同じような生薬の配合になってしまうのかもしれませんね。
ただ、比率は違うし、こちらはビタミン類も添加されているので、微妙に違います。

ムイラプアマは、ブラジル原産の強壮生薬だそうです。
ニューゼナF-兇、どんな人向けかというと、

身体の疲れがとれない方、疲れていてもまだまだ頑張らなければならない方、かぜなどの発熱性消耗性疾患にかかり体力が衰えた方などの栄養補給に
ということです。

疲れがとれない方とか、消耗性疾患にかかって体力が衰えた方とかには良いと思いますが、疲れていてもまだまだ頑張らなければならない方というのは、誤解される人もいるのでは?
人参が入っているものは、虚証の人向けなので、実証で一時的にダウンしている人には向かないと思うから。

ここからは、中国人の先生に聞いた話。 人参は体力をつけるというので、子供にしょっちゅう食べさせた結果、その子供(若者)が体調不良になって病院に来たそうです。
問診した結果、人参をたびたび食べていたのだとか。
若者は、普通、元気が有り余ってますからねえ。
補気しすぎってのも、良くないってことです。

若者がドリンク剤を多用するのは、えてして、その人の証に適していないことが多々ありそうです。

巴戟天 300mg
地黄 150mg
淫羊藿 100mg
人参 90mg
白朮 54.5mg
タウリン(アミノエチルスルホン酸) 50mg
甘草 37.5mg
芍薬 30mg
ムイラブアマ 15mg
ビタミンB1硝酸塩 10mg
茯苓 9.6mg
ビタミンB2リン酸エステル 5mg
ビタミンB6 5mg
反鼻 1.75ml
黄耆 0.3ml
桂皮 0.15ml
当帰 0.11ml
川芎 0.1ml

2007年01月22日

孫思邈はベジタリアンだった?

薬王として、唐の時代の名医で、長寿だった孫思邈。
彼が、ベジタリアンだったという人がいます。
「千金方」の26巻にある『食治篇』は、薬膳のことが書かれていた最古のものといわれています。
孫思邈は、死にかけた人を生き返らせたとか、140歳まで長生きしたとか、名声には興味がなかったとかいろいろ言われている方です。

『千金方・食治篇』を手に入れていないので、自分の目で確認したわけではないのですが、ネットを検索していて台湾のページで以下の文(この文章を書いたときにはあったのですが、現在はヒットしません)を見つけました。

唐代名醫孫思邈的「備急千金方」一書,第二十六卷『食治篇』是現存最早的藥膳專篇,其中詳細地介紹了食治理論和具有食療作用的肉、果、菜等食物。

食治篇には、肉のことも記載されているようですよね。
ベジタリアンなら、肉のことを記載するかしら?
どなたか、孫思邈さんについてご存じの方がいらしたら、教えてくださいませ。

なお、孫思邈は鍼の腕も見事だったらしく、十三鬼穴というのが残されています。
これは、癲狂(精神病)を治療するときのツボで、「鬼」という字がついた別名がそれぞれあります。

孫思邈十三鬼穴

1 人中 鬼宮 入3分
2 少商 鬼信 入3分
3 隠白 鬼壘 入2分
4 大陵 鬼心 入5分
5 申脈 鬼路 火針
6 風府 鬼枕 入2分
7 頬車 鬼牀 入5分
8 承漿 鬼市 入3分
9 間使 鬼窟 入2分
10 上星 鬼堂 入2分
11 会陰(男)、玉門頭(女) 鬼蔵 入3分
12 曲池 鬼臣 火針
13 舌下中縫 鬼封 刺出血

2007年01月05日

栗はやっぱり甘でしょう。五味を考える。

栗は、甘/温で健脾補腎、強筋活血、滋補および血液の運行をよくする作用あり。
と、中医営養学の本には書かれていますが、ネットの中の情報では、五味が「甘」ではなく、「鹹」と書かれているものもあります。

