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2011年06月20日

自然な生活って

いつもスポーツをしていたのに、できない期間があり、そのせいかウエスト周りの肉がだぶついてきていました。

どうやったら、ウエストだけキュッとさせることができるの?

いったん太くなるとスポーツを再開しても、なかなか細くはなりません。
ところが、食生活を変えたとか特別のことをしているわけではないのに、自然とウエスト周りや足が細くなりました。
自分で、何だか最近細くなったみたい、ズボンのウエスト周りがゆるくなったような。。。
と感じていたら、ヨーガの先生に指摘されました。
「最近、なんか細くなったんじゃない?何かしているの?」

おお、自覚だけでは心もとないけれど、人から言われると真実味がある。
原因は、麻しか考えられません。
麻の敷布団にシーツ、枕カバー、麻の掛け布団や麻のケット、麻のパジャマで寝ているし、ときどき麻のタンクトップやクロッチ部分だけ麻のショーツ、五本指の麻配合のハイソックスを身につけています。
体が自然素材に包まれて、本来のあるべき姿に戻っていく、そんな感じなんです。

ヨーガの先生は、こう言います。
「大人になったときの体重を維持していればオーケー、10kgオーバーはイエローカードよ。」
つまり成人したときの状態がベストで、本来あるべき姿かなって、思います。

綿は汗をよく吸ってくれますが、冷房の中にいると、その湿りけが冷たく自分に戻ってきます。
だけど、麻は湿っていても冷たくは感じないんですよね。

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ナチュラルライフへ


天と地の間に人は生きていて、天の気と地の気を受けている---中医学のことばで『天地人』といいます。
自然の中で暮らしている人間には、自然の素材が心地よく感じられます。

もっと自然を活用した方がいいんじゃないの、と考えていたらこんなページを知りました。
http://maketheheaven.com/japandream/


2010年06月16日

整体か鍼か漢方薬か?

体の調子が悪くなったら、病院に行く人が大半。
健康保険のおかげで、事故負担分が少なく済むのが大きいけれど、日本の医療現場は西洋医学が主で東洋医学を併設しているところはとても少ないし、保険でまかなわれるマッサージや鍼は限度があるし、漢方薬も日本薬局方にあるものは中国に比べると非常に少ないのです。

また、病気とはいえない程度の体の不調、たとえば肩凝りや、やる気がでなくてだるい、ストレスを感じ過ぎてリラックスしたい、ときなどは整体に行っちゃう、なんて人が多いのではないでしょうか?

どんな状態のときはどんな療法が適しているのか?
今日は、その指針を古典から。

黄帝内経・素問・異法方宜論』には、広い中国大陸のうちで、それぞれどのような地域からどんな療法が発生したかが記述されています。

東方は海に面していて、魚や塩をとることが癰(はれもの、できもの)が出やすい。 だから、それを切開する砭石(へんせき)が発展した。

西方は鉱物が採れ、太っている人が多く、病が内にこもりやすい(鉱毒が溜まりやすい)。
だから、毒薬(漢方薬)がよく用いられた。

北方は寒く乳製品を多くとり、お腹が張る。
だから、お灸が発展した。

南方は多湿で酸味を多くとり、痙攣やしびれが多い。
だから、鍼が用いられた。

中央は気候のかたよりがなく、民はいろいろな食べ物を手にできあまり運動をしないので、筋肉が無力になったり冷えのぼせする。
だから、按摩・気功が発展した。


都会に住み、栄養豊富なものをいろいろ食べ、筋無力になっている人はマッサージが良いのかもしれません。

高温多湿な夏は、鍼が適しているのかも。
冬は閉蔵の季節だから、やはりお灸がよいのかも。
体の外が具合が悪くならず、内臓に問題があるときは、漢方薬がいいのでしょう。

<参考記事>中医学的治療の選び方

2010年06月14日

中医学とマクロビオティック

マクロビオティックで、
「お酢は体を冷やすと言われたんだけど、そうなの?」
と、友人に聞かれました。

そのとき、私は「そんなことはないと思うけど」と答えました。

中国の中医薬大学の教科書として使用されている『飲食営養学』(栄ではありません、営なのです)という教科書を開くと、

酸、苦、温。入肝、胃経。

と記述されています。
五味は酸・苦。
四気は温性。
経絡には肝経と胃経に入る。
とあるのです。

中医学とは中国伝統医学のこと。
3、4千年前の時代から培われてきた経験や知識が積み重なって作られています。

マクロビオティックの考えの基本は『陰陽』で、中国哲学に基づいているように思えますが、マクロビオティック独自のものです。
陰は遠心的、陽は求心的と久司さんの本には記述されていますが、
中医学的に考えると陰陽は全く逆になります。

遠心的と求心的を陰陽に分けるとすれば、
遠心的は、外にどんどんひろがり発散していくので『陽』、
求心的は、内に向かっていくので『陰』
と考えます。

この考え方は私だけのものではなく、中国人の中医師資格を持つ北京中医薬大学日本校の講師にも確認して、同意をもらっています。

薬膳の献立を考えるとき、薬膳師は食べ物を陰陽という区分では分けません。
教科書の記載のとおり、その食物の味・体を温めるか冷やすか、そして食療法のときはどの経絡に効いていくのか、を考えます。

<参考記事>マクロビオティックは中国陰陽の思想ではないの?

中医学的に、一つ一つの食物の寒熱はどうなの?と思う方には、現代の食卓に生かす「食物性味表」をお薦めします。
この本が絶対とは思いませんが、指標として、薄くてハンディなところが使いやすいのです。

[追記]現在amazonでは取り扱いなしのようです。ごめんなさい。良い本なんですけどねえ。


2009年09月07日

せっせと腰湯をしなければ

ブラックソルトとデッドシーソルト骨折箇所がなかなか治癒しないと、腎はお疲れ。
中医学的には、腎は骨を司っているので、骨形成中の身としては、せっせと腎をいたわらなければならなかったのです。

夏は暑いので、湯船に入るよりシャワーで済ませがち。
それを文字通り実行していたのでは、いけなかったのです。
腎は老廃物を尿にして排泄していますから、夏の間、よく汗をかくことは、汗で老廃物を出せるので、腎を助けることになります。

夏は、汗を容易にかける季節。
また、中国古代の養生法では、夏は発散の季節とあります。
冬は、人間も自然の中で暮らす動物である以上、体も冬眠状態になるのでしっかりと『気』を腎にとじこめなければなりません。
これを『閉臓』といいます。

ですから、1年のうち、春から夏にかけては、だらだらと汗をかいて腎を助けなければなりません。
今、私は、スポーツどころの状態ではないので、だからこそ汗をかける腰湯をするべきだったのだと、やっと自覚しました。

お臍がつかる程度のお湯(私は42度にしています。それ以上熱いととても20分は入っていられません。)の中に、発汗を助けるためにお塩や重曹をいれます。

最近は、浄化力が強いといわれるヒマラヤ黒岩塩(ブラックソルト)やナトリウム分が少ない死海の塩を重曹といっしょに。
今日はヒマラヤ、明日は死海というふうに、塩はミックスはしません。
重曹も一緒に入れたブラックソルトは、お湯が熱々になって・・・足の裏が痛いほど。
硫黄成分も入っていて温泉気分に浸れるので、私は黒岩塩の方が好みです。
死海の塩は、イマイチ効果がよくわからないんですよね。

どちらもキロ単位で買ってしまいました。
塩や重曹を入れるとお湯の温度が上がって、効きそうな気分になる、それがまたお風呂の愉しみになります。

そうそう、冬はだらだらと汗をかいてはいけませんよ。
冬はしっかり、腎に気を閉じ込めなければなりませんから、うっすらと汗をかいたら、いつまでも湯船につかっていてはなりません。
<参考>
ビオスヒマラヤンファクトリー
死海の塩の水嶋屋
<関連記事>
いい汗?
「ぼーっとしようよ養生法」の記事


2009年02月26日

『まんが黄帝内経』はやっぱりむずかしい

『まんが黄帝内経』を人に薦めておいて、自分は最近見てないなと思い開いてみました。

以前、読んだときは読みとばしていた部分も、ふむふむなるほど〜、とわかります。
あらー、わかるじゃない〜。

ん、これは一体なにを言ってるのかわからん。
あいかわらず、難解。。。

右手と左足が弱るって(逆だったかも)、いったいどういう論理?

これは『素問・陰陽応象大論』 の中の

天不足西北、故西北方陰也。而人右耳目不如左明也。地不満東南、故東南方陽也。而人左手足不如右強也。

天の気は西北で不足している。
西北は陰に属し、右(陰)の耳目は、また左(陽)の耳目の明瞭さに劣る。
地の気は東南方で不足している。
東南は陽に属し、左(陽)の手足は、また右(陰)の手足の強さに劣る。

のことを言っているらしい。

中国の西北は山々が高く天の気が不足している(陽が足りない)ので陰に属し、中国の東南は海に近く地の気が不足している(陰が足りない)ので陽に属しています。
左右は陰陽の道路と素問(同じく陰陽応象大論)にありますから、左は陽で右は陰、つまり左は東で右は西です(太陽は東から上り西に沈むからです)。

陰に属している方は陰(右)が弱く、陽に属している方は(左)が弱いということなのかしら。

日本の左大臣も右大臣より高位です。
東から昇る人の方が西に沈む人より、偉いっていうことなのかしら。

2009年02月18日

人は陽(ひ)の光が好き

グレートタイガー<br />
グレートタイガー2<br />
会社に行くときは、朝6時半過ぎに家を出ます。
1月、この時間はまだ暗かった。
夜明け前が一番寒い。
1日オフィスにいて、最寄り駅に帰る頃にはすでに暗くなっています。

全然お日様の光を見ていないー!

