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2012年10月20日

しあわせ栗ご飯

四万十甘栗ごはん今年も、四万十甘栗を使った栗ご飯です。
シーズンに一度は食べねば。

で、ゴロゴロふんだんに入れました。
家庭料理だからこそ、贅沢に。
とはいえ、栗だらけでご飯を食べているのか、栗を食べているのか。

栗は、甘/温で健脾補腎、強筋活血、滋補。
味のよく似たさつまいもは、健脾益気、解毒利尿、強腎陽。
作用も似てるけど、微妙に違う。
栗は、あくまでからだを補ってくれて、さつまいもはさらに薬のような作用を持つ、ということでしょうか。

四万十甘栗は、大師栗といわれる栗を親に持つありがたーい栗です。
一つ一つ噛みしめながら、いただきまーす。

ちなみに、お米は『どまんなか』。
コシヒカリとササニシキの良いところだけを受け継いだ品種だそうですが、最近は『はえぬき』の方が作りやすくておいしいと、どまんなかの作付けは激減しているのだそうです。

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2012年02月04日

揚げ物には梅ごはん

梅ご飯夕飯はトンカツにしよう。
ん、だけど最近しょっちゅうトンカツ作ってない?
ンー、油っぽいのも嫌だから、そうだご飯は梅ごはんにしよう!

ということで、くずれ梅干しをゴロゴロいれた梅ご飯でございます。
油ものには酢っぱいものを添えると消化が良くなるので、フライ系にはレモンが添えられていることが多いと思いますが、私はよくカツに練り梅を塗って揚げることがあります。

塗りすぎて何だか酸っぱいトンカツになることもありますが、本日はご飯そのものに梅をたくさん混ぜこんだもの。
作った後に調べると、梅ゴハンというと炊き込むタイプが多いみたい。
それに、梅干し二つとか梅の分量はそれほど多くないから、香りはするけれどあまり酸っぱくはないんじゃないかなあ。

作るときに見ていた夫が、「そんなに梅いれるのお。もったいない。」なんて言ったくらい、私の梅ご飯は梅だらけです。

でもね、食べた夫が、「うーん、食欲がすすむ! 」と言ったほど海苔で巻いて食べると美味しかったんですよ。
ご飯を炊くときに根昆布末を入れ、美味しさをプラス、かつ軟堅散結(体の中のかたまりを軟らかくして取る)を狙って癌予防してます。

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2011年06月14日

インスタントに黒坦々麺

黒い坦々麺平打ち麺を使った、インスタントに作る黒胡麻の坦々麺です。

国産黒ごまペースト
玉締め絞り胡麻ラー油
めんつゆ
を、ラーメン丼に適宜入れ、

スープは、ナチュラルハウスの和風ブイヨンと中華ブイヨンで、
具は小松菜としいたけとネギ。
シンプルですが、胡麻ラー油をどっさり入れると生姜やニンニクペーストが効いて美味しいです。

かつおだしで作る坦々麺は、辻調の吉岡先生が『あと味すっきり坦担麺』というレシピで本に書かれていますが、和風だしでもイケル味ですよ。
血を養う胡麻、湿を取り去る唐辛子で、蒸し暑さを吹き飛ばしましょう。

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2011年04月18日

きのこのペペロンチーノ

ペペロンチーノ柚子こしょうペペロンチーノ自体はオリーブ油と唐辛子だけで、パスタを和えるのできのこを入れたらペペロンチーノと言えるのかどうか。
というのは、さておいて。

原子力発電所の放射能汚染の影響で甲状腺腫を予防するためには、海草が良いというニュースが流れたとたん、スーパーからワカメがなくなりました。
海草って、ワカメだけじゃないんですけどねえ。。。

中医学的には海のものは五味のうちの鹹(かん・塩辛い)にあたるものが多く、腎を養うけれど食べすぎると腎を損なうといわれております。
鹹の作用としては、散堅軟結、結は結集するの意味で体の中の塊、要するに腫瘍などを柔らかくして散らす効果があると考えられています。
ですから、腫瘍の治療にも予防にも、効果的なのは海草。
それと茸(きのこ)です。

霊芝が癌に効くとうわさされているように、茸類全般(おそらく胞子が関係していると思われます)がお薦めされています(中医学のセミナーで習いました)。

それ以来、もともとキノコ好きということもあり、せっせ、せっせとキノコは食べているですが、ときどき何種類か食べ損なって残っているときには、このペペロンチーノをよく作ります。
ただ、唐辛子を入れるだけではなく、完熟した柚子を使った『赤い柚子こしょう』を使うと、
バッチリ!、ピリッと辛いだけではなく、柚子の香りと柑橘類独特のすっきり感で、オイリーさも気にならなくなります。
さらに、仕上げにヘンプ油(おお麻の実の油。麻子仁を絞ったもの)をかければ、さらにヘルシーで木の実の香りも加わります。。
最後にたっぷり海苔を散らして.....ああ、極楽、極楽。
(写真を撮るために、海苔は控えめにしてます。いつもは2枚の焼き海苔をくしゃくしゃ揉んでます。)

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2010年05月17日

夏みかんの皮の砂糖煮(今シーズンは4回も)

夏みかんピール1夏みかんピール2はたまた、母から
「田舎から夏みかんを送ってきたわよ」
と、声がかかりました。
母のすぐ上の姉宅から送られてきたのが第一弾、まもなく一番上の兄宅からも夏みかんが送られてきて。。。

消費の手助けをするべく、今シーズンは4回もピールを作ってしまいました。

夏みかんのわたの白い部分を使ったピールは、中医学的には橘白(きっぱく)といいます。

1年にそうそう何回も作る訳ではないので、作り方をマスターしていなかったので、今シーズン初めに作ったのは砂糖をひかえすぎ、2週間で黴を生やしてしまいました。
最初の写真で、飴色を通り越し、サンザシの砂糖煮かとみなごうばかりのピールは、2回目に作ったもの。
それと一緒に写っているのが3回目のもの。
そして2枚目の写真が4回目のもの(煮てざるにあげたばかり)です。

2回めは、煮過ぎてしまい、柔らかすぎて夏みかんの味があまりしません。
要するに煮ればいいのよねえ、と普通に煮るときのように材料がかぶるくらいの水を入れたのが敗因です。

3回めと4回めは、全く同じ作り方をしています。
タイトルですでに察した方がいらっしゃるかと思いますが、佐藤雅子さんの『私の保存食ノート』の煮方を参考にしています。
(私のは55年版ですが、友人のはお姑さんからいただいた初版本だとか。すごいわ!!)

3回に分けて砂糖を入れ、蓋をしながら、ときどき箸でひっくり返し(本では鍋をゆするくらいで箸は使わないとあります)、3回めは蓋を開けて煮て水分をできるだけ飛ばしました。

本と異なるのは、ピーラーで薄ーく皮を剥き、タップリの熱湯を注いで蓋をし、お湯が醒めたらこぼす、ということを2回やりました。
苦みの成分はデトックス効果がありますので、耐えられる程度に苦みは残すのが薬膳的かと思いまして。。。
とはいえ、苦くて夏みかんの味がプハーッとするのが好き、ということもあります。

できあがったピールは、非常に私好みにプリプリして、5〜6本食べた後の口中はミントを口に入れたときに似て、さわやかに香ります。

よし、夏みかんの砂糖煮マスターした!!

(日にちが立つと夏みかんの水分がどんどんなくなり、シナーッとなります。だからピーラーの刃が立たない部分ができまして剥き残った部分があります。)
(3回めと4回めの写真の色がずい分と違うのは、3回めは普通の電球の下で、4回めは蛍光灯の下で撮ったからです。)

<参考記事>
夏みかんのピール
ピールはわたの部分で作るのよ

2009年06月09日

シトロンパウンドケーキ

シトロンパウンドレモンピールを作ったときの一番外側のつるつるした皮を刻み、夏みかんのピールを2/3個分もぎっしり入れたパウンドケーキです。
手作りせっけんで、グルグルかき回しているので、卵白を泡立てる気力がなく、ただパター・砂糖・卵・小麦粉を混ぜただけのものです。
だから、ふっくらとふくらんだ高さが足りません。

でも。
焼き立てが、特においしいんです。
自分ではフィナンシェかと思ったくらい。
アーモンドプードル(アーモンド粉)は入れていないのにね。

<関連記事>
夏みかんのピール
夏みかんピールとクリームチーズのパン
ピールはわたの部分で作るのよ

2009年06月05日

ベビーコーンのヒゲ入りご飯

ベビーコーンベビーコーンのご飯薬膳でとうもろこしご飯といえば、定番のひげ入りご飯です。
この季節、大きなトウモロコシを収穫するために摘果するので、ベビーコーンがベジタ(大地を守る会の野菜パック)に入ってきます。
ちゃあんとした大きなとうもろこしのヒゲも軟らかなところは、もそもそしないので、一緒にご飯に炊くことができますが、やはり今はベビーコーンです。

水分を含んだ赤ちゃんとうもろこしの周りに、ベッドのようなやわやわのクッションひげ。
このひげ部分は、中薬の玉米鬚(ぎょくべいしゅ)

湿度が高くなり、体内の水分をうまく排泄できなくてむくんだりしたときに効果を発揮してくれます。
漢方薬屋さんで、「浮腫みがひどいんですが」というと、乾燥した南蛮毛(なんばんげ)を出してきます。
フレッシュだとしなやかで絹糸のようですが、乾燥すると茶色の髪の毛のようになり、だから南蛮毛です。

今回は、ベビーコーンにしめじも混ぜて。
5つはごはんに、1つはスープに入れてみました。
とっても軟らかいので、スープにも結構イケマス。

2009年05月15日

ピールはわたの部分で作るのよ

皮つきピール<br />
<関連記事>夏みかんのピール

母も友人から作り方を聞いたのですが、母からピールの作り方を聞いたとき、白いわたの部分で作るのよ、と言ってました。
でも、ネットで検索すると、わたの部分は苦いので、こそげとる、なんて記事が多く、はて?外皮つきで作るレシピもありかしらと思いました。
薬膳の考え方からすれば、外皮の部分もわたの部分も網めの部分も種さえも、くすり。

本来のピールはどうなの?