はて、そんなことあるのかな。
どうも、何かの本にそういうふうに書かれているのを基準にしているらしいのですが、先日中国人の先生にそのことを尋ねてみました。

「それは、おかしいですね。五味には、それぞれ働きがあるので、働きから考えたら鹹のはずはないんですけどねえ。」
というのが、先生のおことば。

それで、考えさせられたという次第。
確かに、昔、昔は、食べてみて判断した味だとしても、五味が人間に与える作用を考えて、そこから導き出されたものもあるので、栗に軟堅・散結・瀉下の効果があるなんて、とても思えないでしょう?
いろいろな情報が飛び交う中、働きから五味を導き出すのも一つの手かな?

以下は、それぞれの味の働きをまとめたもの。

収斂、固渋、生津
泄、燥湿、瀉火、瀉下、清熱、降逆
補益、和中、緩和、滋養、強壮
発散、行気、活血
軟堅、散結、瀉下
滲利水湿、通利小便

2006年12月22日

漢方の代名詞、葛根湯

中医学には、正治と反治ということばがあります。
正治は、熱があったときは体を冷やす治療を、体が寒いときは温める治療をすることを指します。
反治は、本当は体の中には熱があり、陽盛の状態になっているのに、体の表面に陰が追いやられて、外目からは寒けがするときなどに、体を冷やす薬を使うことを指します。
つまり、表面に現れている症状には、『それは反対の治療だろ』という治療をすることで、実際は本来の症状に対しては正しい治療をしていることになります。

しかし、もしこの状態を読み間違えていたらどうなるか。
正治をするべきなのに反治をしてしまえば、治るどころかどんどん悪くなる。

先日の授業で、辛温解表薬を夏に使いすぎると、体の中が温まりすぎてかえって体内に熱がたまりやすく、よくないと聞きました。
葛根湯は、辛温解表薬ですねえ。
葛根自体は辛涼解表薬、つまり体を冷やすものですが、葛根湯という方剤になると体を温める薬になります。
夏風邪に葛根湯は、要注意ですね。

葛根湯は、風寒の風邪、体がぞくぞく悪寒がしていて寒い、ひき始めのときに飲むと効果を発揮しますが、喉が痛い、熱が出てきたなんて状況のときには風熱の風邪ですので、冷やさなければならないのに、逆に体を温めてしまいます。

本人は、治ると思って飲んでいたものが、実はプラスになるどころかマイナスに働いていたなんてことになるわけです。
日本人は、結構、葛根湯好きな人が多い。
私の周りにも、いっぱい、いること、いること。

あくまでも漢方薬は、そのときの証に合わせて処方されるべきもの。
病気(この場合は風邪)に合わせて飲むものではありません。
ですから、誤解が生まれるのです。

ちなみに、寒気にあたって筋肉がこわばって肩凝りがする、なんてときは葛根湯が効きますよ。

2006年11月22日

「黄帝内経」って、やっぱりすごい

ネットを検索していると、黄帝内経を研究する会とか、黄帝内経なんて役に立たないという人とかいろいろいますね。

2千年以上(3千年かしら)も昔に書かれた本なのに、中医学の基礎になっていて、人間の養生などについて記述されており、とても古いとは思えない素敵な本、それが「黄帝内経」です。

『昔の人は皆100歳になるまで生き、しかも行動は衰えたりしてはいなかった、と聞いている。ところが、現在の人は 50歳になるやならずで動作が衰えてしまう。これは時代環境が異なるためなのか、それとも人々が養生の道にはずれているためなのか。』(黄帝内経・素問・上古天真論)

思わず、笑っちゃう内容です。
え、これが何千年も昔に書かれた本の内容なの。
人間て、今も昔も同じなんですね。

最近、ちと思うことがあるのです。
自然環境、木火土金水や陰陽に人間を当てはめる中医学が古びた学問のように感じることもあったのですが、自然環境の中におかれている人間が、自然に影響されないはずはない。
だから、自然現象を人間の五臓に照らし合わせて考える中医学は、抽象的に思えるけれど、実は最も物事の核心をついていて、それこそ真理なのではないかと。