オフィスには窓がたくさんあるのですが、PCを使うため、ブラインドが降りているのです。

鬱々とした気分、早く日が長くならないかしら。

この話を友だちにしたら、
「中医の先生が、冬はやっぱり陽(この場合は太陽)にあたらないといけない、と言ってたよ」

これで、本能的に、自分が陽(ひ)の光が足りないと感じていたのが正しいと確信しました。
『黄帝内経』(素問・四気調神大論篇)にも、冬は遅く起きて早く寝ようとあるではないですか。
人間も動物、天と地の間に暮らしています。
自然に合わせると、冬は日の出が遅いし、日暮れるのが早いですよね。

これに逆らうとどうこうということではなく、これが自然に合った養生方法だとウン千年も昔の賢人が言っているということです。

写真は、シンビジウム・グレートタイガー。
何かプロレスラー見たいな名前ですな。
グレートというように花が大きく、リップに虎を模したような斑点が入っています。

光が降り注ぐ写真----見るだけで、ほっとする〜。


2008年05月28日

外邪束肺と薔薇

外邪束肺---邪気が外からやって来て(風寒邪のことが多い)、束になって肺を囲うと、肺は宣発粛降できずに上逆します。
要するに『気』の運動がスムーズに行かないと、咳が出てきたり、鼻が詰まったり、頭痛や悪寒、発熱といった症状が起きます。
肺は臓器の中では、体の一番高い位置にあり、外邪の影響を受けやすいので、風熱犯肺や寒邪客肺といった表現もあります。
中医学独特の証を表す文字は4文字で表されることが多いので、四文字熟語などと呼ばれますが、文字が意味することにハッとさせられることは多いのです。
犯肺や襲肺は肺を犯したり、肺を襲う様を表現していますが、束肺は邪気が束になって肺の周りをおおうので、肺気がコントロールされない様子を表しています。

実は、ゴールデンウィークに薔薇の植え替えをやっていて、この『束肺』ということばを思い出したんです。
薔薇の植え替えは、薔薇の根が動き出さないうちにやらなければならないので、通常は12月頃にやらなければなりませんが、薔薇を植えていた杉桶のタガがはずれて底が抜けそうになってしまったのです。
それと、杉桶だとプラスチック鉢より水持ちが悪い。
薔薇にとっては、日当たりより水が重要なのではないかと思うのです。
なぜかというと、我が家では南側より北側(ちょっとだけ西に振ってます)のベランダの薔薇の方が調子が良いから。

苗のときに植えた薔薇とラベンダー(デンタータ)は、ラベンダー優勢。
はびこったラベンダーは、薔薇をすっぽり包み根鉢を作り...格闘すること1時間余り。
これって、まるで、『外邪束肺』みたい。

途中で分けるのをやめて、そのまま一緒に植えなおそうかと思いました。

でもね、薔薇だけで植え替えたら、ここ2〜3年咲かなかった薔薇(スブニール・ド・ラ・マルメゾン)に蕾がついたんですよ。
薔薇にとっては袪邪したことになるのですね。


2008年04月24日

方剤の覚え方

方剤は、当帰補血湯など二つの薬からなるものもありますが、大活絡丹のように50近い中薬から組成されているものもあります。
いったい、みんなどうやって方剤の組成を覚えてるの?
多分、語呂合わせを作ってるんだろうとは思いますが、それにしてはインターネットの世界に出て来ないですねえ。
語呂合わせが記載されている方剤の本というのがあるようですが、高価なのでそのためだけに買う気がしません。

中国語だと方歌があったり、中国語の音で語呂合わせが作られていますが、なぜ日本語版はないのでしょうか。
ドイツ語の方歌ってあるそうですよ。
それなのになぜ?
日本には先人の知恵ってものがないのかな。

2008年03月03日

脾胃の経絡と上下

人体の「気」は、上に昇るもの、下に降りるものとあり、「脾」の気は昇清で昇るのが正常、「胃」の気は降りるのが正常といわれています。
ですから、もし嘔吐やシャックリが出たら、それは降りなければいけないはずの胃気が逆行しているからで、下痢した場合は昇清しなければならないはずの脾気が逆行しているからなのです。
ここまでは、中医基礎論のはなし。

知識が知恵になり、応用できるようになるには、1回や2回その話を聞いたぐらいでは身になりません。
経絡の運行もわかっていたはずなのに、突如として、この気の運行が経絡の運行とぴったり合っていることに気がつきました。(今頃気づいたといわれそうですが)

脾経は足から胸に上り、胃経は頭から足に下るのです。
経絡は気血が運行するところ。
気が滞ったり、逆行すると人体にとっては不具合が起ります。

中医学って、有機的に結びついていて、人体の研究にはもってこいの学問ですね。

2008年02月27日

青い風邪、赤い風邪

ここのところ風邪を引いていなかった(去年は全然)のに、先週とうとう風邪を引いてしまいました。
疲れが溜まっていたのだと思います。
火曜日の授業中、何だか今日は体感温度で寒く感じなあ、だったのですが、翌日の帰りの電車で、うっかり襟巻きをしないでうとうとしてしまったら、電車を降りたとたんに喉の痛みを感じました。

あれっ、まずい。
なんで風邪ひいちゃったの?
こんなことぐらいで。

風邪には睡眠が一番とは知っていても、補助に薬がほしい。
でも、風寒の風邪なのか、風熱の風邪なのか、いったいどっち?
巷で最近囁かれている青い風邪、赤い風邪というのは、どうやらこれらの違いらしい。
青か赤か、温めたらいいのか冷やすべきなのか?

いつも罹っている風寒の痰がからむような咳は出て来ないし、いつものパターンとは違う。
咽喉痛があり、舌尖はいつもよりさらに赤い、悪寒はするけどいつもほどひどくない、咳は乾いた咳で、発熱はしていないけれど、夜ふとんに潜り込むと暑くて安眠できない。
口渇は夜いつもあるけれど、このときはいつもに比べるとあるとはいえない。
それにずっと出ていなかった腰痛まで出てきた。(これについては、腎陰虚で髄を養えなくなったと判断。)

結局、赤い風邪と判断して、いつも行く漢方薬局に天津感冒片(銀翹散羚羊角が入っる)を買いに行きました。
でも、店主は風寒の風邪じゃないの、というのです。

「でも、喉が痛いんですよ。」
「風寒でも、喉が痛くなるよ。口渇ないんでしょ。」
「ないというわけじゃ。それに、いつものパターンとは違う。」
「じゃ、天津漢方片、持ってってみる? 副作用(たとえば食欲不振)が出たら、飲むのをやめてね。」

どうやら、処方は合っていたようです。
1服飲んで、あっこれは効きそう、と思いましたもの。
今は、八分程度に治っています。

それにしても、実際の症状に合わせて弁証するのは本当にむずかしいことです。
ぴったり合っていれば、見事に症状が消えていきますが、本や学校で勉強するのは典型的な場合なので、実際の人間がその典型的なパターンにはまればいいのですが、はまらないことが多い。
熱もなく口渇もあるというほどではないのに、風熱の風邪と感じたのは、いつもひく風邪のパターンとは違うせい。
これは、自分じゃなければわからないことですねえ。

2008年02月18日

火と熱

中医学では、肝火上炎や肝陽上亢などということばを使って、病気の内容を表現しますが、体の中で火が燃え盛っているのか、熱があるだけなのかは違いがある、というのを先日知りました。
両方とも、症状としては乾燥状態が現れ、イライラしたりするのですが、火は熱よりも強く、一点に集中して症状がでるというのです。

中医学仲間の口の周りに出現しているおできは、胃熱があるという証拠。
しかし、この火と熱の違いを聞いた後では、
「胃熱があるんじゃない。あっ、違う、これは火ね。(う〜ん、症状重そう。)」
と、なります。

魚もグリルで直火で焼くと皮に焦げ目ができますが、オーブンの輻射熱で焼くと全体に蒸されたように焼き上がります。
火が一点集中型とは、これにてしかり。

自然から学んできた伝統的な中医学。
奥が深いです。

2008年02月14日

赤いパンツ

先日、母から電話がかかってきて。
赤いパンツを履いていると下の世話にならずにすむという言い伝えがあるそうで、

「巣鴨に行って、赤いパンツ買ってきてよ。テレビで黒柳さんが、巣鴨のお店で赤いパンツを買ってたの。」
「ええっ、やーよ。消耗してるんだから、巣鴨くんだりまでいきたくない。インターネットで見てみる。」

といって、検索してみると、
あらー、これのことかしら。

まっさきにヒットしたのは、やはり巣鴨のマルジのページ。
あるわ、あるわ、いっぱいありすぎて迷っちゃう。

田舎にも送るとかで、真っ赤なパンツを全部で9枚も注文してしまいました。
その中には自分用のお試しのワコールもあります。
ワコールの赤は黒みがかっていますが、マルジのオリジナルは本当の真っ赤。
履くのにちょっと勇気がいるというか、気合が必要です。

赤いパンツを履くことによって、丹田に力が入るのと同じ効果があるのだとか。
丹田は、気海穴関元穴のことを指しますが、赤の色は動物が興奮する色、血液の色で、五行でいうと「心」の主る色、生命の源です。
古来より、赤ふんや赤い腰巻きがあるのは、力が湧くからだというのですが、そうなのかな。

そういえば、朝、気合を入れて赤いパンツを履き、日中は忘れていて、夜帰宅したとき、ああそういえば今日は授業中あまり眠くならなかったな、赤いパンツのおかげかしら、なんてときがありますね。
気合が入るってとこが、ミソですか。

2007年12月19日

陰虚は虚なのね

陰虚は虚などと、何、当たり前のこと、書いてるの、と言われそうですが。
先日の中医営養学の授業のとき、陰虚の人が取らない方がよいものとして、熱い刺激物と冷たい刺激物というのがあったのです。
熱い刺激物とは、唐辛子に代表されるもの。
はて、冷たい刺激物とは?

それは、氷や凍った食品、冷たく冷やした料理です。
陰虚だと、体の中の津液が不足してきて、体の中で火が燃えてきたりするので、そのときは、当然『大熱』の性質を持つ唐辛子は避けなければなりません。
でも、冷やすのだったらオーケーなのでは?