調べていてもよくわからないので、自分で試してみることにしました。
ベジタ(大地を守る会の野菜の宅配)に入っていた1個の夏みかんで、外皮つきのまま前回と同じように作ってみたのがこの写真です。
八つ割りで作り、まだ温かいうちに一つ味見をしてみましたら、これってナツメを煮たときみたい。
皮と実との固さのギャップがあります。

ところが、できたてはまだギャップ程度だったのですが、乾燥させるため放置していて2日後に味見をすると...
つるつるした外皮にはシロップがまだ残っている状態だったのですが、もういけません。
外皮はたべられるどころの状態ではなくなってしまいました。
固いのなんのって。

これで、私は身をもって、『ピールは外皮を薄く剥くべし』、を実感いたしました。
よーく考えてみれば、市販のピールに外皮なんてついてないですねえ。

むか〜し購入した佐藤雅子さんの『私の保存食ノート』に目が止まり、開いてみると、

ピールは皮の部分で作るとお思いの方がいらっしゃいますが、白いわたの部分でつくるのです、

と、ちゃあんと、書いてある。

それに、砂糖なしのコーヒーで夏みかんの砂糖煮を食べるのが好きです、とも書いてあります。
うん、うん、そうなのよ、私も一緒。
ピールを一口、口に入れてコーヒーを飲むと、口の中にかぐわしいみかんの香りがひろがって、オレンジのコーヒーを飲んでいるような錯覚を覚えます。
<関連記事>水出しコーヒーその後


2009年05月02日

夏みかんのピール

夏みかんピール<br />
田舎から夏みかんが送られてきたわよ、と母からお知らせが。
いつもだったら、そうなの〜...ピール、作って〜
と、頼むところです。

学校にいっているときは、授業があるときは祝日なんてありませんでした。
中国人は、よかれ悪しかれ日本の祝日は気にしないので、祝日だから授業をはずすなんてことはありません。
だから、3年間、私にはゴールデンウィークはなかった。は〜。

今年は、久々のゴールデンウィーク、面倒なピールも作る気、あり。
皮の8割から同量の砂糖に、さらにまぶすための砂糖が入るので、ピールが純然たる薬膳かどうか、ということは気になさらず。
滞っている気をめぐらすのが大得意の柑橘の皮をお茶受けにして、ここは久々ののんびり気分を楽しみましょう。

みかんは、乾燥した皮部分、内側の白い部分、袋の網の目状の部分、種子、葉っぱと、すぺて中薬です。
ピールに使われる白い部分は、橘白(きっぱく)と呼ばれ、陳皮のように、痰を乾燥させて散らすのではなく、脾胃の湿をとるのにすぐれています。
もちろん、陳皮と同様に体を温める効果があります。
オレンジ色の皮の部分だけだと橘紅(きっこう)と呼ばれ、陳皮は橘紅と橘白が含まれます。
橘紅は一番外側の部分ですから、発散する効果が高く温める力も強い。
その内側の白いわたの部分は、胃の調子を整える。
う〜ん、みかんの成り立ちというか、みかんが自分自身を守っている効果が、人に対しても同じように発揮されてますねえ。

このレシピは、母が友人から聞いたレシピで作っています。
一番面倒だったのは、ピーラーで薄く皮を剥くところ。
後は、よくある茹でこぼしではなく、熱湯を注いでさめるまで待って(さめるのに1時間ぐらいかかったかな)こぼします。
それを3回やったら、砂糖を入れて透明感が出て糖液が少なくなるまで煮ます。
ざるにあげて乾燥させてから、砂糖をまぶす。

大きな夏みかん4個分を八つ割りにし、糖液で煮る前に測った重さの8割程のきび砂糖をいっぺんに入れました。
いっぺんに入れると皮が固くなると書かれているページもあったけれど、意外と柔らかく適度な苦みで、なかなかイケル。

熱湯を注いでさめるまで待つのは、時間がかかるけれど、作業する時間がかかるわけではないし、ただ他のことをして待っていればいい。
酵母のパンを作るときのようで、私向き。


2008年06月18日

口臭のための薬膳

昨日の薬膳の授業は、口臭のためのメニューでした。
弁証のタイプは、
1. 胃熱(胃に熱があり、口渇があって口の周りに吹き出物が出たりする)
2. 食滞(食べたものが不消化を起こしていて腐臭)
3. 肺熱(肺に熱があって生臭い息)
(虚熱タイプは少ないのであまり考えなくてよいということで、一番多いタイプがこの三つとのこと。)

この中で、胃熱や肺熱に効くメニューとして、芦根または葦茎を煎じてお茶としていただくか、お粥にするというものがありました。
芦根はアシの地下茎、葦茎はアシの地上茎です。
イグサのような香りがします。

煎じただけで飲めるお茶の方が手軽だし、お粥にするのが面倒なのに、中国薬膳ではしばしばお粥が登場します。(お粥にするときは、煎じ汁を入れてお粥を炊けば良い)
漢方薬の基本は湯薬(つまり煎じ薬)なので、それに近いスープやお粥に仕立てられることが多いのですが、さて、お粥にするメリットは?

温かいものをいただいて、発散させ、薬の効能を行き渡らせるということらしいのです。
ですから、お粥は朝一番に、いただくのが良いと。
この芦根のお粥は、弁証が合っていれば5回食べれば効くそうです。
5回食べても効かないようなら、それは弁証が違っていたということ。
いずれにしても、5回までにしてくださいという指示付です。

口臭のための薬膳で他のものとしては、
桂花(キンモクセイの花)茶がありました。
桂花と一緒に、紅茶か緑茶、または烏龍茶を入れ、沸騰したお湯を注いで10分蒸らします。
美味しいのは紅茶ですが、食療という点を考えると、最も口臭に聞くのは緑茶(竜井茶が一番合うと思います)です。
葉緑素やヴィタミンCが入っているので、口臭にはベスト。
でも、ちょっぴり飲みにくいと感じる人もいるかもしれません。
そういうときは、烏龍茶もしくは紅茶に変えて試してみてくださいませ。

桂花を口臭の薬膳に用いるのは、臭いを芳香のあるもので相殺しようということらしいです。
この理論からすると、アロマでトリートメントするのも、あり、ということになりますね。

2008年03月10日

梅ジャムで梅ドリンク

梅ドリンク<br />
冷凍梅1kgというのを注文していたのが届きました。
ここのところ、クロテッドクリームとジャムをトーストに塗って食べるのがお気に入りなので、この梅でジャムを作りました。
冷凍梅1kgに蜂蜜800gというところを、蜂蜜600〜700g(何せ目分量なもので)で作りましたが、梅の果肉たっぷりのドリンクにするにはちょうど良い甘さ。
でも、もし本来のジャムにするなら、やはり800gは必要かと。
トーストに塗ったら、あまり甘くはありませんでしたので。

作り方は、たっぷりの湯で梅が柔らかくなるまで茹で(わりとすぐです)、ざるに上げてお湯を切ります。
鍋に梅を入れて、ポテトマッシャーでつぶしながら、種をポイッ、ポイッ。
これに、蜂蜜を加えたら、弱火で20分かき混ぜながら煮るだけ。

本当は、ポテトマッシャーでつぶすなんて書いてはあったのではなく、ちゃんと裏ごしするとあったのですが、そんな面倒なことするほど時間の余裕がありませんでした。
しかし、マーマレード的に考えれば、形が残っているものも結構イケてますよ。

できたての梅ジャムをたっぷりに熱湯を注いで、梅ドリンクの出来上がり。
甘ずっぱ〜い! 疲れがとれていくような。

ご存じのように、梅にはクエン酸がたっぷり含まれており、生物の有酸素代謝回路であるクエン酸回路(クレブス回路)の構成物質です。
中医学的には、「緑萼梅」で花の部分が使われており、胃痛、食欲不振、疏肝和胃、気機を通暢させる働きがあるといわれています。

日本では、民間で青梅から作った梅エキスが、胃腸の調子を整えるのに用いられていますし、ご飯の腐敗を防ぐのに梅干しを入れますね。
このジャムを作った翌日、めずらしく胃痛を起こしました。
平胃散を飲んだのに、効いて来る気配がしません。
これは、解毒する必要があるかと思い、常備している梅肉エキスを大さじ1杯ほどと、この梅ドリンクをさらに飲みました。
ほどなくして、効いてきましたよ〜。


2008年02月04日

茯苓やハトムギ入りのスコーンなんてどうかな

スーパーで見かけた中沢のクロテッドクリーム。
イギリスで食べたものより、トロ〜ッとしていて液体っぽいのがたまにきずだけれど、気軽に買えて楽しめるのは良いですね。
トーストしたパンにクロテッドクリームとマーマレードを載せて食べると、至福のひととき。

でも、
やっぱりスコーンにつけて食べたい。
しかし、私はベーキング・パウダーを使わない主義。
それを使わずして、膨らますためには卵の分量を増やしたり、天然酵母を使ったり。

写真の本は、天然酵母のパン作りを習っていたときに、半ば先生に強要されて買ったもの。
実際、教室でいただいたスコーンは、
『ふーん、BPなしでもスコーンが作れるんだ。でも、このスコーン、バリバリしていて、これはこれでおいしいけど、私はふんわり系のスコーンがいいな。』

それ以来何回かスコーンに挑戦しましたが、これぞ、というレシピには出会わず。
冷蔵庫で寝かせる訳は、常温もしくはそれ以上に温度を上げてしまうと、生地のバターが解けてしまってパイのような触感がなくなるからだと思うのですが、その反対をすればふんわりになるかと思いきや、なかなかうまく作れません。
膨らますためにはグルテンの多い強力粉を使った方が良いのですが、パンを食べているようになってはスコーンの位置づけがなくなるし。

薬膳的に作るとしたら、茯苓ハトムギを粉にして小麦粉に混ぜたり、レーズンやカランツの代わりに、クコ龍眼ナツメを入れるのも良いですね。
でも、これはあくまで想像の産物。
私は、プレーンなスコーンにクロテッドクリームを塗るのが好きなので、たぶん実際にこれを作ることはないでしょう。

2007年12月17日

スイスハーブキャンディ Ricola

Ricola<br />
以前薬膳の授業で、ハッカ飴を作ったこともあり(といっても、私は覗きにいっただけ)、喉がイガイガするときにはハッカの清涼感が効くと思っています。
ご存じの方は、昔から知ってらっしゃるようですが、私はこのリコラハーブキャンディを最近知りました。
最寄りのスーパーで市販されており、たいしたものが置いてないと思い込んでいる私としては、あら、良いものも置いてあるのね的でした。
この写真は、ソニープラザさんのサイトのものを拝借いたしました。
最寄りのスーパーでは、ハッカのものしか置いてありませんが、シュガーレスタイプやレモンミントなどいろいろなバリエーションがあるようです。

人工的な物が嫌いなので、砂糖入り歓迎ですが、原材料には、いきなり砂糖と書いてあります。
飴なんですから当然ですが。
そして、水飴、13種のハーブエキス、メントール、ペパーミントオイル、カラメル色素
と、続きます。

ハーブの中身は、
リブワートブラインティン(へらおおばこ)、 マーシュマロールート(ビロードあおい)、 ペパーミント(西洋ハッカ)、 ヤーロー(西洋のこぎり草)、 タイム(たいじゃこう草)、 セージ(薬用サルビア)、 レディスマントル(にがよもぎ)、 カウスリップ(きばなのぐりんざくら)、 エルダー(西洋にわとこ)、 バーネット(われもこう)、 コモンスピードウェル(ひめるりとらのお)、 マーロー(はいあおい)、 ホーハウンド(いぬごま)