たとえば、風邪(ふうじゃ)や熱邪、寒邪、湿邪、燥邪など、邪などという比喩を使うと、いかにも現代科学から遅れている古くさい学問のようではありませんか。
でもね、人間の体内に起る様子をそれぞれの邪に置き換えて考えると、納得することって多いのですよ。

2006年11月20日

陰陽って今でもよくわからない

中医学の基本の基本、陰陽の考え方、
わかっているようでいて、本当はよくわかっていないのです。

陰陽は、対立、消長、互根、転化、平衡、とあり、
陰陽の対立の項目がある本を読んでも、それが消長といっしょになって説明されていたりするから、よけいに理解不能になります。
パターンを覚えてしまえばいいのでしょうが、それでは根本的に理解したことにならない。

『陰在内、陽之守也、陽在外、陰之使也。』
これは、「素問・陰陽応象大論」の中のことばですが、確か陰陽互根を説明しています。

『益火之源、以消陰翳』
『壮水之主、以制陽光也』
などは、「全訳中医基礎論」で、出典が、「素問・至真要大論」と書かれていたので、そのことばを現代語訳版で3回も探してしまいました。
どうも、黄帝内経太素における王冰の注らしいです。
虚寒証、虚熱証に対する治療方法をいっているらしいですが、陰陽のどの種類なのかというと.....
(興味を持った方はご自分で勉強してくださいませ)

陰陽なんて簡単!とおっしゃる方、

愛媛中医学研究会のページで、中医学を学ぶ学生向けの問題集というのがあります。
トライしてみてくださいませ。

2006年11月15日

中国語を読むのって大変だけれど

私が薬膳を勉強した北京中医薬大学日本校の教科書は、中国の中医薬大学で使われている中国語の教科書でした。
その教科書を見た瞬間、目が点になったのを覚えています。
いくら、中医学を学ぶといっても、日本校で日本人向けの講義なのに日本語で書かれていないなんてどうかしてる。

最初の授業に恐る恐る出かけた私は、たまたま同じ机でいっしょになった人たちが、一人は中国語の翻訳を、一人は中国に何年か行っていたことがある人で、先生の話した内容をその中国語の教科書で確認しながらマーカーを引いているのに出くわしました。
なんと!!!絶句。

なんちゅうハイレベルの人たちの中に、私は入ってしまったのか。
皆、向学心に燃えていて、週末に行われる授業には、地方から新幹線や飛行機でやってくる人たちも何人かいました。

同じ漢字だからと気を取り直して、何とか読解しようとするけれど、漢文の世界はお手上げだし、簡体字で非常に簡略された漢字は、何の字かさえわかりませんでした。
授業は、中国人の先生が日本語で話されるし、プリントも出るので、教科書を読めなくとも何とかなりますが、今にして思えば、この中国語の教科書は英断だったと言わざるを得ません。

なぜなら、中医学は中国の伝統医学であり、日本語で刊行されている書物だけではわからないことが多く、また国際クラスの日本語の問題集は非常に少ないのです。
ですから、日本語の書物ではどうしても足りない場合、仕方がないので(ここは強調します)、中国語の本を見ています。

中国語は全然習っていないので、わかる単語と短い肯定文だけをなんとか。
否定形になると、どこまで否定が続いているのか訳わからん状態にしょっちゅうなりますが、
それでも、
中国語の文章を読もうという気が起きること自体、北京中医薬大日本校に感謝!
です。

2006年10月06日

「ぼーっとしようよ養生法」の記事

以前の記事で、夏に腎を養生しないでいつの季節にするのさの元になった記事を見つけました。

それは、何年も前、ひょっとしたら十年以上たっているかもしれませんが、朝日新聞(だと思う)に連載されていた鍼灸師の田中美津さんのものです。
他のものを探して引出しの中をひっくり返していたら、すでに黄ばんでしまったその切り抜きを見つけたのです。
そこから、ご紹介します。