いやいや、『虚』という性質を考えると、冷たくて体を刺激するものはやっぱり避けるべきなのですねえ。
でも、おおかれ少なかれ、陰虚の人は口渇があるので、冷たい食品を好む傾向にあります。
これを、病気が欲しがるって言うんでしょうね。

おそらくこの考えが記載されているのは、写真の本だと思われます。
確認していなくてごめんなさい。

2007年11月05日

五行クッキー

五行クッキー青<br />
五行クッキー赤<br />
五行クッキー黄<br />
五行クッキー白<br />
五行クッキー黒<br />
黒龍江で、友人が購入した五行クッキーです。
それぞれの五行の色別に、赤い食物や黒の食物を加えてあります。
最初、このクッキーを買ったと聞いたときは、五臓に関連付けして、帰経を考えているかと思ったのですが、五行の色別に作られているものでした。

食べ終わったら、袋をちょうだいと言っておいたのですが、手元にあるのは赤と黒なので、詳しいことはこの二つだけです。

五行クッキー赤
高粱、紅米、紅豆、紅棗、紅芋、枸杞。
養生格言心者、火也、其色赤。
万法之宗、一身之主、生死之本、善悪之源。
与天地相通、為神明之主宰、両病否之所由系也。『寿世青編』
『霊枢・脈度』心気通于舌、心和則舌能知臭香矣。(注:心陽有温煦的作用、火有陽熱的特性、故以心属「火」)。

五行クッキー黒
黒芝麻、黒米、黒棗、黒豆、栗子。
養生格言腎者、水也、其色黒。
精神之舎、性命之根、外通于耳。
男以閉精、女以包血、与膀胱為表里、足少陰、太陽是其経也。華陀『中蔵経』
『霊枢・脈度』腎気通于耳、腎和則耳能能聞五音矣。(注:腎有主水、蔵精的効能、水有潤下的特性、故以腎属「水」)

現代語訳黄帝内経霊枢・東洋学術出版社によると、

五臓の精気は、常に体内から上って顔面の七孔に通じている。
肝気は目に通じているので、肝の機能が調和していれば、目は五色を見分けることができる。
心気は舌に通じているので、心の機能が調和していれば、舌は五味を嗅ぎ分けることができる。
脾気は口に通じているので、脾の機能が調和していれば、五穀の滋味を味わうことができる。
肺気は鼻に通じているので、肺の機能が調和していれば、鼻は香臭を嗅ぎ分けることができる。
腎気は耳に通じているので、腎の機能が調和していれば、耳は五音を聞き分けることができる。
もし、五臓の機能が調和しなくなると、七孔の機能つまり五官の機能が失調する。
六府の機能が調和しなくなると、気血が鬱滞して外表に癰ができる。
故に邪気が六府にあれば、陽脈が不暢となり、陽脈が不暢となれば気が滞り、気が滞ると陽気が偏盛する。
邪気が五臓にあれば、陰脈が不暢となり陰脈が不暢となれば血が滞り、血が滞れば陰気が偏盛することになる。
陰気が偏盛すると陽気は内に入って陰気と調和することができなくなり、陽気が偏盛すると、陰気は外で陽気と調和することができなくなる。

よく考えられたクッキーが、何げに市販されているあたり、中国での伝統医学浸透ぶりがうかがえると思いませんか。

2007年10月28日

黒龍江中医薬大学での研修

黒龍江中医薬大学での研修をサイトの方に載せています。
興味のある方は、ごらんくださいませ。

2007年10月18日

中医学的リップクリーム

リップクリーム<br />
黒竜江中医薬大のスーパーには、食品以外にも日用品が置いてあります。
食品も多分に中医学的で面白いのですが、日用品もおもしろい。
これは、クリームではなく、正確にいうと唇を潤すオイルですが、これらにも中医学のエッセンスがいっぱいです。
薄荷や薔薇、ラベンダーを使い、ただ潤すだけではなく、涼しげであったり、活血したり、養血したりと、そのときの体調に合わせて使えます。
写真のものは、4タイプぐらいありました。

昔、四川料理の麻婆豆腐を日本に紹介したので有名な陳建民さんが、フランス料理のシェフ(名前は忘れました)と対談したときの話を思い出します。
フランス料理のシェフは言ったそうです。
「フランス人はおいしいものしか食べません。」
それに対し、陳建民さんは、
「中国人は、おいしくて、体によいものしか食べません。」
どうです。
リップオイルと通じるものがある、と思いませんか。


2007年09月27日

成長しているときは女は少陰、男は少陽

婦人科の推拿治療学のとき、女は7の倍数で歳をとり、男は8の倍数で歳をとるという説明がありました。
あら、また、7とか8の話になっちゃった。
なぜ女は七の倍数で、男は八の倍数で成長するのか

以前高橋先生の考えは聞いていたので、別の先生の意見も聞きたいと、質問してみたのです。
決して、先生を試した訳ではありません。
でも、私はいつも変な質問ばかりする、と先生に思われているのです。
授業の合間に質問したので、先生は別の先生にちょっと調べておいてとお願いしたらしい。

調べた結果は、黄帝内経の考証というか解読書(中国のものです)に、黄帝内経を編纂したといわれている王冰の解説が載っていたのです。
まあっ、思わず目が点になっちゃいました。

王冰の時代から、それについての考証があったんじゃないですか。

九は老陽の数字、八は少陰、七は少陽の数字、
成長過程においては、女は少陰の体、男は少陽の体(年をとると老陰や老陽になる)
陰陽のバランスから考えると、女は少陽の数字である八をかけた年齢で変化が起り、男は七をかけた年齢で変化が起る。

ということが、ちゃあんと記載されてました。
先生は、そういう意見もある、とのご意見でしたが、王冰のご意見ですよ。
納得いくと思いませんか。

根本的なところは、結局『易経』の世界につながる。
「まんが易経」でさえ、難解だったので、興味があっても手を出さないでいたけれど、やっぱり易を知らないと中医学の本当のことはわからないのかもしれません。
神田神保町には、易学専門の書店があるから、そのうち寄ってみましょう。

2007年09月19日

腹巻は足の冷えに効く

冷房病になってから、とみに冷房に対しては過敏になっている私ですが、外からは見えないからと下着で対抗しています。
その中の一つは腹巻ですが、最近はおしゃれな腹巻が多く出回っているし、キャミソールやスパッツをお揃いにすれば、さながら『麗しのサブリナ』(あまり疑問に思わないでください。雰囲気はそんな感じなんですから。)風です。

腹巻をすると足の冷えが改善されるという情報は中医学の情報からではありませんでしたが、中医学の理論にもかなっています。

腹---これを中焦というのか下焦というのか。お臍から上なら中焦、お臍から下なら下焦かな。

中焦は脾胃を指しますから、脾が四肢を主っているということを考えると、理にかなっているのです。(友人に言われて気づきました。遅かりしですが。)

下焦といえば腎・膀胱ですが、水を主っている『水臓』と呼ばれる腎を温めるのは、根本的に冷えを予防できるというわけ。

しか〜し、足が冷えるのなら、お腹の上の方に腹巻をするべき?
ちょうど、ウエストのところにかかって、どうも、もたついちゃうんですよね。

(とっても寒い日にホッカイロをつけたいときは、背中の腎兪穴(女性ならちょうどウエスト辺りです)にカイロをつけると温かさが違います。)


2007年09月12日

提壺(ポットの蓋を開ける)

薬膳の授業のときのこと。
腎臓病の薬膳だったのですが、水の代謝が悪くて、むくむときは、腎の他に関連する臓腑としては、

肺(宣発・粛降をする水の上源)、脾(運化がうまくいかないと水が滞る)、三焦(水の通り道)

がある、という話になりました。
そこで、肺が外邪にやられたとき(風寒)の薬膳材料として提示された材料が、利水のものがなく発汗解表するものばかりだったので、そのとき先生がされた説明は、『提壺(ていこ)』でした。

ポットから出るお茶の出が悪いときは、蓋を開けると下から勢い良くお茶が出てくる。

というのが、たとえだったんですが、わかりやすいですねえ。
むくんでいるときは、利水のほうに気を取られやすいですが、肺に原因があった場合は発汗することによってむくみがとれる。
風寒犯肺のときは、上焦に問題があるので、水はいまだ尿になってはおらず、症状としては「尿量少」なんですよね。
だから、利水して尿として出そうとするより、発汗させて水を出す方が理にかなっている。

私も、ルイボスティーをしょっちゅうヤカンで作っていますが、出が悪いなと思うとヤカンの蓋をちょいと開けます。
すごい勢いで出てくるルイボスティーを見るたびに、この提壺の話を思い出します。

2007年09月03日

トイレの音消しは誘導法?

推拿治療学の時間、先生曰く、
「高島屋さんで流しているトイレの中の水音は、誘導法ですね。あれは、良いですね。」
『ん、ゆうどうほう?。それって何? あの水音は自分の体内から出る音を、消し去るために流しているのでは?』

「年寄りとかは、待っている人がいるとあせって尿を出しにくいけど、あの水音があると安心して出すことができます。」
『ふ〜ん、そういう考え方もあるのね。』

友、曰く、
「先生! あの水音は音消しのために開発されたといわれているんですけれど、そういう効果もあるということですね。」
ありがとう、友よ。内心、私もそう思ってたわ。

テレビでも先日放映していましたが、こういうのを環境音というのでしょう。
音で音を消す。

テレビで紹介されていたのは、オフィスでの打合せの会話が気になるので、小さいゴーッという音を常に流すと、何を話しているのかは聞き取りにくくなる、ということでした。

排泄音が恥ずかしいから気になる、こういう発想って日本人ならすぐ結びつく発想ですが、さすが中医学を勉強した先生の発想は違います。

2007年08月16日

深い睡眠がアンチエイジングといわれると

健保組合から来る冊子を見ていると、

成人してからも、深い睡眠中にのみ分泌される成長ホルモン(成長期の子供は1日中分泌されている)は、アンチエイジング医療でも注目されています。 エネルギー代謝・糖代謝・脂質代謝・ミネラル代謝・筋肉の発達に影響してきます。

と、ありました。
午後11時から2時の間は『腎』の時間(この間に寝なさいということらしい。ただし、出典がわかりません。中医学的ではなく、漢方的な意見のようで。)、と言っておきながら、ここのところ『数毒(独)(SUDOKU)』に侵されていて、止められない、止まらない、を地でいっている生活だからです。

腎虚がはなはだしく、気虚の状態が激しく、自汗の状態が多いのです。
ちなみに、自汗は気虚、盗汗は陰虚と申しますが、夜の間も汗をかいているので陰虚もありかと、ふと思いましたが、盗汗は朝起きたらぴたっと止まるというのを思い出しました。
友だち二人が、
「不思議なほど、本当に起きたら、汗が止まる」と申しておりましたから。

自分の汗で、常に肌が湿った状態って、肌に触ると冷た〜いんです。
肌に乗った水分が気化するたびに、体温は下がっていく、だから当然寒いと感じている、それなのに毛穴は開きっぱなしで汗を出し続けている。
気が不足しているので、腠理(いわゆる毛穴、それだけではありませんが)を閉じることができない。
体の表面に衛気(体を外邪から守っている陽気)が不足しているのって、最前線に兵が不足していて、敵が攻めてきても守りきれないって感じです。
開きっぱなしの腠理は風寒邪も受けやすく、無防備に睡眠中に風にあたり続けると(扇風機はほとんど天井を向いていても、ホニャホニャ吹いて来る風も感受してます)、朝起きると体調不良このうえなし。

だから、気を蓄えるためにも睡眠をたっぷりとらないといけないのです。
わかってるのに、止められない。
毒にやられてるのって、毒に中る(あたる)、だから、中毒って言うんですね。

自分なりの数毒の解き方を書き留めておかないと、踏ん切りがつかないので、次回はその辺を。

2007年07月26日

コーヒーはやっぱり温?