西洋と東洋では、自生する植物が異なるので、これらの訳がうまくつけてあるなと感心します。
中薬と対応させられるのは、おおばこ(車前草)、ペパーミント(薄荷)、エルダー(接骨木)、バーネット(地楡)
でしょうか。
でも、無理して対応させており、同じものではありません。
バーネットも、おそらく葉か全草を使っているのではないでしょうか。
中国では地楡の根っこを使います。

このキャンディ、なかなかナイスな味です。
嫌味が全然なく、す〜っと喉を通っていく、だけどちゃんと喉飴の役目を果たしていて、変な添加物が入っていない、自然な加工食品を探すのって大変なんですよね。

<関連記事>
薄荷入りの飴は固まらなかった

2007年12月13日

当帰生姜羊肉湯(古典的薬膳)

中医営養学の授業で、金匱要略に記載されている当帰生姜羊肉湯のレシピが出てきました。
でも、かな〜り現代版にアレンジされてる模様。

材料:当帰20g、生姜30g、羊肉500g、紹興酒大さじ3、塩小さじ2、胡椒少々
作り方:
1.羊肉は2cm角に切り、沸騰した湯に入れ白くなったらいったん取り出す。
2.鍋に羊肉、当帰を入れひたひたに水を入れて強火にし、スライスした生姜と酒も加え、沸騰したら40分煮込む。

この作り方は、おそらく写真の「中医営養学」に載っているのではないかと思います。
授業のプリントとして提出されたので、本の中に記載されているのを確認していないのです。
このレシピだと、現代のスープとしていただいてもおいしいのではないでしょうか。
残念ながら、角切り羊肉をスーパーで気軽に手に入れることはできないので(ラムチョップやスライスなら手に入る)、再現していません。

原文がどのように記載されているかというと(ネットで参考にしました)、

寒疝腹中痛、及脇痛裏急者、当帰生姜羊肉湯主之。

当帰三両 生姜五両 羊肉一斤
上三味、以水八升、煮取三升、温服七合、日三服。
若寒多者、加生姜成一斤、痛多而嘔者、加橘皮二両、白朮一両。
加生姜者、亦加水五升、煮取三升二合服之。

中国での「両」は50gのようですので、1斤は10両だから500g。
当帰150g、生姜250g、羊肉500g
で、8升の水を3升になるまで煮詰めて、420ccずつ1日3回飲むとしても、4日分しかないんですね。
しかし、当帰150g、生姜250gじゃ、この煎じ液は生姜のピリピリと生薬を煮詰めた濃い味で、恐ろしい味がするに違いありません。
やはり、これは薬膳なんてものではなく、漢方薬としかいいようがありません。
寒さによる疝痛や脇痛など、痛みを止めるための漢方薬なんですから、効果を出すためにはこのくらいの分量が必要なんでしょう。

2007年11月15日

核桃仁(くるみ)の蜜がけの缶詰

核桃仁<br />
黒龍江中医薬大学の研修旅行のときに買ってきたくるみの蜜がけの缶詰です。
缶詰だから持つだろうと、いまだ食していません。

自分で作ったときは、失敗失敗でしたが、友人が言うには、胡桃を最初に飴がけにしてから揚げると簡単だとのこと(どうやら簡易版で作るらしい)。
せっかく教えてもらいましたが、いまだ試していません。
やる気になるには、自由時間がたっぷりあると感じられる余裕がないとダメだから。

こんなナイスな食べものが、日常で売られているなんて、さすが中国。

<関連記事>
くるみの蜜揚げ(比較的簡単にできる作り方
くるみの蜜煮揚げ(時間のかかる作り方)
くるみの揚げもの一変化
くるみの揚げもの二変化

2007年11月01日

りんごと柿の甘酢(薬蜜で)

りんごと柿の甘酢<br />
ナツメ蜜<br />
黒龍江中医薬大学のスーパーで買ってきたナツメの花の蜜を使って、季節柄、りんごと柿の甘酢にしてみました。
蜂蜜は、滋陰効果があるけれど、ナツメの蜜なら気も補えそう。

さすがに柿の皮は剥きましたが、リンゴは低農薬なので皮付きのまんま。(大地宅配のすばらしくおいしい紅玉です)

薬膳では基本的に、皮は剥きません。
皮の部分には、りんご本体を守る衛気があるので、それを摂取する人間も衛気を補える。
体の防衛力を高めるには、皮つきが一番、漢方薬自体、草や根っこ、木の皮などを使ったものが多いことだし。

ナツメ蜜だけ、ちょっと味見したときは、普通の蜂蜜とそれほど大差ないように感じたのですが、カボスをぎゅっと絞って、米酢を少々足し、ナツメ蜜をたら〜りとかけたら、あらおいしいじゃないの。
こんなところで、味に差が出てくるんですねえ。

2007年09月20日

梨水(梨を水に浸けたもの)

消渇(糖尿病)の薬膳でのこと。
梨は肺陰を補うのに適した果実ですが、

食べやすいようにスライスした梨を水に半日浸ける

という薬膳が選ばれていました。
作っている最中も、皆口々に、
「そのまま食べた方がおいしいと思う。」
「水に浸けちゃったら、梨は味がなくなりそうだし、水も薄甘になるだけなんじゃ。」
と、不評の嵐です。

先生も内心は、そう思っている様子でしたが、経験方として出したらしい。
水や氷は薬膳の教科書にも載っているくらいで、他の食材と同列に考えているところが中医学のおもしろいところ。
梨を食材にしても、火を入れるのではなく、水で調理する。
梨の持っている性質を引き出す料理かもしれません。

滋陰する梨に、さらに清熱も加えるといった感じでしょうか。
1時間ほど浸けておいた梨(授業では、半日は無理)を味見すると、梨はまだ味が残っていて、水の方には梨の味が少し移っておりました。

画像がないのは、おいしい梨を実験台にして、わざわざまずく食べたくない思いが強く出たため。
それに、私の証には合ってないし。

興味が出た方!
お試しあれ!
糖尿病で、口渇がひどい方にお薦めです。
梨から出たお水の方が重要なんだそうですよ。
もちろん、梨も食べるんですけどね。

2007年08月02日

瘀血のときの鶏料理

瘀血中薬<br />
瘀血鶏<br />
中国で、食養で使う肉としては鶏が王様らしい。
気を補う肉として黄耆と一緒に煮込んだりしますが、今回は瘀血を取るための中薬と一緒に煮ています。

使ったのは、益母草紅花玫塊花です。
この料理のもとになったのは、たぶん「中医食療法」だと思いますが(家にあるはずなんですが、見当たらないので)、玫塊花ではなく月季花がオリジナルレシピです。
玫塊花はハマナス、月季花はコウシンバラで、それぞれバラの原種ですが、コンシンバラは学名にキネンシスと入っているので、中国が原産ということですね。
ガクが長いのが〇〇で、短いのが〇〇と先生が説明してくださったのですが、ごめんなさい、忘れちゃいました。

授業では、煮込みといってもスープのような感じで、中薬たちがスパイスのような効き方をしていて、料理のおいしさをアップしていました。
写真の状態だと紅花の入れ過ぎです。
紅花はとっても軽いので、電子ばかりで測っていて1g入れようとしていてこの分量になってしまいました。

授業では、煮込みの煮汁が赤くはならなかったので、紅花を控えめにして、玫塊花少量、益母草適量で煮るといいのではないかと思います。
煮るといっているのは、食材に対して浸るくらいの水を加えるため。
スープだったら、水の量が多いでしょう。

味付けは、お酒、塩、砂糖少々(この場合は黒砂糖がよろしいとのこと)で、醤油は入りません。
薄味の方がおいしい。(写真の料理だと濃い)
中薬を入れることによってまずくなるのではなく、入れることで体にも良くって料理も引き立てる、そんな料理ができることがありますが、この料理がまさしくそれ。
授業では、鶏ではなく、烏骨鶏でしたので、見た目にも薬膳〜してました。

2007年06月14日

杏仁アイス

杏仁アイス<br />
うっひょー!
杏仁大好き人間の私には、嬉しい杏仁の味がストレートに味わえるアイスクリーム。
といっても、途中で何回か、かき混ぜるなんてことをしていないので、シャーベットのようなアイスクリームです。

牛乳、卵黄、生クリーム、砂糖に、甜杏仁パウダーを適宜入れ、冷やして食べるだけ。
陽虚で、脾気虚だけれど、夏の時期だけは許せるよね、と自分を甘やかしつつ。

この甜杏仁パウダーは、いろいろなものに使えて便利ですが、友だち曰く、
「焼き菓子にすると、香りは結構飛ぶよ。」とのことです。
お湯を注ぐだけのお茶なら、香りが際立つだけで飛びはしないけど、やはり長く火を入れるといけないのでしょうね。

甜杏仁パウダーの関連記事

一押し甜杏仁パウダー
杏仁茶(乾燥した季節に肺のために、それに便秘によい)
甜杏仁パウダーを使った杏仁豆腐
杏仁ミルクキャラメル

2007年06月11日

茴香飯(フェンネルライス)

茴香飯<br />
薬膳の授業でやったのは、栗ご飯に茴香の粉末を入れたもの。
私はそれを味見していないのですが、フェンネルパンは作ったことがあっても、ご飯にフェンネルが合うのかどうか。
味を見た人からは、「おいしかったですよ」という評でしたが、やはり自分の舌で確かめなくては。

それで、栗は季節はずれなので、フェンネルだけを入れることにしました。
先生は粉末にしないと、とのことでしたが、なあにパンにそのまま入れるくらいなんですから、ご飯にもそのままでオーケーでしょ。

私はこの上に、スパイシーなドライカレーを乗っけました。(スパイシーといっているのは、ネパリバザーロのチキンマサラを使ったため、お肉は豚でしたが)
ライスに入れたフェンネルとの相乗効果で、とびっきり複雑なお味でしたよ。
夫は、口の中がスースーするといいましたが、フェンネルにはちょっとそんな感じがあるかもしれませんね。

フェンネルは、中国では小茴香(しょうういきょう)といい、大茴香は八角、つまりスターアニスのことです。
小茴香は体を温め、気を巡らす働きがあります。

2007年06月07日

薬膳の行方

最近の授業は、薬膳は料理としてではなく、療法の一つとしてという方向に向かっているような気がします。
薬膳というと、料理か、医療か、という『食』と『医』の中間にあるわけですが、一般的な日本人が考える『薬膳』は、体に良いおいしいもの(ひょっとして、体には良いけど薬臭いとか思っている人もいるかも)というイメージが多いのではないでしょうか。

病気とまではいかないまでも、健康だとははっきりいえず、何かと不調を抱えている、そんな人にお薦めの食事、それが薬膳ではないでしょうか。
『未病(まだ病気とはいえず状態のこと)』を健康に導く、そんなお食事、それがおいしかったら、誰でもいただきたくなるというもの。

しかし、『食療』といわれる、『已病(すでに病気の状態)』に対する食事は、かかってしまった病気を治すために、薬を入れた料理が多くなります。
食品だけで作られる料理は副作用がないので、長い間食べることができますが(ただし偏食はだめよ)、中薬の入ったものは症状などに合わせているため長く食すことはできません。