汗は大事よ。「夏は1日1回必ず汗を出すように」と昔のヒトはいっている。汗が出れば、汗と一緒に老廃物も出る。だからその分、腎がラクできる。つまり腎は夏に休みをとるわけね。
腎は夏に休んで冬に働く。冬の寒さから私たちを守ってくれる生命力の源だ。ところが夏、冷房の部屋に入ると汗が引っ込む。そうなると腎にとっては冬と同じ、老廃物を体外に出す働き=排泄作用を一身に引き受け働きつづけなければなりません。休みをとらずに働けば、過労になるのは腎とて同じよ。
最近、コンピューターやOAの操作に従事しているサラリーマンや技術者たちにインポテンツが増えてるそうな。日々情報処理に追われてると、思考、判断、創造を受け持つ前頭葉がクタクタになる。そうなると、前頭葉は性行動も支配してるから、異性への感心が薄れ、性欲を喪失する.....と、言われていますが、原因はそれだけかしら。
落語に出てくる「腎虚の殿サマ」。腎虚とは過労やセックスのやり過ぎでフラフラ、ヘロヘロになってしまった状態です。生命力の源は、また性欲の源でもあるのです。
コンピューターに合せて冷房してある寒い寒い部屋で長時間働いてたら、汗なんて出やしません。汗がまったく出なければ、腎は過労に陥って、男性の場合とかく腎虚=インポテンツになりやすい。そう、人は脳だけで生きてるわけじゃないんですっ。
汗を盛大に出して腎を助けたいんなら、今がチャンス(この記事は夏でした)。夏は陽で、冬は陰。陰の冬は決して発散してはならない季節です。もしその時期に過度な暖房、厚着、飲酒などで汗をたくさん発散すると、皮膚から陽気が出てしまうので、相棒である陰気も必ず衰弱します。陰気の中心は腎。だから、冬に汗をかき過ぎても、腎は弱っていくわけね。

どうです。
わかりやすい説明ですねえ。
この記事はまとめられて、文庫になっているようです。
興味の湧いた方は本を読んでみてね。


2006年09月11日

陰陽のお話(生気通天論)

陰虚(暑がり)なのか、陽虚(寒がり)なのかは全然反対の性質ですが、実際の人間の証はそう簡単にはわからず、間違ったら対処方法も間違ったものになってしまうので、これはかなり問題です。

黄帝内経素問の生気通天論(まんが黄帝内経参照)には、

人体の陽気は、太陽と同じようなものである。
太陽は天に高く輝いて万物に生命力を与えるように、人間の陽気も体の上部に多く集中し、体の外側に居って体を外邪から守る。
ただし、陽気は寒気に遭遇すると、開き戸の軸が臼の中にあるように体の中に引っ込んでしまう。
陽気は熱と活動の性質があるので、体内に久しくこもると体が熱して興奮しやすくなる。
陽気は太陽と同じように朝よみがえり、人体の外に出て体を守る。
昼頃には陽気は最も旺盛である。
太陽が沈んでいくと、体表の陽気は少なくなり毛孔は閉じる。
陽気は夜に体の奥に居るので、夜はよく体を休め霧や露の冷えを避けるべきである。

とあります。

太陽は熱エネルギー、人間も、朝太陽が昇るとともに陽気が体表に出て行くということは、陽気イコール衛気ってことでしょうか。
そして、だんだん太陽が沈むにしたがって陽気も体内に入っていくと、陰虚の人はますます陽盛になるので相対的に陰は不足し体の中は水分不足、体内は熱がこもりがちになります。
だから、午後の潮熱や盗汗(寝汗)が起きるんですね。

でも、陰虚はこれで説明できるとしても、朝は冷え性で、夜は口渇があるのはどう説明すればよいのでしょうか。



2006年08月31日

苓桂朮甘湯と苓姜朮甘湯

桂枝乾姜を使うかの差で主治が変わる、方剤っておもしろいけれどよくわからない、でも弁証が合っていれば、たちどころに症状がとれていくので感激することしきりです。
苓姜朮甘湯を飲み始めて1週間、まだふくらはぎの冷たいしこったような感覚と、足裏のスースー感はとれたとはいえませんが、かなり温かみと柔らかさが戻ってきたような気がします。