体を温める食品か冷やす食品か、これは中医学ではとても重要なこと。
熱性の体質の人が常に体を温める食品を取り続けていると、体の中はますますヒートアップし、冷え性の体質の人が体を冷やすものを取り続けていると血液も循環しにくくなり(寒は凝固させる働きがある)、その結果瘀血も生じやすくなります。

まっ、中国人の先生方は、
「日本人は冷たいものばかりとっているので(和食は刺身や和え物など冷たい料理が多いし、夏でも冬でもお店に入るとお冷やが出てくるし、冬でも生足の女の子もいる)、胃が冷えて胃腸が弱くなる、だから日本人は胃腸が弱い人が多い。」
と、おっしゃいます。

醗酵食品であるプーアール茶が「寒」だという本もあるのはさておき、コーヒーが「温」としていた本(北京中医薬大学日本校が出している赤い本)が、訂正版では確か「平」になっていたと思います。

先日、黒竜江の漢方薬理学の授業で、先生がたまたまコーヒーのことにふれました。
神経を興奮させるものを「陽」とすると、コーヒーは「温」と考えることができる、と。

各食物が温なのか涼なのかは、人間が摂取した後のサーモグラフィーで実験している方もいらっしゃるようですが、以前岡本先生が言うには、食物はいったん人間の体の中に入ると熱を発生するので(食物にはみな熱量があるでしょ)、寒涼のものでも一時的にはサーモグラフィーでは赤くなり、その後青くなるとのことでした。
このへんの見極めが(変化する時間的なものだとおもいます)がむずかしいと。

各本によって、薬膳の一番根本的な寒熱温涼である四気が異なるとき、いろいろな角度から考えるということができそうですね。

関連記事:
栗はやっぱり甘でしょう
紅茶・コーヒーが温でプーアールは寒なの?

2007年03月12日

中医学を知ってさえいれば薬膳がわかる?

薬膳は、中医学理論に基づいて施膳されるものです。
ですから、薬膳を勉強するためには、中医学理論は不可欠です。

では、中医師はみな薬膳を知っているのでしょうか。
否、薬膳とは薬膳学、食療学、飲食栄養学なども勉強して、どんな食品がどんな作用を及ぼすのかも知らなければなりません。

今、世の中に出回っている薬膳関係の本は、料理研究家が薬膳を勉強して作っているもの、中医師が食材を提示して料理研究家が作っているものがあります。
料理として考えたときは、薬膳としての効き目よりゆるい内容で、病気に対する薬膳として考えた場合は、ある程度料理としての体裁はカットされるかもしれません。

そんな中、先生としての資質を問うと、薬膳を料理として勉強した方は、たぶんにして中医学の詳細な理論にはうといことがあり、中医学を勉強した方は、逆に食材をあまり知らなかったりします。

中医学は中国の伝統的な医学ですので、本場中国人に学ぶということは、ストレートにその知識が入るということですが、中国にある食材でも日本にはなかったり、同じ食品なのかというすり合わせができなかったり、料理自体が中国料理から脱却しなかったり、ということが起るわけです。

中薬は学名(ラテン語)が表記されている本があるので、名前が異なっていても同じかどうかは学名で判断することができますが、食品は判断できないものが多いのが実情です。
この前なんて、鴨と家鴨が同類で出てきたので、とまどっちゃいました。
肉としての、四気、五味を考えた場合は、同類で良いのかなとは思いましたが、同じ樹木でも桂枝肉桂は違うものとして分類されているので、変に細かい部分とアバウトな部分が混在して訳がわからない状態になったりします。

ちょっと、薬膳を勉強すると、どんな先生に習いたいのか、その全体像が見えてきます。
「僕らに必要なのは、中国でちゃんと勉強してきた日本人の先生だよ。」

でも、そんな人は非常に少ないのが現実です。

2007年03月05日

気は温かいの?冷たいの?

先週の気功の授業のときのこと。
合谷百会に、まるで鍼を打つように気を送るという動作を生徒同士で行いました。

友だちが、私の合谷にその動作をやったときは、ホワホワした感触が起り、薬指と小指がだんだんチリチリした感じで痺れてきました。
そして、百会にやったときは、何だか痒いような感触がしたのです。

先生がどんな感じがしたかを尋ねたときに、痒かった、と答えると、後ろから「えーっ、痒いの?」
自分でも、変な感触と思っていたら、別の友だちが教科書の気の感覚というところを開き、「あっ、痒いとかも書いてある。」

うん、うん、私の感覚も別に変ではなかったのね。
その、教科書の気の感覚のところをじっと見ていると、気は『熱』、『冷』の感覚もあると書いてあるではありませんか。

そういえば、先日、別の人と、百会に気を入れるというのをやったときは、冷たい風が吹いて来たような感覚が起ったんですよね。

気は、中医学基礎論では、カロリーの高い熱だから、気が滞ると体の中に熱が発生すると書かれています。
でも...冷たい感じがするというのも事実のようです。

生体エネルギーである気は、簡単に電磁波の一種とか、熱とかいえない複合的なエネルギーであることだけは確かなようですね。

2007年01月31日

ミニドリンク剤・ニューゼナF-

電車の壁に貼られている広告。
何気に見ている人はきっと多いと思います。
ニューゼナF-兇砲論弧瑤いっぱい。

目に飛び込んできたのは「反鼻」の文字です。
あれ、これにもマムシが入ってるの?
おーっ、何と養命酒のようなドリンク、養命酒の酒抜きといってもいいかも。

滋養強壮を目指すと、同じような生薬の配合になってしまうのかもしれませんね。
ただ、比率は違うし、こちらはビタミン類も添加されているので、微妙に違います。

ムイラプアマは、ブラジル原産の強壮生薬だそうです。
ニューゼナF-兇、どんな人向けかというと、

身体の疲れがとれない方、疲れていてもまだまだ頑張らなければならない方、かぜなどの発熱性消耗性疾患にかかり体力が衰えた方などの栄養補給に
ということです。

疲れがとれない方とか、消耗性疾患にかかって体力が衰えた方とかには良いと思いますが、疲れていてもまだまだ頑張らなければならない方というのは、誤解される人もいるのでは?
人参が入っているものは、虚証の人向けなので、実証で一時的にダウンしている人には向かないと思うから。

ここからは、中国人の先生に聞いた話。 人参は体力をつけるというので、子供にしょっちゅう食べさせた結果、その子供(若者)が体調不良になって病院に来たそうです。
問診した結果、人参をたびたび食べていたのだとか。
若者は、普通、元気が有り余ってますからねえ。
補気しすぎってのも、良くないってことです。

若者がドリンク剤を多用するのは、えてして、その人の証に適していないことが多々ありそうです。

巴戟天 300mg
地黄 150mg
淫羊藿 100mg
人参 90mg
白朮 54.5mg
タウリン(アミノエチルスルホン酸) 50mg
甘草 37.5mg
芍薬 30mg
ムイラブアマ 15mg
ビタミンB1硝酸塩 10mg
茯苓 9.6mg
ビタミンB2リン酸エステル 5mg
ビタミンB6 5mg
反鼻 1.75ml
黄耆 0.3ml
桂皮 0.15ml
当帰 0.11ml
川芎 0.1ml

2007年01月22日

孫思邈はベジタリアンだった?

薬王として、唐の時代の名医で、長寿だった孫思邈。
彼が、ベジタリアンだったという人がいます。
「千金方」の26巻にある『食治篇』は、薬膳のことが書かれていた最古のものといわれています。
孫思邈は、死にかけた人を生き返らせたとか、140歳まで長生きしたとか、名声には興味がなかったとかいろいろ言われている方です。

『千金方・食治篇』を手に入れていないので、自分の目で確認したわけではないのですが、ネットを検索していて台湾のページで以下の文(この文章を書いたときにはあったのですが、現在はヒットしません)を見つけました。

唐代名醫孫思邈的「備急千金方」一書,第二十六卷『食治篇』是現存最早的藥膳專篇,其中詳細地介紹了食治理論和具有食療作用的肉、果、菜等食物。

食治篇には、肉のことも記載されているようですよね。
ベジタリアンなら、肉のことを記載するかしら?
どなたか、孫思邈さんについてご存じの方がいらしたら、教えてくださいませ。

なお、孫思邈は鍼の腕も見事だったらしく、十三鬼穴というのが残されています。
これは、癲狂(精神病)を治療するときのツボで、「鬼」という字がついた別名がそれぞれあります。

孫思邈十三鬼穴

1 人中 鬼宮 入3分
2 少商 鬼信 入3分
3 隠白 鬼壘 入2分
4 大陵 鬼心 入5分
5 申脈 鬼路 火針
6 風府 鬼枕 入2分
7 頬車 鬼牀 入5分
8 承漿 鬼市 入3分
9 間使 鬼窟 入2分
10 上星 鬼堂 入2分
11 会陰(男)、玉門頭(女) 鬼蔵 入3分
12 曲池 鬼臣 火針
13 舌下中縫 鬼封 刺出血

2007年01月05日

栗はやっぱり甘でしょう。五味を考える。

栗は、甘/温で健脾補腎、強筋活血、滋補および血液の運行をよくする作用あり。
と、中医営養学の本には書かれていますが、ネットの中の情報では、五味が「甘」ではなく、「鹹」と書かれているものもあります。

はて、そんなことあるのかな。
どうも、何かの本にそういうふうに書かれているのを基準にしているらしいのですが、先日中国人の先生にそのことを尋ねてみました。

「それは、おかしいですね。五味には、それぞれ働きがあるので、働きから考えたら鹹のはずはないんですけどねえ。」
というのが、先生のおことば。

それで、考えさせられたという次第。
確かに、昔、昔は、食べてみて判断した味だとしても、五味が人間に与える作用を考えて、そこから導き出されたものもあるので、栗に軟堅・散結・瀉下の効果があるなんて、とても思えないでしょう?
いろいろな情報が飛び交う中、働きから五味を導き出すのも一つの手かな?