逆にいうと、すでに病気でその症状に効果的な食事をするためには、中薬が入っていないと効果を発揮するのはむずかしいし、食品だけの料理では長く食べることができる反面、症状をとるには時間がかかるということです。

病気の人は西洋薬を飲んでいる人が多いし、その補助的な食事ということで『食療』は考えられています。
中西結合(中国医学と西洋医学の合体)を意識する現代中国では、昔ながらの伝統医学である中医学の知識を西洋的な実験やその食品の成分などを明らかにして、伝統的な学問の裏打ちをしようとしているようです。

ですから食療を学ぶにあたり、西洋医学の知識が多分に入ってきます。
中国ではできるのでしょうが、西洋医学の補助としての薬膳て、日本ではむずかしいような気がします。
病院の食事などは、栄養士の方が西洋的な知識を使ってメニューを作成しているわけですし、入院はしていないけれど病気の人に対しての食事指導に、中薬の入ったメニューを教えても、それを実行に移せる人がどれだけいることか。
まして、薬剤師でなければ、一般人が中薬の入った料理を教えたら、薬事法にひっかかる中薬がいっぱいあるのではないでしょうか。

だいたい、薬膳に良く使われる中薬以外は、おしいくないものが多いので、病気でない人には受け入れにくいものが多いし、おいしくなければ薬膳ではないと習った私には、体には効くかもしれないけどおいしくないものは食指が延びません。
おいしいものというのは、それだけで脳が受け入れ態勢を作るので、体にもスムーズに取り込まれる、そこのところが一番大事なことです。

2007年06月06日

茯苓を入れた月餅

茯苓月餅<br />
茯苓(ぶくりょう)を粉にして、小麦粉と合わせラードも入れてサクサクにした皮に木の実の餡を入れた月餅です。
簡単に包んでしまったので、形が月餅らしくないかもしれません。
餡を入れた後に、お月さまの形にすれば、それらしくなるでしょう。

このレシピは数カ月前の薬膳の授業のもので、すでにこの月餅を食した人たちには評判が良かったものです。
私は、このときは例によって別の授業に出席していたので、実習に参加できませんでした。
プリントはしっかり確保してあったので、再現したものです。

茯苓粉と小麦粉にラード少々のかたまりと小麦粉にラードそれなりのかたまりと二つを合わせて、ロールにしたものを一つ分の大きさにカットし、それを皮の状態に伸ばしたのですが、渦巻きが残ったまま餡を包んだので、接続点から餡が飛び出してしまったものがあります。
まっ、中身が見えるようにカットする手間が省けたと思えばよし。

餡は、胡桃黒胡麻松の実、それに例の甜杏仁パウダーを少しを荒目にミキサーにかけ、蜂蜜で餡状態にします。
木の実が大〜好きな私は、かなり気に入ったのですが、薬膳仲間の反応は鈍かった。なぜ。
先日のスッポンの会で作ったので、他にもごちそうがいっぱいあったからかな。

2007年06月04日

お友だちが本を出版したの

『薬膳の力』という名でexblogで活躍しているkuzenyaさんが、簡単薬膳の本を出版されました。
ここに謹んで、みなさまにお知らせします。

先日のスッポンの会で、版下状態のものを拝見したのですが、どれも写真がとっても綺麗で、おいしそうで、自分でも作ってみたいと思うようなナイスな食材の組み合わせ。
それで、薬膳なんですから、人気が出ない訳がない。

彼が、写真もぜ〜んぶ撮って作ってます。
うん、薬膳の知識も持ち合わせた美味しい料理を作る写真家、というイメージですね。
有名になってね。

2007年05月31日

セージの天ぷら

セージのてんぷら<br />
北村光世さんのハーブの本に、セージは天ぷらにするとおいしいと書かれているのを読んだときから、そのうち試してみようとずっと思いつつ、やっと作ってみました。

鼠尾草茶のエントリーのところで、天ぷらを試すためにセージを植えているといっていたのに、もう1年近くたってしまったんですねえ。
友だちの方が先に試してくれちゃったくらいです。
どういうふうに天ぷらにしたらおいしいのか、創造力が湧かなかったからなんですが、春浅い時期に作った山菜天ぷらの出来に気をよくして、やる気になりました。

サクサクにするために、衣には卵は入れず、小麦粉に片栗粉を加えて冷たい水を注ぎ、あまり混ぜずにセージの葉っぱをくぐらせて、一気にジュワーッ。

案外美味しい天ぷらができあがりました。
でも、山菜(こごみとタラノメでした)の方がおいしかったな。
セージはやっぱりセージ独特のお味がして。

ちなみに、この天ぷらは、イカと豚ミンチで作ったメンチの付け合わせです。
パセリの天ぷら、コリアンダーの天ぷら、よもぎの天ぷら、若いニンジンの葉の天ぷら、
こんな感じの類に似てるかもしれません。
ちょっと癖のある葉っぱに、天ぷらは向いてます。

2007年05月30日

スッポン鍋はいかに

スッポン鍋<br />
このスッポン鍋のスッポンは、友だちがおろしました。
私は、傍観していただけです。
調理師免許を持っている友だちと別の友だちがサブで奮闘した結果、皆でありがたくいただいたという訳。

スッポンさんには、「なんまいだー、なんまいだー」だったのですが、食材としては滋陰効果の最たるものといわれております。
翌日のお肌の潤いを期待していたのですが、私はいつもと同じようであまり感じませんでした。
コラーゲン部分のヒラヒラのところを食べるのが、少なかったのかも。

乾燥した季節にいただくと体内が潤うので、秋や冬の方がより良いとは思いますが、体が弱っているときに補うのには適した食材ではあります。
ちょっと、引いてしまう存在ですが、味は淡白で鶏肉のようでもあり、滋味豊かなスープです。

が、「痰湿壅盛者忌」となっておりますので、むくんでいる人などは好んでいただかない方がよろしいようです。

2007年05月23日

茯苓入りのワッフル

ワッフル<br />
これからだんだん蒸し暑くなる季節。
湿の季節は「脾」を傷めやすいので、そんなときは健脾利湿のものを。
茯苓は松の根本に生える茸ですが、個性を主張する味ではないので、粉末にすればたいていの小麦粉料理に使えます。

写真だけ見ていると普通のワッフルに見えるけれど、食べると適当に茯苓のポソッとした食感があたります。
薬膳料理の材料としては、枸杞ほどではありませんが、かなり気軽に取り入れられています。
小麦粉200gに50gほどの茯苓粉を加えて作りました。
他の材料は、卵と牛乳で、ホットケーキ程度の生地の固さにしてワッフルメーカーで焼きました。
家のワッフルメーカーは四葉のクローバーならぬ、五葉のクローバーで、分解するとハート型になります。

私は白茯苓しかみたことがありませんが、赤茯苓もあり、先生がおっしゃるには赤茯苓の方が利湿効果は高いとか。
白茯苓は健脾することによって、脾の調子を高めるので、結果的には利湿することになりますが。

2007年04月25日

大根餅は千切りで

大根餅<br />
「ん、これ何?大根なの?なかなかイケル。」
「この前も作ったじゃないの。でも、この前は大根おろしたけど。」

大根をおろして作ると、きれいな形に作ることはできるけれど、大根の味がしない。
太めの千切りにした方が、大根が主張されます。
といっても、塩をしてしんなりすると、大根特有の匂いがかなり消されてしまうので、説明なしに出されるとわからないかもしれません。

おそらく、型に入れて蒸したものをスライスし、フライパンに油をひいて焼き目をつけるのが正しいのでしょうが、はしょった作り方でもおいしいものを、ということで、くすだまさんのを参考にさせていただきました。

ただ、炒め揚げだと、材料に火を通すために弱火にするので、かえって油っぽくなるみたい。
普通に揚げたほうが、かえってカラッと揚がって良いような気がします。(次回は揚げるつもり)

大根は、上に上がってしまった気を下げる(ゲップが出たりしたとき)効果があるし、一番の効能は繊維分、消化を助け、咳や痰が多いときにはお助けしてくれます。
一緒に入れた桜海老は、たぶん普通の海老と同じ効果(補腎陽)があると思われます。
冷え性の人にいいですよ。

2007年03月07日

杏仁ミルクキャラメル

杏仁ミルクキャラメル<br />
杏仁豆腐のミルク入りをイメージして作った飴ですが、どう見てもこれはキャラメルですね。

材料は、
コンデンスミルク1缶(397g)、
砂糖300g、
麦芽糖450g に
例の甜杏仁パウダーを大さじ山掛け2杯ほど。

麦芽糖は創研社のものを使用しています。

甜杏仁パウダーを除く材料を全部火にかけ(後の始末が楽そうなので北京鍋を使いました)、煮詰めつつ、適度な固さになったら、水に落として固さを確認、油を塗ったアルミホイルにあけ、少しずつ飴をひきつつはさみでチャキチャキ。

キャラメルの作り方としては、バットに流した後、固まったら(カチコチにならない程度)熱くした包丁で切ると本にはありましたが、タイミングを誤ると切るのに一苦労するので、はさみにしました。
はさみの方が切るのは簡単ですが、コンデンスミルクを入れたせいか、固まっていると思っていても、ちょっと隣り合っているキャラメル同士がくっつくこと、くっつくこと、くっつくこと。
写真には、その名残が出てますねえ。

お味は、全くキャラメルですが、ちゃあんと杏仁の味も主張しているし、麦芽糖を使ったから消化を助ける麦芽の効果も期待できると思います。
杏仁は咳や喉が痛いときに良いので、キャラメル舐めつつ、おいしくて体に効くのは、これこそ薬膳といえますね。

次回は、ミルクを入れない杏仁豆腐のイメージで、コンデンスミルクを入れない飴を試してみようかと。
この方が、きっとキャラメルではなく、飴になりますね。

2007年02月27日

飴がけと砂糖がけの違い

昨日の飴が結晶化した話の続きです。

友だちと話をしていて、そういえば、中華の技法で温度の違いによって砂糖がけになったり飴がけになったりするというのを思い出しました。

通常の飴の作り方だと、結晶化させないために水飴を加えているものが多いのですが、フルーツの飴だきなどへたをすると、砂糖水が冷えて結晶になって再び砂糖に戻ってしまいます。
カシューナッツなど砂糖衣をまとわせるときは、その結晶化を利用して作るわけです。

辻調のスクーリングに行ったときに、先生が鮮やかな手つきでやってみせてくれたのですが、そばで見ている生徒たちは、まるでマジックを見るようにホホーッとひたすら感心していたのでした。