さて、苓桂朮甘湯と苓姜朮甘湯と両方持ってるんだけど、どっちがいいの?と友だちに聞かれてしまいました。
はて、両方お持ちとはどういう所以でしょうか。
まあ、そのへんの憶測は置いておいて、つくづく双方を眺めてみました。

苓桂朮甘湯 苓姜朮甘湯
主治 胸脇部が脹る、咳嗽、呼吸促迫、めまい、動悸、舌苔白滑、脈弦滑など 身体がだるい、腰や下肢が冷えて痛む、口渇はない、食欲は正常、排尿は正常、舌苔は白滑、脈は沈
病機 脾陽不足で水飲が心下に停聚した状態。 寒冷や多湿環境のために寒湿が侵襲し、肌肉に停積した状態。
方意 主薬は茯苓で、温陽化気の桂枝の補助のもとに、水飲を温化し利小便によって除去する。 辛熱の乾姜は温中散寒に働く。健脾除湿の白朮・茯苓は運化を強めて利水し、乾姜とともに寒湿を除去する。
金匱要略 それ短気し微飲あるは、まさに小便よりこれを去るべし。心下に痰飲あり、胸脇支満し目眩するは、苓桂朮甘湯これを主り。 腰以下冷痛し、腰重きこと五千銭を帯びるがごとし、甘姜苓朮湯これを主る。
説明 脾陽虚のために水湿の運化が不足し、湿が集まって水飲を生じる。水飲が心下に集まり停滞し、胸脇部の気機を阻害すると胸脇部が脹り、肺を阻害すると息切れや咳を生じ、心を阻害すると動悸、清陽の上昇を阻害するとふらつきや目眩が現れる。 脾は肌肉を主り水湿の運化を主るので、肌肉の寒湿は温中散寒を通じて除去するのがよい。一般的な寒湿の病変では、脾陽が阻害されるので食欲不振や下痢になったり、津液散布が阻害されるので口渇するが水分はほしくなかったり、腎の気化がうまくいかないので排尿がうまくいかなかったりするが、これらの症状がないのは水湿が肌肉にあることを示している。

『中医臨床のための方剤学』参考

双方の方剤とも健脾利湿し、体を温めて体内の寒湿を取り除くのは同じですが、一番具合の悪いところがどこなのかを考えて選ぶ必要あり、ですね。

2006年08月22日

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)

体全体が寒く感じるけど、それでも比較すると腰から下、大腿部や脛、ふくらはぎ、足背、足裏が、まるで冷たい水の中に入っているようです。

暑い外でテニスをした日なんて、喉が渇くので当然水分を取り、2時間で1升ぐらいは飲んでます。
だからといって、摂取した水分がすべて体の中から排泄されるわけではなく貯まっていて、下半身にそれが著しい。
だから下半身が重いし、デスクワークをしていると重力で当然下に水は溜まっていくので、冷房の入っていない室内でも、何だかふくらはぎ辺りがスースースカスカ冷たい感覚。

それは、まるで、体全体が冷たい水をたたえている瓶(かめ)のよう。
だから、冷房の入った場所に行くと、その寒冷感はさらに強く、他の人が多少涼しすぎるわぐらいのときに、私一人はフリースの膝掛け、ウールのブラウス、ウィンドブレーカーを上にはおり、諸陽の会である頭に風が来て頭痛がしそうになると、さらにフードもかぶっています。
外からは目立たないように、冬用のキャミとスパッツも付けてます。

一昨年具合が悪くなったときは、外の日陰でさえ寒すぎるくらいだったので、それに比べればまだましと思っていたのですが、どこもかしこも冷房している屋内のこと。
母とランチを食べにレストランを探すにも、冷房のきつくないところをチェックしなければなりません。
これは、尋常なことではありません。