以下は、それぞれの味の働きをまとめたもの。

収斂、固渋、生津
泄、燥湿、瀉火、瀉下、清熱、降逆
補益、和中、緩和、滋養、強壮
発散、行気、活血
軟堅、散結、瀉下
滲利水湿、通利小便

2006年12月22日

漢方の代名詞、葛根湯

中医学には、正治と反治ということばがあります。
正治は、熱があったときは体を冷やす治療を、体が寒いときは温める治療をすることを指します。
反治は、本当は体の中には熱があり、陽盛の状態になっているのに、体の表面に陰が追いやられて、外目からは寒けがするときなどに、体を冷やす薬を使うことを指します。
つまり、表面に現れている症状には、『それは反対の治療だろ』という治療をすることで、実際は本来の症状に対しては正しい治療をしていることになります。

しかし、もしこの状態を読み間違えていたらどうなるか。
正治をするべきなのに反治をしてしまえば、治るどころかどんどん悪くなる。

先日の授業で、辛温解表薬を夏に使いすぎると、体の中が温まりすぎてかえって体内に熱がたまりやすく、よくないと聞きました。
葛根湯は、辛温解表薬ですねえ。
葛根自体は辛涼解表薬、つまり体を冷やすものですが、葛根湯という方剤になると体を温める薬になります。
夏風邪に葛根湯は、要注意ですね。

葛根湯は、風寒の風邪、体がぞくぞく悪寒がしていて寒い、ひき始めのときに飲むと効果を発揮しますが、喉が痛い、熱が出てきたなんて状況のときには風熱の風邪ですので、冷やさなければならないのに、逆に体を温めてしまいます。

本人は、治ると思って飲んでいたものが、実はプラスになるどころかマイナスに働いていたなんてことになるわけです。
日本人は、結構、葛根湯好きな人が多い。
私の周りにも、いっぱい、いること、いること。

あくまでも漢方薬は、そのときの証に合わせて処方されるべきもの。
病気(この場合は風邪)に合わせて飲むものではありません。
ですから、誤解が生まれるのです。

ちなみに、寒気にあたって筋肉がこわばって肩凝りがする、なんてときは葛根湯が効きますよ。

2006年11月22日

「黄帝内経」って、やっぱりすごい

ネットを検索していると、黄帝内経を研究する会とか、黄帝内経なんて役に立たないという人とかいろいろいますね。

2千年以上(3千年かしら)も昔に書かれた本なのに、中医学の基礎になっていて、人間の養生などについて記述されており、とても古いとは思えない素敵な本、それが「黄帝内経」です。

『昔の人は皆100歳になるまで生き、しかも行動は衰えたりしてはいなかった、と聞いている。ところが、現在の人は 50歳になるやならずで動作が衰えてしまう。これは時代環境が異なるためなのか、それとも人々が養生の道にはずれているためなのか。』(黄帝内経・素問・上古天真論)

思わず、笑っちゃう内容です。
え、これが何千年も昔に書かれた本の内容なの。
人間て、今も昔も同じなんですね。

最近、ちと思うことがあるのです。
自然環境、木火土金水や陰陽に人間を当てはめる中医学が古びた学問のように感じることもあったのですが、自然環境の中におかれている人間が、自然に影響されないはずはない。
だから、自然現象を人間の五臓に照らし合わせて考える中医学は、抽象的に思えるけれど、実は最も物事の核心をついていて、それこそ真理なのではないかと。

たとえば、風邪(ふうじゃ)や熱邪、寒邪、湿邪、燥邪など、邪などという比喩を使うと、いかにも現代科学から遅れている古くさい学問のようではありませんか。
でもね、人間の体内に起る様子をそれぞれの邪に置き換えて考えると、納得することって多いのですよ。

2006年11月20日

陰陽って今でもよくわからない

中医学の基本の基本、陰陽の考え方、
わかっているようでいて、本当はよくわかっていないのです。

陰陽は、対立、消長、互根、転化、平衡、とあり、
陰陽の対立の項目がある本を読んでも、それが消長といっしょになって説明されていたりするから、よけいに理解不能になります。
パターンを覚えてしまえばいいのでしょうが、それでは根本的に理解したことにならない。

『陰在内、陽之守也、陽在外、陰之使也。』
これは、「素問・陰陽応象大論」の中のことばですが、確か陰陽互根を説明しています。

『益火之源、以消陰翳』
『壮水之主、以制陽光也』
などは、「全訳中医基礎論」で、出典が、「素問・至真要大論」と書かれていたので、そのことばを現代語訳版で3回も探してしまいました。
どうも、黄帝内経太素における王冰の注らしいです。
虚寒証、虚熱証に対する治療方法をいっているらしいですが、陰陽のどの種類なのかというと.....
(興味を持った方はご自分で勉強してくださいませ)

陰陽なんて簡単!とおっしゃる方、

愛媛中医学研究会のページで、中医学を学ぶ学生向けの問題集というのがあります。
トライしてみてくださいませ。

2006年11月15日

中国語を読むのって大変だけれど

私が薬膳を勉強した北京中医薬大学日本校の教科書は、中国の中医薬大学で使われている中国語の教科書でした。
その教科書を見た瞬間、目が点になったのを覚えています。
いくら、中医学を学ぶといっても、日本校で日本人向けの講義なのに日本語で書かれていないなんてどうかしてる。

最初の授業に恐る恐る出かけた私は、たまたま同じ机でいっしょになった人たちが、一人は中国語の翻訳を、一人は中国に何年か行っていたことがある人で、先生の話した内容をその中国語の教科書で確認しながらマーカーを引いているのに出くわしました。
なんと!!!絶句。

なんちゅうハイレベルの人たちの中に、私は入ってしまったのか。
皆、向学心に燃えていて、週末に行われる授業には、地方から新幹線や飛行機でやってくる人たちも何人かいました。

同じ漢字だからと気を取り直して、何とか読解しようとするけれど、漢文の世界はお手上げだし、簡体字で非常に簡略された漢字は、何の字かさえわかりませんでした。
授業は、中国人の先生が日本語で話されるし、プリントも出るので、教科書を読めなくとも何とかなりますが、今にして思えば、この中国語の教科書は英断だったと言わざるを得ません。

なぜなら、中医学は中国の伝統医学であり、日本語で刊行されている書物だけではわからないことが多く、また国際クラスの日本語の問題集は非常に少ないのです。
ですから、日本語の書物ではどうしても足りない場合、仕方がないので(ここは強調します)、中国語の本を見ています。

中国語は全然習っていないので、わかる単語と短い肯定文だけをなんとか。
否定形になると、どこまで否定が続いているのか訳わからん状態にしょっちゅうなりますが、
それでも、
中国語の文章を読もうという気が起きること自体、北京中医薬大日本校に感謝!
です。

2006年10月06日

「ぼーっとしようよ養生法」の記事

以前の記事で、夏に腎を養生しないでいつの季節にするのさの元になった記事を見つけました。

それは、何年も前、ひょっとしたら十年以上たっているかもしれませんが、朝日新聞(だと思う)に連載されていた鍼灸師の田中美津さんのものです。
他のものを探して引出しの中をひっくり返していたら、すでに黄ばんでしまったその切り抜きを見つけたのです。
そこから、ご紹介します。

汗は大事よ。「夏は1日1回必ず汗を出すように」と昔のヒトはいっている。汗が出れば、汗と一緒に老廃物も出る。だからその分、腎がラクできる。つまり腎は夏に休みをとるわけね。
腎は夏に休んで冬に働く。冬の寒さから私たちを守ってくれる生命力の源だ。ところが夏、冷房の部屋に入ると汗が引っ込む。そうなると腎にとっては冬と同じ、老廃物を体外に出す働き=排泄作用を一身に引き受け働きつづけなければなりません。休みをとらずに働けば、過労になるのは腎とて同じよ。
最近、コンピューターやOAの操作に従事しているサラリーマンや技術者たちにインポテンツが増えてるそうな。日々情報処理に追われてると、思考、判断、創造を受け持つ前頭葉がクタクタになる。そうなると、前頭葉は性行動も支配してるから、異性への感心が薄れ、性欲を喪失する.....と、言われていますが、原因はそれだけかしら。
落語に出てくる「腎虚の殿サマ」。腎虚とは過労やセックスのやり過ぎでフラフラ、ヘロヘロになってしまった状態です。生命力の源は、また性欲の源でもあるのです。
コンピューターに合せて冷房してある寒い寒い部屋で長時間働いてたら、汗なんて出やしません。汗がまったく出なければ、腎は過労に陥って、男性の場合とかく腎虚=インポテンツになりやすい。そう、人は脳だけで生きてるわけじゃないんですっ。
汗を盛大に出して腎を助けたいんなら、今がチャンス(この記事は夏でした)。夏は陽で、冬は陰。陰の冬は決して発散してはならない季節です。もしその時期に過度な暖房、厚着、飲酒などで汗をたくさん発散すると、皮膚から陽気が出てしまうので、相棒である陰気も必ず衰弱します。陰気の中心は腎。だから、冬に汗をかき過ぎても、腎は弱っていくわけね。

どうです。
わかりやすい説明ですねえ。
この記事はまとめられて、文庫になっているようです。
興味の湧いた方は本を読んでみてね。


2006年09月11日

陰陽のお話(生気通天論)

陰虚(暑がり)なのか、陽虚(寒がり)なのかは全然反対の性質ですが、実際の人間の証はそう簡単にはわからず、間違ったら対処方法も間違ったものになってしまうので、これはかなり問題です。

黄帝内経素問の生気通天論(まんが黄帝内経参照)には、

人体の陽気は、太陽と同じようなものである。
太陽は天に高く輝いて万物に生命力を与えるように、人間の陽気も体の上部に多く集中し、体の外側に居って体を外邪から守る。
ただし、陽気は寒気に遭遇すると、開き戸の軸が臼の中にあるように体の中に引っ込んでしまう。
陽気は熱と活動の性質があるので、体内に久しくこもると体が熱して興奮しやすくなる。
陽気は太陽と同じように朝よみがえり、人体の外に出て体を守る。
昼頃には陽気は最も旺盛である。
太陽が沈んでいくと、体表の陽気は少なくなり毛孔は閉じる。
陽気は夜に体の奥に居るので、夜はよく体を休め霧や露の冷えを避けるべきである。