専門的には飴がけは抜絲(バァスー)、砂糖がけは掛霜(グアシュアン)といいます。

以下、辻調の本からの抜粋です。

●砂糖を水で煮溶かしたシロップの温度が115度に達すると加熱を止め、急激に温度を下げると結晶化する。
揚げたカシューナッツなどをからめると掛霜腰果(カシューナッツの砂糖がけ)ができる。
●シロップは130度を超え、水分が5%以下になると溶かしたガラスのような性質に変わる。
冷やしたときに脆くパリッと破れるようになる。
160度を超えると蔗糖自体が激しく分解し、不規則な結合をしてカラメルという褐色物質に変わる。
飴がけは150度〜160度弱の中で行う技法であるが、口にしたときの脆くシャリシャリとした食感を高めるためには、160度に近い温度で仕上げることが理想である。

もう、おわかりですね。
飴が結晶化してしまったのは、温度が足りなかったからです。

2007年02月26日

薄荷入りの飴は固まらなかった

受けている授業の数が多いと、当然テストの数も多い。
それで、テスト期間中は、薬膳の授業は理論だけ受けて実技の方はパスすることが多いのです。
先週が、それに当たります。

理論の授業のときに、本日のメニューを眺めていて、一番難しそうと思ったのが、薄荷と杏仁の飴です。
昔、キャラメルを作ろうと思い立ち、バットに材料を流し込んだところまでは良かったのですが、カチンコチンに固まってバットからはずれなくなってしまったことがあります。
出刃なら、はずれるかもと、試した途端、頑丈そうに見えた出刃の刃がかけたのはいうまでもありません。

今回の飴の作り方は、水に薄荷(もち乾燥した生薬です)をミルサーで粉砕したものと、杏仁霜と砂糖を加えて煮詰め、糸を引くくらいになったらバットに流すという説明でしたが、果たして無事完成するのだろうか、気にかかりました。

テストが終わって、皆が作成中の料理を覗きに行くと、そこには固まっていない飴と、再びチャレンジしている煮詰め中の飴がありました。
「葉っぱがそのまま入ってると、結晶化してダメみたい。」

あらあら、そういう問題なのかな。
ネットで検索すると、水飴を加えることによって、結晶化しないとありましたぞ。
水飴って単なる砂糖水ではないなんていう記事も見つけちゃったし。

気軽に、自分好みの喉飴が作れたら楽しそうだけれど、なかなか難しそうですねえ。

2007年01月30日

キンカンの甘煮は先生のお気に入り

キンカンの甘煮<br />
大地宅配は、ときどき欠品します。
何回もキンカンを注文したはずなのに(そのうちの1回ぐらいは、きっと注文したつもりで自分でチェックし忘れ)、一度も来ないなあと思っていたら、薬膳の授業(黒竜江中医薬大)でドリンクとして登場しました。

先生という職業は、ずっとしゃべり続け。
乾燥した季節では特に喉がいがらっぽくなる。
喉の保護のためにも、先生はキンカンの甘煮にお湯を注いだものをちょくちょく召し上がっています。

授業では、キンカンの皮の千切りも加えて香り良くしていましたが、私はキンカンのみで作りました。
みかん類の皮は、食べてもまた食べたくなる、舌がそれを欲するとでも申しましょうか。
飲み終わると、さらに飲みたくなるんですよね。

みかん系のものは、喉の乾きを止め、気をめぐらせ、胃の調子を整えてくれます。

2007年01月26日

冬に緑豆?

昨日の薬膳の授業は、緑豆を使ったものでした。
なんで、冬に緑豆なの?
疑問がむくむく出てきた私は、つい先生に聞いてしまいました。
半年間のメニューを使い回ししてるので、夏の時期のメニューを冬にやっているのかと。

答えは、1年間のクラスの人だけではなく、半年の人もいるので、緑豆のように薬膳でよく使うものはお披露目しているということでした。
学校の営業を考えたら、1年以上の人だけでなく、3か月でも6か月でも薬膳のさわり部分でも、味わってほしいということなんでしょうが、食材重視としか思えないなあ。

薬膳の趣旨を考えたら、やっぱり冬に緑豆は使わないと思うんです。
緑豆は、『寒』のものですから。

緑豆自体は、うす甘のあんこにして、おまんじゅうにして蒸しましたが、緑豆が豆なんだということをはっきりインプットされたメニューではありました。
あんこがなかなかイケルので、絶対余りそうな、できあがったあんこを、男性陣はみんなでちょくちょく、「ん、おいしい」とか言いつつ、つまみ食い。

最近は、内熱を持った人が多いのよね、としょっちゅうおっしゃる先生のことばからすれば、男性向きのあんこかもしれません。
私は、冷えるのが嫌なので、ほどほどにしておきました。

この調子でいけば、豆はなんでもあんこにできる。
大豆でも、ひよこ豆でも、なんでもオッケーでしょう。
甘くせず、コロッケでもいいかな、マッシュポテトメニューも、豆を使ってできそうですね。

2007年01月01日

お重の中身は薬膳か

お重<br />
明けましておめでとうございます。
本年の家のおせちでございます。
お重の中身は、通常は縁起物がいっぱい、ぎゅう詰めに入っていますが、家のは食べたいと思うもののみ。

昨年は、ごまめも海老も、はぜの甘露煮もあったのですが、今年は質素。
いつもは、春慶塗りの普通のお重に詰めますが、今年は松花堂弁当のお重にしたので後片付けは簡単です。

さて、巷では薬膳おせち料理なるものも出回っていたようですが、その中身がどんなものかは存じませんが、生薬を使ったものだけが薬膳料理ではありません。
薬食同源、食物と薬の境界線は、あまりにもあいまい。

かの「神農本草経」では、毎日食せるものとして上品120種、方剤に君臣佐使があるように、この上品は君であるとされています。
つまり、方剤では君薬として使われているものが主薬であり、上品にあげられているものは副作用がなく長く普通に食べることができるものというだけでなく、主役だということなのです。
ただし、神農本草経の分類は古代のもので、なんでこれが上品?と思われるものも含んでいますので、ご注意を。

要するに、皆が食べ物と思っているものを組み合わせて、その人の体にとって良いものをいただく、これに尽きます。
むずかしいと思ったら、旬の、それもその土地の食材を思い浮かべると簡単ですよ。
天・地・人−−−天と地の間に人は生きている−−−その土地の環境なくしては、その人の体は作られません。
自然環境にうまく対応したお食事を、と願います。

追伸:お重の中身は薬膳か。薬膳を意識して詰めてはおりません。
しかし、昔ながらの民間の知恵がいっぱい詰まったものが、どうして薬膳ではないといえるでしょうか。

2006年12月27日

詰め物は多分に薬膳的ローストチキン

はと麦<br />
真っ赤なお鼻のトナカイさんは〜
って、今頃言っても遅いですねえ、クリスマスには3日も過ぎてしまいました。

このチキンは、23日の夜に作ったものです。
鶏1羽、1.2kg以上あって(測っておけばよかった)、金曜日の夜から冷蔵庫で解凍していたのに、翌朝になってもカチンコチンのまま。
室温で戻して、ようやく焼ける状態になったときには、夕食タイムをはずしていました。
それで、クリスマスイブの朝食からローストチキンとなりました。

昨年は、そのチキンはオープンに入りますか?、どのくらいの大きさですか?という問い合わせがだいぶあったようで、『今年は昨年より小ぶりです』というフレーズとともに、大地宅配から送られてきたけれど、結構大きいわよ。
この塊、解凍するのに冷蔵庫に入れていたら何日かかるのやら。

去年は、南部鉄のすき焼き鍋に乗せてオープンで焼いたら(鍋からはみ出て大変でした)、中まで火を通すのに時間がかかり過ぎ、身がパサパサになっちゃったんです。
それに懲りて、リベンジするべく、その時にル・クルーゼのオーバル型を買ったのでした。

鶏の詰め物は、蓮子枸杞、それとエリンギとシメジをバターソテーしたものにしました。
薬膳の授業では、蒸し鶏の詰め物に、ナツメとや太子参を入れたようですが、実技をまたもや欠席した私は、そのできばえを食せませんでした。

先生が冷蔵庫から出した鶏は、ヒナ鶏らしい大きさでした。
あれを7〜8人で食べたら、少量だったんじゃないかな。

1.2kgの鶏を、家にある蒸籠ではとても蒸せません。
だって、普通の中華蒸籠なんですよ。
絶対、蓋が持ち上がっちゃいます。

ル・クルーゼにぎゅうぎゅうに押し込んだ鶏は、ドライミックスハーブやフレッシュのローズマリーやオレガノをかけられ、バターを乗せられて焼き色がついた後、蓋をしてさらに1時間程で焼き上がりました(さすがに、ちょっと蓋が持ち上がりました)。

もうちょっと綺麗な焼き色をつけた方が良かったかなとも思えますが、まあまあの出来。
身の焼き具合は、ちょうどぎりぎり火が通った感じで、パサつきはなくとってもジューシー。

もも肉にグレービーソースをかけて、いただきました。
残った身は、棒棒鶏やチキンサラダに。
骨近くの身はスープにしましたが、こちらは、ちとイケてないお味でした。
お腹の中に塩とガーリックをたっぷりこすりつけたせいかも。

鶏1羽(1,380円)で幸せな気持ちになれて、たっぷり楽しめる、これだからおうちご飯が一番なのよ。

2006年12月15日

粉蒸肉

今回は写真なしです。
実は、しっかり作ったのですが、想像したとおりスパイスを肉につけて蒸したら、グジャグジャ状態になってしまい、こんな写真を載せるのは忍びないので、撮りませんでした。
おまけに、今いちのお味だったので、ちょっとがっかりです。

夫からは、「八角なしで甘辛く煮てくれた方がよかったなあ」、とまで言われる始末でした。

薬膳の実習に出席しなかったら、翌週にお肉にまぶした粉が保存してあり、半ば強制的に持たされたので、作ったということなんです。
授業では、豚バラ肉を1cm幅に切って、砂糖、酒、醤油で下味をつけたものに、その粉をまぶして蒸したようです。

その粉の中身は、
肉桂小茴香大茴香丁香に、お米を炒ったものをそれぞれミルサーで挽き、
みんなで、ああだこうだといいながら、調合したんだそうです。

八角(大茴香)がみんなの評判が良かったとかで、かなり八角味になっている模様。
その粉を持っていきなさいと言われたのは、私ともう一人でしたが、その方と顔を見合わせて、「ええーっ、八角なのー。私八角は苦手ー。」

案の定、我が家では評判がよくなく、残ってしまいました。
残ったお肉(私は肩ロースを使ったんですよ)を、周りの衣を落として甘辛く煮なおそうと思ってますが、1回蒸しちゃった肉にどれだけ味が残っているか、、、、、考えるのはよそう。

そうそう、お肉にまぶした中薬はみな温裏薬。
体を温めるには、ばっちりのスパイスです。

授業をふけるときに、先生に「すみません、先生、本日はパスします。」と申し上げましたら、
「あら〜、今日は〇〇さん(私のことです)にぴったりのメニューだったんですよ。」と、言われてしまいました。

2006年12月08日

胡椒たっぷりの花巻

花巻<br />
薬膳の授業で、理論だけ聞いて実技をパスしたのがいくつかあります。
これは、そのときの一つです。
みんなの評判がなかなか良いので、これはトライせねばと思った次第。