冷しすぎの社会が悪いー、といっても、今現在の状態に体が堪えられなければ日常生活もままならず。

こんなときは牛車腎気丸(八味地黄丸に牛膝と車前子が入って下半身の利水ができて、もちろん体を温めます)かなあ、と漢方薬局に行き、症状を説明することしきり。
すると、ご夫妻ともども、「それだったら苓姜朮甘湯」とおっしゃいます。

どうやら、下半身が冷たい水の中にいるみたい、という症状のときにぴったりの方剤のようです。
散薬になっているのでお湯で飲めばオーケー、しっかり1日3回15日飲むつもりです。

『中医臨床のための方剤学』をひくと、こう書いてありました。
主治:腎著(寒湿停着肌肉)
『金匱要略』には、
腎著の病は、その人身体重く、腰中冷え、水中に座するが如く、形は水状のごとく、かえって渇せず、小便は自利し、飲食故のごときは、病は下焦に属す。身労し汗出で、衣裏は冷湿し、久久にしてこれを得る。腰以下冷痛し、腰重きこと五千銭をおびるがごとし、甘姜苓朮湯これを主る。

腰重きこと五千銭をおびるがごとし、で、思わずそのとおりと笑っちゃいました。
いいえて妙です。

組成は、乾姜、茯苓、白朮、甘草なので、別名は甘草乾姜茯苓白朮湯、甘姜苓朮湯、腎著湯となっています。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)というのもあり、生姜ではなく桂枝に代わり、こちらの主治は、水飲・脾陽不足、と記載されています。
脾に効くか、腎に効くかの差が出てるんですね。
一味で処方する意図が変わる、方剤っておもしろいですねえ。

2006年08月11日

どこもかしこも冷房しすぎじゃないの

電車の弱冷房の車両は、とってつけたような車両。
どこが弱冷房なのかわからない。
飛行機の中と同じとしか思えないものもあります。
ちなみに飛行機は23度に設定されているそうです。

隣の車両とのドアがない弱冷房車なんて、いったいそんなのあり?
風が吹かなければまだ体感温度が下がるのはひどくないのですが、どの位置にいってもビュービュー風が吹いているので帽子でガードしないと頭痛が起きてしまいます。

そして、オフィスは個別のエアコンがついているので、ちょっと暑いと思うとすぐエアコンつける人がいる。
お上が、「エアコンの設定温度を28度にしましょう」と声をあげても、どこ吹く風。
外からいきなり室内に入ったときは暑く感じても、馴染めば問題なし。
エアコンつけたい人、消したい人で攻防するのは、いい加減にやめてほしい。

そして、中医学を学んでいる教室が冷えすぎなのはどうかしてる。
「天地人」、人は天と地の間で生きていて、自然の中で暮らしている。
エアコンのどこが自然なのさ。

夏は暑いのが当たり前。
だらだら汗をかきながら授業を受けたいとは決して思いませんが、誰かがくしゃみしたり、服を一枚増やしたりするほど冷やすのは行き過ぎです。

中国人の先生方は、「日本人は冷たいものを食べ過ぎ、だから脾胃を傷めるのよ」と、よくおっしゃいますが、冷房に関してはかなり無頓着としか思えません。

夏は老廃物を汗から出して、普段活動している腎の機能を助け、腎を養生する季節。
ここで、エネルギーを貯めずして、いったいどの季節に腎を養生するのさ。
日本人は、腎虚が多いと聞きます。
精をつける(腎精)ということは、食物からだけでなく自然のリズムにしたがって生活するということも大切なことです。
体の冷やしすぎは、インポを助長、もしくは作ると思います。
出生率が下がっているのにも影響しているのでは?、と疑っている私です。

2006年07月31日

船越さん、お疲れのようですね(ソロモン流)