とあります。

太陽は熱エネルギー、人間も、朝太陽が昇るとともに陽気が体表に出て行くということは、陽気イコール衛気ってことでしょうか。
そして、だんだん太陽が沈むにしたがって陽気も体内に入っていくと、陰虚の人はますます陽盛になるので相対的に陰は不足し体の中は水分不足、体内は熱がこもりがちになります。
だから、午後の潮熱や盗汗(寝汗)が起きるんですね。

でも、陰虚はこれで説明できるとしても、朝は冷え性で、夜は口渇があるのはどう説明すればよいのでしょうか。



2006年08月22日

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)

体全体が寒く感じるけど、それでも比較すると腰から下、大腿部や脛、ふくらはぎ、足背、足裏が、まるで冷たい水の中に入っているようです。

暑い外でテニスをした日なんて、喉が渇くので当然水分を取り、2時間で1升ぐらいは飲んでます。
だからといって、摂取した水分がすべて体の中から排泄されるわけではなく貯まっていて、下半身にそれが著しい。
だから下半身が重いし、デスクワークをしていると重力で当然下に水は溜まっていくので、冷房の入っていない室内でも、何だかふくらはぎ辺りがスースースカスカ冷たい感覚。

それは、まるで、体全体が冷たい水をたたえている瓶(かめ)のよう。
だから、冷房の入った場所に行くと、その寒冷感はさらに強く、他の人が多少涼しすぎるわぐらいのときに、私一人はフリースの膝掛け、ウールのブラウス、ウィンドブレーカーを上にはおり、諸陽の会である頭に風が来て頭痛がしそうになると、さらにフードもかぶっています。
外からは目立たないように、冬用のキャミとスパッツも付けてます。

一昨年具合が悪くなったときは、外の日陰でさえ寒すぎるくらいだったので、それに比べればまだましと思っていたのですが、どこもかしこも冷房している屋内のこと。
母とランチを食べにレストランを探すにも、冷房のきつくないところをチェックしなければなりません。
これは、尋常なことではありません。

冷しすぎの社会が悪いー、といっても、今現在の状態に体が堪えられなければ日常生活もままならず。

こんなときは牛車腎気丸(八味地黄丸に牛膝と車前子が入って下半身の利水ができて、もちろん体を温めます)かなあ、と漢方薬局に行き、症状を説明することしきり。
すると、ご夫妻ともども、「それだったら苓姜朮甘湯」とおっしゃいます。

どうやら、下半身が冷たい水の中にいるみたい、という症状のときにぴったりの方剤のようです。
散薬になっているのでお湯で飲めばオーケー、しっかり1日3回15日飲むつもりです。

『中医臨床のための方剤学』をひくと、こう書いてありました。
主治:腎著(寒湿停着肌肉)
『金匱要略』には、
腎著の病は、その人身体重く、腰中冷え、水中に座するが如く、形は水状のごとく、かえって渇せず、小便は自利し、飲食故のごときは、病は下焦に属す。身労し汗出で、衣裏は冷湿し、久久にしてこれを得る。腰以下冷痛し、腰重きこと五千銭をおびるがごとし、甘姜苓朮湯これを主る。

腰重きこと五千銭をおびるがごとし、で、思わずそのとおりと笑っちゃいました。
いいえて妙です。

組成は、乾姜、茯苓、白朮、甘草なので、別名は甘草乾姜茯苓白朮湯、甘姜苓朮湯、腎著湯となっています。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)というのもあり、生姜ではなく桂枝に代わり、こちらの主治は、水飲・脾陽不足、と記載されています。
脾に効くか、腎に効くかの差が出てるんですね。
一味で処方する意図が変わる、方剤っておもしろいですねえ。

2006年08月11日

どこもかしこも冷房しすぎじゃないの

電車の弱冷房の車両は、とってつけたような車両。
どこが弱冷房なのかわからない。
飛行機の中と同じとしか思えないものもあります。
ちなみに飛行機は23度に設定されているそうです。

隣の車両とのドアがない弱冷房車なんて、いったいそんなのあり?
風が吹かなければまだ体感温度が下がるのはひどくないのですが、どの位置にいってもビュービュー風が吹いているので帽子でガードしないと頭痛が起きてしまいます。

そして、オフィスは個別のエアコンがついているので、ちょっと暑いと思うとすぐエアコンつける人がいる。
お上が、「エアコンの設定温度を28度にしましょう」と声をあげても、どこ吹く風。
外からいきなり室内に入ったときは暑く感じても、馴染めば問題なし。
エアコンつけたい人、消したい人で攻防するのは、いい加減にやめてほしい。

そして、中医学を学んでいる教室が冷えすぎなのはどうかしてる。
「天地人」、人は天と地の間で生きていて、自然の中で暮らしている。
エアコンのどこが自然なのさ。

夏は暑いのが当たり前。
だらだら汗をかきながら授業を受けたいとは決して思いませんが、誰かがくしゃみしたり、服を一枚増やしたりするほど冷やすのは行き過ぎです。

中国人の先生方は、「日本人は冷たいものを食べ過ぎ、だから脾胃を傷めるのよ」と、よくおっしゃいますが、冷房に関してはかなり無頓着としか思えません。

夏は老廃物を汗から出して、普段活動している腎の機能を助け、腎を養生する季節。
ここで、エネルギーを貯めずして、いったいどの季節に腎を養生するのさ。
日本人は、腎虚が多いと聞きます。
精をつける(腎精)ということは、食物からだけでなく自然のリズムにしたがって生活するということも大切なことです。
体の冷やしすぎは、インポを助長、もしくは作ると思います。
出生率が下がっているのにも影響しているのでは?、と疑っている私です。

2006年08月09日

ツボの位置って、中国と日本では違うの

何げに「兪穴学」の本を見ていて、ハッと気づきました。
太陰脾経のツボである
府舎(ふしゃ)」「腹結(ふっけつ)」「大横(だいおう)」「腹哀(ふくあい)

が、体の中心線から4寸になっています。
はて、3寸5分では?

調べてみると、日本では3寸5分、中国標準では4寸なのだとか。
中国語で書かれているツボの位置を計算すると、3寸5分になるんですけどね。

計算といっているのは、腹哀穴の位置が日月穴の下となっており、日月穴期門穴の下で、期門穴でやっと左右の表記あり、不容穴から1寸5分、そして不容穴は体の中心から2寸とあるからです。
何で4寸が標準になったんでしょう。

期門穴も、日本では「第9肋軟骨付着部下際」に対し、中国標準では「第6肋間で前正中線の外方4寸」です。
期門穴は肝経の募穴である要穴なので、第6の方が肝臓の位置を考えると効きそうな気がします。
古典を検証していると、変更した方がよいことが多々出てくるのでしょうか。

漢方も、元々は中国から伝来したものですが、現在では中医学の考え方と異なる部分もいろいろあります。
たとえば、虚実の考え方など、漢方では虚は虚弱体質のようにいわれますが、中医学では虚とは気が不足している状態をさし、実とは正気が邪気と戦って負けている状態をいいます。

最初は中国から伝わっていますが、それぞれ進んでいく過程では異なる部分も出てくる。
とはいえ、ツボの位置が違うなんて、整合性をとってほしいわ。

中医学を学ぶ者としては、中国標準にせざるをえないので、経穴データベースの作り直しです。

2006年07月31日

船越さん、お疲れのようですね(ソロモン流)

時代の最先端を行く方をクローズアップし、案内人に船越英一郎さんを配した番組「ソロモン流」。
先日は、家庭料理研究家の山本麗子さんでした。

番組の中程で、いつも船越さんがレストランやら、健康にまつわる場所に行って体験するコーナーがあり、この日は漢方と鍼灸とマッサージを組み合わせた治療院が紹介されました(名前は忘れてしまいました)。
問診後に、船越さんに処方されたのは『牛車腎気丸変方』でした。

腎気丸は『金匱要略』に記載されている方剤で、『八味地黄丸』といった方が名前が通っているかもしれません。
腎陽虚(エネルギーが不足していて、手足が冷たい)の人によく使われます。

『牛車腎気丸』は、腎気丸にさらに牛膝車前子を加えたもの。
利水効果を高めて、腰膝などの下半身に効かせることができます。
船越さんは、腰痛がひどくなって入院してしまい、、ぐるナイの「ゴチになります」に、代理で奥さまを立てたことがありますよね。

腎虚や腎陰虚や腎陽虚になると、腰痛を起こしたりします。
それは、腎が髄を主さどっているからですが、腎陽虚である私も疲れると腰痛を起こします。
腎陰虚と診断された友人も、腰痛持ちです。
腰痛イコール腎虚ではありませんが、腎を養うことがいかに重要なことなのか、何かにつけて思い出させられます。

薬膳では、腎を養う食物は黒い色をしているといいます。
黒豆、黒胡麻、黒米など、みなさまも探してみてくださいね。

2006年07月24日

なぜ女は七の倍数で、男は八の倍数で成長するのか

『黄帝内経』によると、「女子七歳.腎氣盛.齒更髮長.二七而天癸至.任脉通.太衝脉盛.月事以時下.故有子.・・・・丈夫八歳.腎氣實.髮長齒更.二八腎氣盛.天癸至.精氣溢寫.陰陽和.故能有子.・・・・」

と、女は7の倍数、男は8の倍数で肉体に変化が起るとあります。
「なぜ女は7で、男は8なのか」と、高橋楊子先生(上海中医薬大学日本校講師)に質問した方がいたそうです。
それで、先日来セミナーを受講している者にも同じ質問が出されていました。

しかし、こんな哲学的な問題、わかる人はいませんでした。
先生は、上海に帰ったときに大学教授にも質問したそうです。

教授は「良い質問ですね。ちょっと考えさせてください。」と言ったそうですが、帰国しなければならなかった先生は日本に帰って易経を読んでいたときに、答がわかったということです。

易によると、「天一水生、地二火生、天三木生、地四金生、天五土生」といい、1〜5は基本の数字。

方位に関しては下図の通りでよいのかどうかよくわかりませんでしたが、五行の東西南北に照らし合わせるとこうなると思います。

1水
4金 5土 3木
2火

そして、数は基本となる生数に土の気である5を加えて成り立つ6〜10を成数と呼ぶのだそうです。

生数(すべての数の基本) 1 2 3 4 5
成数(土の気である5を加えたもの) 6 7 8 9 10

さらに、その成数を陰陽に分けると、奇数は陽で、偶数は陰、陽の気はプラスすることで大きくなり、陰の気はマイナスすることで大きくなるので、7は少陽、8は少陰になります。