ホシノ酵母で、非常にアバウトにいつも自分で作っている方法で作りました。
粉500gに対して、胡椒が10gとあり、そんなに入れたらとんでもないことになるなあと思いつつ、ペッパーミルを引くこと少々。
ミルを引けども引けども、はかりのメモリはびくとも動きません。
小山ができたときに、一応止めましたが、体積にしたら小さじ1杯ほどあったでしょうか。
ミルを引くのが嫌になってやめたといった感じ。

後日先生に、えらくピリピリする花巻ができてしまいましたと報告したところ、
「ですから、要注意と書いてあったでしょう。」
と言われてしまいました。

ハハ、プリントも見ないで作っちゃいました。
胡椒入りで、葱を巻き込むなら、温の薬膳ですから、ある程度胡椒がきいていなければ、意味がないじゃありませんか。
しかし、本当に10gも入れたらいったいどういうことになるのかしら。
私の分量でさえ、バニラアイスクリームに散らばるバニラのように、生地に点々が出ましたよ。

花巻を食べた後にコーヒーを飲んだら、舌の中がいっそうピリピリしたのでした。


2006年12月01日

蓮子とナツメの甘煮

蓮子とナツメの甘煮<br />
これも、「薬膳と中医学」の中の一品です。
蓮子ナツメを30分蒸してから甘煮にするもので、本では蜂蜜で甘味をつけていました。

滋陰がテーマの薬膳なら甘味は蜂蜜でしょうが、健脾補血安神が目的かなと思いましたので、私は通常どおり洗双糖でいいやと。

蓮子は非常に堅いので、1時間ぐらい水につけたくらいでは、柔らかく仕上がらないので、30分蒸せば思い通りの柔らかさに上がるかと期待しつつ作りました。
なるほど、百合根のように柔らかく、ホロホロと崩れるようになるんですねえ。

本では、ナツメと蓮子の配合は、2:1でしたが、ナツメはどう作っても皮の固さが肉の柔らかさとギャップがあり、皮が口に残ってしまうので、この料理でナツメをたくさん消費したくなくて、1:1で作りました。
ですから、蓮子いっぱいの品です。
箸休めに結構いけます。


2006年11月29日

枸杞入り長寿飯

枸杞飯<br />
「薬膳と中医学」より、枸杞入り長寿飯です。

材料は、枸杞子と卵ぐらいで、ご飯を炊いてむらすときに卵を流し入れ、その後お酒で戻した枸杞子を加えます。
炊くときに、少量の塩とお酒を加え、器に盛るときに三つ葉を乗せます。

お味は、少々塩気がうすかった(目分量で入れたため)のと、強い味のものがなかったので、三つ葉だけが味の頼り、という感じでした。
それに、枸杞子と卵を入れただけで長寿飯といえるのかどうか。
タイトルから想像して、いろいろな具材が入る五目ご飯かと思いこんでいたので、ちょっとがっかり。

枸杞子は体の陰を補ってくれるもので、肝腎に入り、目を明るくしてくれますし、色が赤くて綺麗なので薬膳料理によく使われます。
この本の意図はそうではないと思いますが、世間一般には枸杞やサンザシなどのいわゆる薬膳材料さえ使えば薬膳だといっているレストランが多いのも事実です。

またまた言ってしまいますが、薬膳とは中医学理論に基づいて弁証し、施膳されるおいしい料理のことです。

2006年11月08日

胡麻糊(ゆるくすれば胡麻汁粉)

胡麻糊薬膳の授業のときのものを再現しました。
授業では、黒胡麻をまず炒り、ひたすらすってから、黒米をミルサーで粉にしたものを合わせて煮ました。
黒米は粉にすると、インスタント汁粉の元のような小豆色になり、出来上がりの色は真っ黒ではなく、黒に近い紫色でしたので、先生は残念そうでした。
本当は、黒豆の汁(汁だけを使うそうです)を入れて、黒いものを作るのだそうです。

黒胡麻、黒米、黒豆と、腎に良さそうなものばかり。
いざ、黒豆の汁も入れて作ってみようとしたのですが、やはり、汁だけ取るのも面倒と、黒豆抜きで黒胡麻ペーストを使って作ったのが写真のものです。
かなり、黒色だと思うのですが、いかがでしょうか。

黒米は入れ過ぎると、本当に糊状態になるし、黒米独特の風味がちょっとひっかかる感じ。
控えめに、汁粉程度の濃度になるくらいに作る方がおいしいと思います。

2006年09月20日

シンプルかぼちゃサラダ

かぼちゃサラダスーパーに夕方行くと、お惣菜コーナーにはいろいろなものが。
自分ではできあいのお惣菜を買うことはまずありませんが、今晩のご飯メニューの参考になるわと、目を走らせることはしばしばあります。
見た目はどれもおいしそう、でも食べたらいまいちなんだろうなあ、なんて勝手に評価していると、カボチャの黄色がおいしそうなサラダが目にとまりました。

煮物も良いけど、サラダもおいしい、デザート系にも使えるし、かぼちゃって便利な食べものですね。そう高くないし。
で、写真は、シンプルにラッキョウだけを加えてマヨネーズで和えたものです。
最近、酢の物系にはせっせとラッキョウを入れているので、ラッキョウの消費が以前と比べるとだんぜん多い。
先日は酢飯にも入れてみました。意外といいかも、です。

カボチャは、お腹を温め気力を増してくれますが、気滞湿阻の人はダメとあります。
お腹がガスっちゃってるとか、体が重くむくんでるなんて人は控えてね。

ラッキョウは、発散効果で体を温め、気をめぐらしてくれます。
ん、気滞の人にはいいですね。
そして、ラッキョウは薤白という名の生薬でもあり、狭心症などに効果があるといわれています。

2006年08月24日

マンゴープリンて簡単なのね

マンゴープリンああ、マンゴープリンが食べたい。
でも、市販されているものは何かしら添加物が入ってるし。
仕方がない、自分で作ろうっと。

と、冷凍食品売場でマンゴーを買い込み、脇屋友詞さんの『香港のデザート』を参考に作ってみたら、あら簡単、あっと言う間にできちゃった。
冷凍食品を使うってとこがミソですね。
冷蔵庫で冷やす前にすでに、かなり固まります。

材料は、
冷凍マンゴー2袋(400g)、水200cc、砂糖70g、ゼラチン10g、生クリーム50g

作り方は、
材料の水の中からゼラチンをふやかす分をとりわけてゼラチンをふり入れ、残りの水を火にかけて砂糖とゼラチンを煮溶かす(沸騰させない)。
マンゴーは、少し解凍し、ボールに入れ泡立て器でつぶす。
それに砂糖とゼラチン入りのお湯を入れ混ぜ、冷たい生クリームも加えてさらに混ぜる。

実は、これの前に生クリーム200cc、砂糖120g で作ってみました。
しかし、これはクリームが入りすぎてババロアみたい。
マンゴープリンとはほど遠いお味でした。

マンゴーは暑いところでとれるので、体を冷やすのかと思いきや、平性(温めも冷しもしない)でした。
味は甘、酸で、帰経は肝、脾、理気、止咳、健脾の作用があります。
(参考:中華養生薬膳大全)

凉性で、帰経が肺、胃、と書いてある本もありますが、出典が記載されていないので何だか怪しいと私は思ってます。
本によって異なることが書いてあるときどうしたらよいか、これについては稲田先生が、
「時代が後のものの方が、情報が新しく、改定された情報ということで正しいのではないでしょうか。」
と、おっしゃっています。
でも、これを採用するには、出典を明記してくれないと比較のしようがありません。

2006年07月21日

甜杏仁パウダーを使った杏仁豆腐

杏仁豆腐1杏仁豆腐2甜杏仁パウダーを使った杏仁豆腐を作ってみました。
材料:甜杏仁パウダー50g、牛乳200cc、水300cc、ゼラチン10g
ゼラチンは少量の水でふやかしておき、沸騰させない程度に温めた水と牛乳に甜杏仁パウダーとともに入れて溶かし、液を漉してから器に流し込みました。
シロップは、砂糖100gをお湯100gに溶かしてさましたもの。

料理としては、砂糖は白砂糖を使った方が絵的に美しく白一色になると思いますが、個人的にミネラルシュガーといえるものしか使わない主義なのでシロップは茶色です。

甜杏仁パウダーは香りも味も抜群なので、もちろんできあがった杏仁豆腐のお味はバッチリです。
甜杏仁や苦杏仁の種子そのものから作ったものより、こちらの方が香りが高いです。

ただ、器にシロップを張った写真を撮りたかったので、全部シロップを入れてしまいました。
一度に全部食べてしまわないとシロップ浸けの杏仁豆腐になってしまい、一体どうなることやらと懸念しつつ出かけたところ、

10時間以上たった杏仁豆腐は、浸透圧でしっかり中の水分が流れ出、シロップは増えていました。
杏仁豆腐は全体的に締まった感じで、切り口はさらに中の方より固かったです。
それで、市販されている杏仁豆腐のシロップ浸けのものが、やけに堅いのが納得。

種子から作る方法は、薬膳情報のページでごらんくださいませ。

2006年07月19日

チリメンジャコを入れたパン

ジャコパンパン教室で、どなたかが話したことですが、
「妊娠していたとき、カルシウムパンということで習ったパンは、胡桃とジャコとワカメ入りでした。」
「えっ、それ、おいしかったですか?」
「意外とおいしかったんですよね。」

この話を聞いた後、どの本だったか、やはり海藻入りのゆるい生地を揚げるパンが載っていたなあと、探したのですが見つかりませんでした。
イタリアのパンと書いてあったような。

それに、レジオン(横浜市営地下鉄、センター北駅近く)のパンには、胡桃とジャコのパンがあるんですよね。

カルシウムパンだなんて、一見奇異に見えるけれど突飛でもない、というわけで、作ってみたジャコ入りパンです。
ワカメではなく、白胡麻をたっぷり入れました。
ジャコが入ると生臭いかと思われるかもしれませんが、そうでもありません。

パンを作っている方がいたら、是非挑戦してみてください。
レジオンの近くの方なら、レジオンで買った方が早いかも。
私は、ここの胡桃入りの天然酵母のパンがお気に入りです。

2006年06月30日

茴香(フェンネル)入りのパン

茴香パンよく、夫がランチにいくイタリア家庭料理屋さんが出しているフェンネル入りのパンを作ってみました。
キャラウェイシードより、私はこちらの方が好みです。

小茴香(しょうういきょう)は、胃が冷えて痛んだり、お腹が張ったとき、健胃薬として用いるとあります。
ハープとしては、フェンネルシードとして知られています。
葉っぱは細長く、ディルと似ているので、間違えてしまう人もいるみたい。