時代の最先端を行く方をクローズアップし、案内人に船越英一郎さんを配した番組「ソロモン流」。
先日は、家庭料理研究家の山本麗子さんでした。

番組の中程で、いつも船越さんがレストランやら、健康にまつわる場所に行って体験するコーナーがあり、この日は漢方と鍼灸とマッサージを組み合わせた治療院が紹介されました(名前は忘れてしまいました)。
問診後に、船越さんに処方されたのは『牛車腎気丸変方』でした。

腎気丸は『金匱要略』に記載されている方剤で、『八味地黄丸』といった方が名前が通っているかもしれません。
腎陽虚(エネルギーが不足していて、手足が冷たい)の人によく使われます。

『牛車腎気丸』は、腎気丸にさらに牛膝車前子を加えたもの。
利水効果を高めて、腰膝などの下半身に効かせることができます。
船越さんは、腰痛がひどくなって入院してしまい、、ぐるナイの「ゴチになります」に、代理で奥さまを立てたことがありますよね。

腎虚や腎陰虚や腎陽虚になると、腰痛を起こしたりします。
それは、腎が髄を主さどっているからですが、腎陽虚である私も疲れると腰痛を起こします。
腎陰虚と診断された友人も、腰痛持ちです。
腰痛イコール腎虚ではありませんが、腎を養うことがいかに重要なことなのか、何かにつけて思い出させられます。

薬膳では、腎を養う食物は黒い色をしているといいます。
黒豆、黒胡麻、黒米など、みなさまも探してみてくださいね。

2006年07月24日

なぜ女は七の倍数で、男は八の倍数で成長するのか

『黄帝内経』によると、「女子七歳.腎氣盛.齒更髮長.二七而天癸至.任脉通.太衝脉盛.月事以時下.故有子.・・・・丈夫八歳.腎氣實.髮長齒更.二八腎氣盛.天癸至.精氣溢寫.陰陽和.故能有子.・・・・」

と、女は7の倍数、男は8の倍数で肉体に変化が起るとあります。
「なぜ女は7で、男は8なのか」と、高橋楊子先生(上海中医薬大学日本校講師)に質問した方がいたそうです。
それで、先日来セミナーを受講している者にも同じ質問が出されていました。

しかし、こんな哲学的な問題、わかる人はいませんでした。
先生は、上海に帰ったときに大学教授にも質問したそうです。

教授は「良い質問ですね。ちょっと考えさせてください。」と言ったそうですが、帰国しなければならなかった先生は日本に帰って易経を読んでいたときに、答がわかったということです。

易によると、「天一水生、地二火生、天三木生、地四金生、天五土生」といい、1〜5は基本の数字。

方位に関しては下図の通りでよいのかどうかよくわかりませんでしたが、五行の東西南北に照らし合わせるとこうなると思います。

1水
4金 5土 3木
2火

そして、数は基本となる生数に土の気である5を加えて成り立つ6〜10を成数と呼ぶのだそうです。

生数(すべての数の基本) 1 2 3 4 5
成数(土の気である5を加えたもの) 6 7 8 9 10

さらに、その成数を陰陽に分けると、奇数は陽で、偶数は陰、陽の気はプラスすることで大きくなり、陰の気はマイナスすることで大きくなるので、7は少陽、8は少陰になります。

奇数 7 9
少陽 太陽
偶数 6 8
太陰 少陰

成長過程では男は少陽の体を持っているので、少陰を掛け合わせることでバランスがとれ、女は少陰のからだを持っているので、少陽を掛け合わせるとバランスがとれる。

だから、男は少陰の数字である8の倍数、女は少陽の数字である7の倍数で成長していくということです。

2006年06月19日

そういえば女性専用車って寒いですね

以前にも電車の冷房がきつくて困るということを書いたことがありますが...