奇数 7 9
少陽 太陽
偶数 6 8
太陰 少陰

成長過程では男は少陽の体を持っているので、少陰を掛け合わせることでバランスがとれ、女は少陰のからだを持っているので、少陽を掛け合わせるとバランスがとれる。

だから、男は少陰の数字である8の倍数、女は少陽の数字である7の倍数で成長していくということです。

2006年06月24日

『君臣佐使』は方剤だけではない

方剤(漢方薬)の組成は、

『君臣佐使(くんしんさし)』

ということばで表現されます。

君主、大臣、地方長官、庶民にたとえた、それぞれの薬の役割がその方剤の内容を決めているのです。
でも、この『君臣佐使』は、方剤に限って使われていることばではありません。

鍼灸処方においても、主穴(君穴、臣穴)に佐穴、使穴をプラスして配穴されます。

病を主る之を君と為し、君を佐く之を臣と為し、臣に応ず之を使と為す。
「素問・至真要大論篇」

よく見ると、この文章、薬について限定しているわけではないですね。

鍼灸配穴の例として、
処方名:醒脳開竅方
組成:主穴−内関(双)人中三陰交(患部)
    配穴−極泉(患部)、尺沢(患部)、委中(患部)
効能:醒脳開竅、補益肝腎、疏通経絡
主治:中風
解説:内関−養心安神、疏通気血
    人中−調督脈、開竅健脳安神
    三陰交−補腎滋陰(熄風)、養脳填髄
    極泉・尺沢・委中と配すると−開竅醒神通絡

どうです。
方剤も配穴も同じようでしょ。
みんな、同じ古典から引用しているのが、中医学のおもしろいところですね。

2006年06月19日

そういえば女性専用車って寒いですね

以前にも電車の冷房がきつくて困るということを書いたことがありますが...

つい最近の朝日新聞で、女性専用車両の冷房がきつくて困るという記事が載っていました。
弱冷房の車両だと女性専用車両とはわかりにくく、わかりやすい最後尾の車両にしたために、弱冷房にならないとかなんとか。
今の弱冷房の車両を女性専用車両にすると、男性でも弱冷房を必要としている人が困るとか。
そんな理屈ってあるの?
最後尾も弱冷房車にしてしまえばいいのにというのが、私の意見ですが、どうも鉄道会社はそういうつもりはないらしい。

冷房の設定は車庫でしかできないとか、なんとか。
混乱を避けるためとか、なんとか。

暑いとお客通しのトラブルが発生しやすいから、ギンギンに冷やしておこうという魂胆が見え見えです。
まるで、冬眠させれば、生物が活動状態をおとすとでもいいそう。

我々は、混乱なく輸送されなければならない家畜と同じなんでしょうか。

人は自然の中で生活しているので、暑くなれば体がそれに対応するようにできています。
電車も冷房、オフィスも冷房、お店も冷房では、夏は暑いからそれに対応した薬膳を、なんて理論は成り立たなくなりますよね。
体は冷やしすぎると、良いことはありません。

2006年06月12日

陽経の五兪穴

5月25日の五兪穴の陰陽で、なぜ陽経の方が木火土金水ではなく、金水木火土になるのかわからないと書いたのですが、それに対する答がわかりました。

金は木を克する関係、『陽は陰をコントロールする』からという説明を鍼灸機理の先生から聞きました。
なるほどね、水は火を克し、木は土を克し、でずっとつながっています。

この理論は、難経六十四難の

是剛柔之事也.
陰井乙木.陽井庚金.
陽井庚.庚者乙之剛也.
陰井乙.乙者庚之柔也.
乙爲木.故言陰.井木也.
庚爲金.故言陽.井金也.
餘皆倣此.

が元になっているようですが、乙木とか庚金とか、十干で説明されると、私などはかえってわかりません。

甲(きのえね) 乙(きのと) 丙(ひのえ) 丁(ひのと) 戊(つちのえ) 己(つちのと) 庚(かのえ) 辛(かのと) 壬(みずのえ) 癸(みずのと)

十干が五行に配当されていて、それぞれ陽木、陰木、陽火、陰火...とあり、だから陰経の井穴は乙木、陽経の井穴は庚金というようです。

こうなってくると、そのうち、易も学びたくなりますね。
はからずも、6月3日のチャングムでは、「易経を学んだ方がよい」と言われていましたね。

2006年05月26日

ベジタリアンは健康になれる?

以前、大人になってから罹った喘息のため体質改善するために、自然食を取り入れていました。
昔の日本の食卓にのぼったメニューいっぱいの素朴で質素な食事です。
主流は玄米菜食で、あの頃は、かなり食べないものが多かった。
肉、卵、コーヒーなど。

ほとんど好き嫌いがない食生活だったので、かえって除外する食品があると楽しんだりして。
今は、猫を飼っている影響と、薬膳を勉強していて、薬膳は特に中年以降の人に効果のある食べ物だと感じているので、玄米菜食主義に戻る気はありません。

だって、完全に玄米菜食にすると、いろいろ食べれないものがあって、かえってストレスがたまってしまうからです。
加工食品の材料に卵が入ってるとか、牛乳を使ってるとか、ソースに肉のエキスが入っているとか。
そこで、自然食品店のお世話になるのですが、ソイミート(なぜ肉という名前がつくのか)とか、グルテンバーグとか、肉恋しや〜、という意識が見え見えの商品を見ると、かえって情けなくなってしまいます。

野菜そのものは大好きですが、なぜ植物そのものを生かした料理ではなく、肉の代替品や牛乳の代替品の料理にならなければいけないのか。
それは、「野菜に対する冒涜」ではないのか。
もし、ベジタリアンをするのなら、動物性食品とはきっぱり訣別したほうが、よっぽどすっきりすることでしょう。

しか〜し、植物だけで旨味を出すのは、動物性食品の味を知ってしまった舌にはむずかしい。
よっぽど、体調がすぐれない人や食べ物に思い入れがない人、主義を貫き通せる人でなければ続けられないでしょう。

昔の人が、「四つ足は血がけがれる」といったように、確かに高蛋白質の動物性食品を取り続けていると、血液もサラサラとは流れていかず、瘀血がたまりやすくなるようです。
私が、現在、風邪を引いてもそれが引き金になった喘息の発作を起こさなくなったのも、食物での体質改善が効いたと思っています。

でもここのところは、肉や魚の一品料理を考え出す方が簡単で、調理も比較的たやすい(野菜だと切る手間がかかる)ので、メイン料理にすることが多かったのです。
しかし、これではいけない、ちょっと見直し、点検、軌道修正しなければ。

これから先は野菜中心で、肉や魚は野菜料理の味出し程度、焼き魚やハンバーグなどの料理を作ってしまったら、それを上回る野菜を一緒にとるつもりです。
人間の歯の構造からすると、親不知も勘定に入れると、8×4で32本あり、肉食に適した犬歯は4本しかありません。
ここから察すると、4/32で1/8は肉食してもよいということになります。
逆にいうと、肉の8倍は植物をとらなければいけないということになります。

ECO的立場から見ると、植物は人間が直接摂取してこそ生産コストがかかりませんが、肉や魚に飼料用としてまわされると非常に高価なものになります。
野菜中心の方が食費が少なくてすみますね。

(薬膳はどうするのさ、というツッコミに対しては、次回)

2006年05月25日

五兪穴(井栄兪経合)の陰陽

体の中の経穴(ツボ)には、肘から下、膝から下の部分に五行にたとえた重要なツボ、五兪穴があります。 それは、末端からそれぞれ井穴、栄穴、兪穴、経穴、合穴と呼ばれています。

中国の古典である「難経」六十八難には、それぞれの経穴を水の流れにたとえています。

所出為井。所流為栄。所注為兪。所行為経。所入為合。

井穴は気が出るところ、栄穴は流れていくところ、兪穴は注ぐところ、合穴は気が入るところ、とあり、さらに、それぞれの穴はどんな症状のときに使うかを示しています。

井主心下滿。栄主身熱。兪主体重節痛。経主喘咳寒熱。合主逆気而泄。

これらの井栄兪経合の各穴は、五臓六腑に対応しており、陰に属する臓は、それぞれ肝(木)・心(火)・脾(土)・肺(金)・腎(水)の順に対応していますが、陽である腑はそれぞれの臓との表裏関係ではなく、大腸(金)・膀胱(水)・胆(木)・小腸(火)・胃(土)の順に対応しているんです。

表にすると、

五兪穴 井穴 栄穴 兪穴 経穴 合穴
陰経 肝(木) 心(火) 脾(土) 肺(金) 腎(水)
陽経 大腸(金) 膀胱(水) 胆(木) 小腸(火) 胃(土)
となります。

陰経でいうと、春には木の肝経の井穴を、夏には火の心経の栄穴を治療するとよいという記述もあり、たとえば、春はイライラ肝気が上りやすい時期なので、肝陽が上亢しているときは指先の井穴(肝経は足の親指にある大敦穴)から点刺させて血をちょっと出すと肝気がおさまるといわれています。
井穴は気が出るところ、合穴は気が深く体内に入るところで腎にたとえられています。
腎は体内の奥深くに気を収蔵する場所。

陰経の場合は、季節と臓と井栄兪経合の対応がぴったりだと思えますが、はたして陽経の場合は?
なぜ、金水木火土の順に変わるの?

どなたか、おわかりになる方、教えてください。

2006年05月17日

紅茶・コーヒーが温でプーアールは寒なの?

北京中医薬大日本校監修で、日本中医食養学会編の「食物性味表」が、刊行されました。
私めも、薬膳研究科に所属しているので、一冊いただきました。

以前から、コーヒー、紅茶などが温性を持つのか凉性を持つのか、いろいろいわれているので、さてこの本ではどうなっているのかな、と覗いてみると、

あらあら、紅茶やコーヒーが温性なのに、なぜかプーアール茶は寒性になっています。
プーアール茶の作用の中には、「生津解毒、瀉熱」とまで書いてある。

エエーッ、そんなことあるのお?
私は、結構プーアール茶をよく飲んでいるのです。
陽虚(冷え性)なのに、それでは逆をいくようなもの。
けれど、自分の体では、プーアールは、寒や、まして瀉熱とは感じられません。
自分の体感からすると、日本茶の方が凉だと思ってます。
後で冷えますから。
プーアールはそんなことはないんですよね。
なぜ、寒?.......