ちなみに、ディルは和名「いのんど」と書いてありました。
あまり馴染みのない名前ですねえ。
セリ科の植物は薬効があるものが多いです。


2006年06月14日

風寒の風邪、風熱の風邪

『喉や節々が痛くて熱があるけど食欲はある』ときに、どんなものを食べたらよいか、というお問い合わせをいただきました。

薬膳を勉強していないときなら、一般的に常識だと思われる「ネギや生姜を入れた味噌汁」に、私も走るかもしれません。
でも、風邪(かぜ)といっても、風寒の場合と、風熱の場合があるんですよね。
その違いは、悪寒があるかどうかなんですが、寒邪にやられると、ぞくぞく寒けがして悪寒がする、
して、その際は体を暖めなければならないのですが、
風熱の場合は、逆に体を冷やさなければならないのです。

食物の味としては、辛味を持つもので、体の表面にいる邪気を汗で発散させます。
辛味を持つ食物というのは、食べて辛いものだけではありません。
うど、カブ、こんにゃく、シソ、セリ、大根、なども辛味を持っています。
中国三千年の経験医学上、先人たちの調べた結果が食味表というリストになっています。

葛根(かっこん)は辛涼解表薬とされており、まさしく風熱の風邪(かぜ)に使われます。
ですから、体を温めたい場合は生姜や黒砂糖などを入れなければなりません。

理論を勉強していても机上の論理、実際、質問されて、ハッとした私でした。

2006年06月07日

更年期障害(腎陰陽両虚の場合)のメニュー

更年期障害で、腎陰陽両虚の症状はどうなるか。
当然、陰虚と陽虚の症状が現れます。

めまい、耳鳴、物忘れ、寒熱定まらず(どちらが出るかわからない)、顔にのぼせ、汗が吹き出てきたり、風が吹くのを嫌ったりする、腰や背中が冷たい

こういうときは、陰も陽も不足しているので、補わなければなりません。

我々の席の斜め後ろのグループが出してきたメニューは、

〇 小籠包(しょうろんぽう)
豚皮、豚肉、貝柱、ニラ、白きくらげ、海老、卵黄
〇 当帰入りスープ
当帰、鶏、ニラ、卵

でした。
いきなり、小籠包なんてめんどうな料理名が書かれたので、それを見ていた何人かから「誰が小籠包なんて作るのよー」なんて、声も飛び出して。

しかし、陰を補う滋陰効果のある豚皮を使った料理ということで、小籠包を出してきたのは秀逸。
あの、ジューシーな肉汁は豚皮のおかげなんですよねー。
とーっても手間がかかる料理なのを知っている私は、聞いただけで「ショエー」と、引いてしまいますが、メニュー出すだけなら何でもOKよね。

鶏や海老やニラなど陽を養う食材と、貝柱、豚肉、卵黄など陰を養う食材とうまく組み合わせてますねえ。
陰陽両虚になるときは、精血も不足しているので、それに効果的な当帰(とうき)も使ってるようです。

2006年06月05日

更年期障害(腎陽虚の場合)のメニュー例

腎虚には腎陰虚と腎陽虚があります。
その他、両方虚している場合の腎陰陽両虚というのがあります。

陽虚というのは、いわゆる陽気が不足している状態で、陽気は体を温めているので、これが不足すると冷え性やだるい、やる気がないといった症状が現れます。

更年期障害のその他の症状としては、
顔色が悪い、むくみがある、夜トイレによく起きる、尿漏れ、サラサラしたうすいおりものがある
などです。

我々の席の右側に座っていたグループが出したそのメニューは、
〇 鶏の炒めもの
鶏、黒木耳、胡桃、生姜、ネギ
〇 鯉とニラの酢味噌和え
鯉、ニラ、松の実、酢味噌
〇 鰯のつみれスープ
鰯、金針菜、白菜、ごぼう、ネギ、生姜、ニンニク

いろいろ、食材が入ってますねえ。
ネギ、生姜、ニンニクを使っているのは、中華料理だからです。
薬味に使うくらいの量なら、方針に影響はないということでしたが、おいしくなければ薬膳とはいわない、のポリシーを考えると使用材料を明記したくなっちゃうといったところでしょうか。
ごぼうも凉だけれど、他の食材との兼ね合いを考慮すると入れてもいいのではないでしょうか、と先生はおっしゃっていました。

胡桃は、陽虚の人にはよく使われる食材です。
鯉は、むくみに非常に効果的だと多くの本に記載されています。
妊婦がむくんだりしたときは、良いのだそうですよ。

そうそう、治療法は、温腎扶陽。
腎を温めて、陽気不足を改善せねばなりません。

陽を補うことのできる食材としては、
胡桃、ニラ、海老、どじょう、羊肉、豚レバー、鹿肉
などがあります。

2006年06月02日

更年期障害の薬膳メニュー(心腎不交)の場合

前回に引き続き、更年期障害といっても、心腎不交の場合の薬膳メニューのご紹介です。

症状としては、
腰や膝がだるい、眩暈、耳鳴、急にほてっては汗がダラダラ出る、不整脈、胸がほてってムカムカする、不眠、夢が多い、などが現れます。

研究科の私たちの後ろの席にいた方たちのグループが出したそのメニューは、
〇 お粥
米、百合根、緑豆、胡桃
〇 デザート
白木耳、枸杞、西瓜、氷砂糖

でした。

心腎不交とは、心の火と、水臓といわれている腎のバランスが体内でとれずに起る減少です。(五行で心は火、腎は水ですね)
腎の水が不足して、体内の火が燃え上がり、それが心神を動かすのでイライラしたり、眠れなかったり、さらに上に行くとめまいや耳鳴が起きたりします。

だから、施膳としては、腎陰を補い心の精神不安を鎮めなければなりません(滋腎寧心安神)。

百合根は精神をリラックスさせる効果があり、枸杞、きくらげ、西瓜は腎陰を補います。
砂糖は、黒砂糖は温で、氷砂糖は平性で陰を養うといわれています。

誰かが、「胡桃はどうなんですか」と質問したような記憶がありますが、
緑豆は清熱解毒で帰経は心、胡桃は温性でも、帰経は腎なので入れてもよいでしょうと、先生がおっしゃったような気がします。

典型的なメニューを作るとすると、胡桃は補陽なので体を温める場合に使うことが多いのですが、薬ではなく食べ物なのだからと鷹揚な部分もあるのです。

2006年05月29日

更年期障害の薬膳(腎陰虚の場合)

先日の研究科のテーマは更年期障害でした。

更年期障害といってもタイプがいろいろあり、
〇 腎陰虚、〇 心腎不交、〇 腎陽虚、〇 腎陰陽両虚
とあります。

グループに分かれて、メニューを組み立てた結果は、う〜んなるほど、というものばかり。

その第1弾として、本日は腎陰虚の場合の薬膳です。
腎陰虚って何、どんな症状なの、というと、

眩暈、耳鳴、ほてりや汗、掌や足の裏がほてる、腰や膝がだるく重い、皮膚が乾燥する、皮膚が痒い、口渇、大便乾燥、便秘、尿量が少なく黄色い

などの症状が現れます。
全部出てくるというわけではありませんよ。

そんな方の薬膳の一メニューとして

〇 炊き込みご飯(貝柱、筍)
〇 ほうれん草と金針菜のおひたし
〇 茶碗蒸し(牡蠣、豆腐、枸杞、三つ葉)
〇 白きくらげのシロップ煮(枸杞、梨、蜂蜜入り)

はいかが。

陰を養うことができる、貝柱や牡蠣、卵、白きくらげ、
血を補うことができる、牡蠣、卵、ほうれん草、金針菜
肝を補う枸杞
を使っています。

陰が不足しているときは乾燥して火になりやすいので、体を温めるものは選んでいません。
冷やしたり潤いをもたらす梨や豆腐、筍を加えています。

2006年04月24日

五行と五味と五季

五季なんて、四季のまちがいじゃないの、といわれそうですが、中医学には四季の他に「長夏(ちょうか)」と呼ばれる暑くて湿度の高い季節が、夏と秋の間にあります。
季節の特徴を考えて日本に当てはめるとしたら、梅雨の季節か、9月のまだ暑くて湿度の高い時期にあてはまります。
個人的には、梅雨は「梅雨寒」ということばもあるくらい、結構冷えていると思っています。
湿度は非常に高いのですが、それほど暑くはない。
ですから、「長夏」という季節がどこにあてはまるのか、悩みます。
平均的な日本の季節を考えたら、四季にプラスするとしたら、9月より梅雨を勘定に入れる人が多いのではないでしょうか。

ところが、「長夏」にあたるのは五行においては「土」で、五味は「甘」、臓腑は「脾胃」にあたります。

五行の教えでは、相生相剋関係というのがあり、
たとえば、木(もく)を基準にすると、春にあたり春は次に夏(火)になります。
木は五臓では肝の性質にたとえられており、木は燃えると火になり、木は火を生み出す相生関係にあります。
木は土を破り土の栄養をとって生長するわけで、これを木克土、木が土を克す、といいます。
逆に木は金に克される(木は金属で切り倒される)関係にあります。

五味は五臓を養う味ですが、多く摂取し過ぎるとその臓器を傷めてしまうと「黄帝内経(こうていだいけい)」にあります。
春は、何かと肝臓機能が亢進しやすい季節。
亢進しているとしたら、酸味をとるのは控えるべきでしょう。
克しやすい脾胃を傷つけないように、甘味を増やすべきです。
もしくは、酸味をとっても必ず甘味を付け加えるということが必要です。

でも、梅雨が春の次に来て、梅雨が「長夏」だとしたら、相剋関係は崩れてしまうんですよね。

本場中国でも、広い領土の中で、五行にあてはまる場所は少ないらしい。
古典の理論をいかに理解するか、悩みは深いです。

2006年04月21日

不眠(心胆気虚の場合)

よく夢を見たり、目が覚めやすかったり、気が細く心臓が動悸する、物事にあったら驚かされやすい、なんて方の不眠がこのタイプ。
胆は、よく「豪胆」ということばに表現されるように、神経が太く、ちょっとしたことには動じない精神の持ち主は、胆の働きがよく気が不足していません。

こんなときの養生は、気を増し、すぐ驚くその状態を鎮め、精神を落ち着かせるようにします。
中医学的には、益気鎮驚、安神定志、といいます。
代表的な方剤は、ずばりその名前で、安神定志丸といわれています。

食のメニューとしては、
〇鯉の丸揚げ
鯉、サヤインゲン、チンゲン菜、袋茸
これまた、クラッシックなメニューですが、鯉を使った料理を考えたら、これしか思い浮かびませんでした。
鯉は「鎮驚・定志」の作用があり、この作用を持つ食材は、他には真珠粉しか見つかりませんでしたので。
サヤインゲン、フクロタケは益気、チンゲン菜は安神作用があるとされています。

真珠入りスープ
真珠の粉、豚肉、カブ
真珠には、「鎮驚・定志」の効果があり、豚肉やカブは気をまします。
豚肉には潤いをもたらす作用もあります。
真珠の粉は、珍珠(ちんじゅ)と呼ばれている生薬ですが、中華街やインターネットなどでも購入できます。
私は、銀座薬膳レストランの星福(シンフー)で、真珠の粉を自分で入れていただくスープを飲んだことがあります。