つい最近の朝日新聞で、女性専用車両の冷房がきつくて困るという記事が載っていました。
弱冷房の車両だと女性専用車両とはわかりにくく、わかりやすい最後尾の車両にしたために、弱冷房にならないとかなんとか。
今の弱冷房の車両を女性専用車両にすると、男性でも弱冷房を必要としている人が困るとか。
そんな理屈ってあるの?
最後尾も弱冷房車にしてしまえばいいのにというのが、私の意見ですが、どうも鉄道会社はそういうつもりはないらしい。

冷房の設定は車庫でしかできないとか、なんとか。
混乱を避けるためとか、なんとか。

暑いとお客通しのトラブルが発生しやすいから、ギンギンに冷やしておこうという魂胆が見え見えです。
まるで、冬眠させれば、生物が活動状態をおとすとでもいいそう。

我々は、混乱なく輸送されなければならない家畜と同じなんでしょうか。

人は自然の中で生活しているので、暑くなれば体がそれに対応するようにできています。
電車も冷房、オフィスも冷房、お店も冷房では、夏は暑いからそれに対応した薬膳を、なんて理論は成り立たなくなりますよね。
体は冷やしすぎると、良いことはありません。

2006年05月26日

ベジタリアンは健康になれる?

以前、大人になってから罹った喘息のため体質改善するために、自然食を取り入れていました。
昔の日本の食卓にのぼったメニューいっぱいの素朴で質素な食事です。
主流は玄米菜食で、あの頃は、かなり食べないものが多かった。
肉、卵、コーヒーなど。

ほとんど好き嫌いがない食生活だったので、かえって除外する食品があると楽しんだりして。
今は、猫を飼っている影響と、薬膳を勉強していて、薬膳は特に中年以降の人に効果のある食べ物だと感じているので、玄米菜食主義に戻る気はありません。

だって、完全に玄米菜食にすると、いろいろ食べれないものがあって、かえってストレスがたまってしまうからです。
加工食品の材料に卵が入ってるとか、牛乳を使ってるとか、ソースに肉のエキスが入っているとか。
そこで、自然食品店のお世話になるのですが、ソイミート(なぜ肉という名前がつくのか)とか、グルテンバーグとか、肉恋しや〜、という意識が見え見えの商品を見ると、かえって情けなくなってしまいます。

野菜そのものは大好きですが、なぜ植物そのものを生かした料理ではなく、肉の代替品や牛乳の代替品の料理にならなければいけないのか。
それは、「野菜に対する冒涜」ではないのか。
もし、ベジタリアンをするのなら、動物性食品とはきっぱり訣別したほうが、よっぽどすっきりすることでしょう。

しか〜し、植物だけで旨味を出すのは、動物性食品の味を知ってしまった舌にはむずかしい。
よっぽど、体調がすぐれない人や食べ物に思い入れがない人、主義を貫き通せる人でなければ続けられないでしょう。

昔の人が、「四つ足は血がけがれる」といったように、確かに高蛋白質の動物性食品を取り続けていると、血液もサラサラとは流れていかず、瘀血がたまりやすくなるようです。
私が、現在、風邪を引いてもそれが引き金になった喘息の発作を起こさなくなったのも、食物での体質改善が効いたと思っています。

でもここのところは、肉や魚の一品料理を考え出す方が簡単で、調理も比較的たやすい(野菜だと切る手間がかかる)ので、メイン料理にすることが多かったのです。
しかし、これではいけない、ちょっと見直し、点検、軌道修正しなければ。

これから先は野菜中心で、肉や魚は野菜料理の味出し程度、焼き魚やハンバーグなどの料理を作ってしまったら、それを上回る野菜を一緒にとるつもりです。
人間の歯の構造からすると、親不知も勘定に入れると、8×4で32本あり、肉食に適した犬歯は4本しかありません。
ここから察すると、4/32で1/8は肉食してもよいということになります。
逆にいうと、肉の8倍は植物をとらなければいけないということになります。

ECO的立場から見ると、植物は人間が直接摂取してこそ生産コストがかかりませんが、肉や魚に飼料用としてまわされると非常に高価なものになります。
野菜中心の方が食費が少なくてすみますね。

(薬膳はどうするのさ、というツッコミに対しては、次回)