どこぞの文献を基準にしたのか?
そのへんの細かい部分までは記載されていないので、よくわかりません。

ちなみに、北京で買ってきた『茶飲養生事典』三采養生館 には、

飲用普洱茶能促進血液循環、加快新陳代謝、使身軆温暖、改善女性四肢冰冷現象:喝時加上幾辺乾姜可更具療效。 其温和之特性較不傷胃、適合多数人飲用。

とあります。
血液循環をよくし、新陳代謝を促し身体を温め、女性の冷え性を改善する。
乾姜(乾燥した生姜)を加えるとさらによい。
その温和の特性は胃を傷つけず、多くの人に適している。
とのこと。

私は、こちらの意見の方が合っていると思うんですけどね。

2006年04月27日

ホシノ酵母は便秘に効く?

先日、パン教室に行きましたら、一人の方が先生に質問していました。
「先生、この酵母は便秘に効きますか?
私、今まで便秘ぎみだったんですけど、こちらのパンを朝晩いただくようになって、便秘が治ったんです。」

先生は、
「私は、もともと便秘ではないので気がつきませんでした。」
と、答えていました。

それ以来、酵母と便秘について、自分の体に問いかけています。
ここのところ、私も、昼と夜はパンのことが多く、ほとんど玄米ご飯を食べることができません。
それでも、1日に2回もお通じがあったりすることもあるので、やっぱり酵母は効くのかなと.....

もちろん、高温で焼かれてしまったパンの中には生きている酵母はいませんが、腸に到達したときにスムーズに食物残滓が体外に出られるような環境を作り出しているとは考えられます。

残念ながら、私の手持ちの本には酵母の四気や五味は載っていないので、詳しいことはわかりませんが、少なくとも自分で試している分には、便秘に効くと思います。
私は陽虚タイプなので、他のタイプの便秘の方にも効くかどうかはわかりませんが、ひょんなところからホシノ酵母の魅力を再発見。

ちなみに、ホシノ酵母はいろいろな種類が出ていますが、この場合はオーソドックスな昔からあるタイプの酵母のことを言っています。

2006年04月13日

陽虚だから電車の冷房は困るの

私は体質的に陽虚、体を温める能力に万人との開きをけたたましく感じます。
環境と自分の間に、しっかりとした壁がありません。
暑ければ暑さをすぐ感じ、寒ければ寒さをすぐに感じ取ってしまう、アレルギーの敏感体質。

中医学的にいうと、衛表不固(えいひょうふこ)、体表を衛っている衛気(えき)の守りが弱い状態にあります。
バリアがちゃんと働いていないと申し上げると、わかりやすいかと思います。
おまけに悪風(おふう)、風を嫌う、はしょっちゅう起き、ちょっと涼しい風でも常にあたる状態にあると、下半身がすぐに冷えてしまいます。

よく、手足が冷えるのは冷え性とかいいますが、私の場合は太股やふくらはぎ、足の甲や足の裏が冷え、手は割と温かいのです。
だから、手が冷えてくるほどの環境に置かれるともう大変。
恥も外聞もなく、皆や先生に訴えるとか、着込むものや膝掛けを持っていたら、しっかり身につけます。

ところが、電車の冷房は本当に困る....
弱冷房の車両を選んで乗っていても、それでも長く乗っていると冷えてしまいます。
おまけに、朝はまだ体温が上がっていないのに、地下鉄銀座線は冷蔵庫のように4月から冷房が入ります。

人が多く、暑いと不快指数も高まり、イライラしてトラブルも多くなる、そこで冷やせばいいとでも鉄道会社は思っているのでしょうか。
もっと、自然の風を取り込んで、レトロに窓を開けるとか、暑ければ服を脱ぐとかして、調節できればいいと思うのに、否が応にも強制的に冷房の中に身をおかざるを得ない状況です。
窓が開いていて涼し過ぎるなら、そこを避けるとかできるのに、全車両冷房では、それもできません。

もっと、自然の環境に身をまかせる、ってことできないんでしょうか。

2006年04月12日

春から冷房するのはよくないと思うんですけど

最近の日本は何か変。
温度管理をすべてエアコンでやってしまおう、という風潮があるような気がしてなりません。

春は木の芽が吹き、万物が冬眠状態だった冬から暑い夏に向けて、伸びやかに生長する時期。
人間だって、動物の一種、寒い冬には脂肪という衣をまとい、寒さに対応するよう、エネルギーを貯め込むようにできています。
中医学では、冬は閉蔵の季節というんですよね。

だから、春になると新陳代謝が活発になり、肝の調子も亢進しがちになり、何だかイライラしたり精神状態は安定しない、なんてことが起る訳です。
亢進しがちな肝のために、清熱(いわゆる体内の熱をさます)効果の食物を食べるとよい、といわれますが、周りがみな冷房していて、冷房の中で1日中暮らしていたら(そんなオフィスありそうですね)、体にとっては冬と同じか、ひょっとしたら冬より冷えているかもしれません。

動物も人間も自然界に存在し、自然の中で生きています。
不自然な環境が、本来あるべき人間の健康を妨げていると思いませんか。

2006年03月06日

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)が効くかしら

私は元々陽虚体質(体が冷えている)で、人様が寒いと思わない温度帯でも寒さを感じる内寒(体の中に冷えがある)があります。
それに、生まれたときからのアレルギー体質で、喘息の持病もあります。
要するに、虚弱体質で、特に薬物アレルギーになりやすく、アレルギー性鼻炎でもあるし、花粉症のシーズンの春が一番アレルギー度が高くなります。

ここに来て、口の周りが乾燥して皮がむけてくるし(胃陰不足?)、ゲップとオナラが出るようになってお腹は膨れるし、食欲もあまり出てきません。
最初は胃陰不足ということで『虚』の状態といわれ、麦門冬湯(ばくもんどうとう)で補っていたのですが、だんだんこれは『虚』ではなく『実』なのではないかという症状になってきてしまいました。

不足しているなら補わなければなりませんが、『実(正気と邪気が戦っている状態)』なら、補うのではなく反対に瀉さなければなりません。
瀉とは余っているものを取り除くという意味です。

心下痞(みぞおちのつかえ)があるため、相対的に上の方は暑さを感じやすく、それなのに下の方(脚部分)は寒さを感じるといった状態なので、『半夏瀉心湯』が効きそうな気がしました。
漢方薬局でそれを手に入れ、只今お試し中です。

ひどいゲップ状態はおさまってきて、食欲も戻りつつあります。
これで、お腹の脹りがなくなってくれば、ドンピシャッだったことになります。

もし、この記事を読んで『半夏瀉心湯』を試してみたいと思われた方がいましたら、薬局に相談なさってください。
中医学における『証』が合っていなければ、効くとは限らないのですから。

2006年02月28日

薬膳ではなぜ基本的に皮をむかないか

初めての実習の時間は、岡本先生の山芋の入ったお粥でした。
山芋をよく洗って、皮のついたまま角切りにしたものを入れた白粥でした。
山芋は煮ると、ほくほくして、生で食べるのと違ってとってもおいしいんですよ〜。

それがすっかり気に入ってしまい、うちの週末の朝御飯にはよく登場します。
お米からではなく、簡単にご飯から作るので、正確にいうと雑炊ということになりますが。

山芋の髭根の部分は、「気になるようなら、ガスの火で焼いて」と先生はおっしゃっていましたが、それほど長くもないので、家ではたわしで良く洗ってそのまま入れてしまいます。

このときの授業でも、皮をつけたままだと農薬が気にならないかという質問が出ました。
先生の意見は、気になるようなら皮をむいてください、ということでした。

でも、りんごにしろ人参、大根にしろ、無農薬もしくは減農薬のものを使って、皮も基本的につけて料理したほうがアレルギーには効くと私は思います。
もし、皮をむいてしまったりんごや人参をそのまま置いていたら、腐ってしまうでしょう?
皮があることで、実が腐らないように防御しているのです。

中医学では、体表に衛気(えき)という体を守っている気(運動エネルギー)が流れていて、外邪から防衛していると考えています。
アレルギー体質の人は、衛表不固(衛気の機能低下)になりやすく、腠理(いわゆる毛穴)の開閉がスムーズにいかずに人が汗をかいていないときでも、一人だけだらだら汗をかいたりすることがあります。

以臓補臓の考え方からすれば、体表の防衛力不足には皮を食べるのが望ましいのでは、ということなんです。
それに、草根木皮みな薬。
中国人の先生たちは、「日本人は、くすりになる部分をゴミにして捨てている」と、よくおっしゃいます。

2006年02月08日

マクロビオティックは中国陰陽の思想ではないの?

先日、マクロビオティックのお弁当を食べたりしたので、何だかマクロビオティックが気になって、以前買った本を読み返してみました。
それは、チャヤが作ったお料理で、久司道夫さんの記事>が掲載されたものでした。

それによると、

遠心的な力は「陰」で求心的な力は「陽」

甘いもの・酸っぱいものは「陰」で、塩辛いもの・苦いものは「陽」
とあります。

んんんん、我々が習った五味の陰陽とは違う。
あわてて、確かめるべく、
「中医基礎理論」の本を開けます。

辛、甘、痰属陽、酸、苦、鹹属陰。

酸、苦は陰と書いてあります。
(簡体字では、陽はこざとへんに日、陰はこざとへんに月です。比較的わかりやすいですよね。)

マクロビオティックの陰陽の考え方は、中国のものとは違うようです。
友だちも、薬膳を勉強する前にどこが良いか探していて、本草薬膳学院にてお話をうかがったときに、やはりマクロビオティックの考え方は中医学とは違うとおっしゃったそうです。

薬膳は、食物の陰陽より、五味(酸・苦・甘・辛・鹹)や、四性(寒・熱・温・凉)、それに昇降浮沈(その食物が人間に発散作用を起こさせるものか、沈降作用を起こさせるものか)の方を重点的に考えます。
その辺も、マクロビオティックとは異なるところです。

そういえば、薬膳の最初の実習のときに、岡本先生(北京中医薬大日本校の講師)が、
「マクロビオティックを勉強してきた人が薬膳を勉強しに来て、陰陽の話をしたら、『マクロの考え方と違ってます!』 と、言われちゃったんです。」
と、おっしゃっていましたっけ。