人参
高麗人参は気を補うだけではなく、安神効果もあるので、良いと思います。

2006年04月20日

不眠(心脾両虚の場合)

よく夢を見たり、目が覚めやすかったり、心臓が動悸したり、物忘れが多い、顔に艶がない、という人はこのタイプ。
心臓は、もちろん血液を全身に送るポンプ、脾はその血液を作り出すところです。

だから、心も脾もともに虚した状態だと血は心を養えず、神(精神)が舎をはずれると不眠の症状が現れます。
中医学では、心は神明を司るとされており、精神活動は心で行われていると考えられています。
ちなみに、心脾両虚は心血虚で脾気虚の状態なので、心血虚や脾気虚の場合の症状が現れます。

ですから、心と脾を養い、血を増やすメニューがよろしいと思います。

例としては、
〇牡蠣とほうれん草の炒めもの
牡蠣、ほうれん草、卵
牡蠣もほうれん草も卵も血液を作り出してくれるし、卵は安神の作用もあります。

〇高麗人参と蓮の実のスープ
高麗人参、蓮の実、金針菜
虚証には高麗人参がよいし、金針菜は養血、蓮の実は安神効果があります。

なつめ茶
チャングム役のイ・ヨンエさんが撮影の合間に、しばしば飲んでいたという韓国伝統茶の一つです。
ちょっと甘く、飲みやすく、気を補うには良いお茶です。

2006年04月19日

不眠(陰虚火旺の場合)

体の中で、陰陽のバランスが、もし崩れたら.....

陰虚というのは、陰が不足していること。
すると、相対的に陽が増えます。
陰とは体内においては、陰液とも呼ばれている水分や血液などの物質を指し、陽とは熱エネルギーのことを指します。

したがって、陰が不足すると陽が増し、熱が火となり、燃え盛ってしまうのです。
それが神(しん)を炙るので、不眠が起きてしまいます。
腎陰不足で、心を養えない状態です。

朝早く目が醒めたり、イライラしたり、無力感、掌や足の裏がほてるなどの症状があったら、このタイプの不眠です。

このタイプは、陰を潤し、火を鎮めなければなりません。
しっかり心(しん)も養なってあげなければいけません。

そこで、メニューとしては、

〇鴨や蓮の実のうどんすき
鴨、蓮の実、白木耳、アスパラ、イカ、うどん(小麦)、卵
鴨、白木耳、アスパラ、イカは、体を潤す効果があり、蓮の実や卵は安神(精神を安らかにする)の作用があり、小麦は養心するとされています。

〇苦丁茶
中国茶の中で、とっても苦い苦丁茶というお茶があります。
苦味は、五臓の中でも心(しん)を養う味といわれています。

は、いかがでしょうか。

2006年04月18日

不眠(痰熱内侵の場合)

痰熱内侵の不眠、それはいったい何?
体の中の水分の代謝が上手く行かずに、留まっており、粘稠な物質が「痰」です。
口から吐き出す痰は、狭義の痰ですが、中医学的には体内に停滞しているものも痰といいます。
ちなみに、病的な水分物質でも、さらさらしているものは「飲(いん)」と呼ばれています。

中医学では、五臓の中の「脾」が、食物から栄養を作り出すと考えられています。
それゆえ、脾は『生痰』といわれ、痰を作り出す源とされています。
その脾および胃の機能が失調すると、痰が生成され、それが熱を帯びた状態が痰熱です。

この痰熱が「神(しん」を炙るので、不眠の症状が現れるのです。
眠りが浅い、胸がつかえる、口が苦い、なんていう方は、このタイプ。

痰をなくして、熱をさまさなければなりません。
そこで、メニュー例として、以下のものはいかがでしょうか。

〇茶碗蒸し
鶏卵、百合、蟹、春菊
百合根、鶏卵、春菊は、安神の作用があり、蟹は体を冷やし利湿効果があります。
一般的に茶碗蒸しに入れそうな鶏や海老は温めるので、熱のある方には不向きです。

〇生姜入り煮物
筍、人参、こんにゃく、里芋
里芋、生姜は化痰の、筍、人参、こんにゃくは熱をさますことができます。

〇ジャスミンと桂花のお茶(桂花烏龍茶三花飲 参照)
ジャスミンの花とキンモクセイの花を緑茶や烏龍茶またはプーアール茶に一緒に入れていただきます。
ジャスミンはお腹を整え、桂花は化痰の作用があります。

2006年04月17日

不眠(肝鬱化火の場合)-春は多そうです

中医学的には、不眠の「証」は5タイプほどあります。
1. 肝鬱化火(実証)
2. 痰熱内侵(実証)
3. 陰虚火旺(虚証)
4. 心脾両虚(虚証)
5. 心胆気虚(虚証)

不眠の基本的な養生方法は、「安神」、精神を安らかにして、脳を休め、床についてもグルグル回転して活動している脳を眠りにつかせなければなりません。

本日のタイプは、肝鬱化火の場合です。
春は、五行では「木(もく)」の季節。
木の芽が吹き、冬のあいだしっかり体の中にしまい込まれていた気も、伸びやかに外に向かっていきます。
そして、春は五臓では「肝」の季節、この時期、体は新陳代謝が活発になり、体の解毒工場である肝の働きも何かと亢進しがちになります。

イライラしたり、悶々としたり、ストレスがかかることが多い人は、肝気が鬱滞してそれが火となり(肝鬱化火)、不眠に陥ったりします。
心当たりがある方、いらっしゃいますか?

そんなときには、肝気の通りを良くして、火を鎮めなければなりません。

メニューとして考えてみたのは、

〇パエジャ(サフラン、あさり、豚肉、レモン)
サフランは、生薬名は「番紅花」といい、安神に効くといわれていますし、柑橘類は気をめぐらすことができるので、これらを使った料理としてパエジャ(パエリャ)など、いかがでしょう。
この場合、鶏肉や海老は体を温めるので、それらを覗いて豚肉や鴨肉にしたほうがよろしいかと。

〇アロエベラのプリン
アロエベラは、熱を消すのに効果があるので、このタイプには良いと思います。手軽にアロエベラを入れたヨーグルトでもよいですね。
でも、鶏卵には安神効果があります。


〇五味子茶
五味子(ごみし)は、安神の作用があるし、煎じてもまずくはなく、ちょっと酸っぱいので、飲みやすくて不眠にはぴったり。
韓国では、オミジャチャといって伝統茶として飲まれているようですね。
常用している人は、不眠知らずでしょうか。

2006年03月22日

胡桃と枸杞子のクグロフ

クグロフ胡桃バターと枸杞(くこ)、ドライプルーンを入れたクグロフです。
普通のパターの代わりに胡桃バターを使ったのですが、残念ながらバターのように伸びがよくありませんで、出来上がりは、何とはなしにパサついてしまいました。
レーズンの代わりに枸杞を入れています。
しかも、ホシノ天然酵母を入れて、じっくりと醗酵させているのに。

バターより胡桃の方が、ヘルシーでいいと思ったんですけど。
胡桃バターより、胡桃そのものを入れた方がおいしいですね。
中医学的には、便秘や頭の調子をよくしてくれそうなクグロフではありますが.....

2006年03月15日

薬膳のメニューの考え方

たとえば便秘しているときに、どんな料理のものを食べたらよいか?

便秘にもいろいろなタイプがあり、その人のタイプに合ったものをいただかなければ、効きません。
体の中が冷えて入るのに、体の中に熱を持っている人と同じ食べものを食べたら、さらに体は冷えてしまい、かえって具合が悪いことになります。

たとえば、体の中に熱を持っている人には、熱をさまし熱によって失われている体の中の津液(水分)を補い、腸を潤す必要があります。

そこで、我々は、そういう効果を持った食品はどんなものがあるかをピックアップするわけです。
それも、単品で入れたのではあまり効果がなさそうと思ったら、2〜3品(もしくはもっと)使った料理を考えます。

調味料も温性のもの、平性(温でも凉でもない)のもの、寒性のものなどありますが、少量ならメインの食材に影響を与えないと仮定して、ある程度自由にメニューを組み立ててもよいのではないかと思います。
(薬膳師がメニューを作るときは、その辺も加味して考えます。)

ですから、食材をピックアップしたら、それを使ったメニューはいろいろ出てくるわけです。
卵は潤いをもたらし、ほうれん草は血虚(血液の不足)で便に潤いをもたらすものですが、この二つを使った料理は、

和風の卵焼き、キッシュ、オムレツ、中華風炒め、卵とじ、ほうれん草のおひたし卵かけ、卵とほうれん草を入れたパン、単に卵かけご飯にほうれん草のおひたし、ほうれん草の卵とじうどん

など、さまざまなバリエーションが考えられます。
要は、食材の組み合わせをいかにおいしくいただくかなので、薬膳メニューをご覧になった場合は、それを応用してお楽しみいただけるとうれしいです。

2006年03月14日

冷え性の人(陽虚)の便秘

冷え性で体の中が冷えているので、尿は色がうすく多い、お腹や腰、手足が冷たいなんていう人は、陰陽のうちの陽が不足していると中医学では考えます。(陽虚の便秘)
そんなときは、もちろん体を温めるものを取る必要があります。
腸を温めて、腸の活動を促すのです。

たとえば、ラード、なつめ、枸杞(くこ)、くるみ、卵、ネギを入れたチャーハンは、どうでしょう。

ラードは、豚の脂肪分で、コレステロールがたまると敬遠されている方もいるのではないでしょうか。
豚肉は体の中を潤す効果があり、ラードにもその潤い効果と油であることから腸の滑りをよくして便を通しやすくするという力もあります。

適度に必要なときに必要なものを使う、これぞ薬膳の極意ですね。
ときどき、中医学ってすごいなあと思うことがあります。
3千年以上もの間、培われてきた経験医学は、ホント、現代に生きている我々にもためになることが多いのです。

胡桃などのナッツ類は、腸を潤すので便秘にはお薦めです。
なつめは気を補ってくれ、卵は潤いを与え、長ネギは陽を通すといわれています。

お茶を飲むなら、黒胡麻杏仁茶がこのタイプにはぴったりでしょう。
黒胡麻と杏仁をすりつぶすか、ミルサーで引いて、黒砂糖を入れてお湯をさす。
結構、いけるお味です。

2006年03月13日

血虚の便秘

便が乾燥していて、顔色に光沢がなく、めまいや動悸、物忘れが多いなどの症状のある便秘は血液不足(血虚の便秘)です。
そういうときは、血を増やし、潤いをもたらしてくれる食材を選びます。

たとえば、松の実、ほうれん草、春雨、牛肉、卵を使ったチャプチェ(韓国の炒め和え)などはいかが。

ほうれん草や牛肉は、血を増やし、松の実は腸の中の滑りをよくしてくれるし、卵は潤いを、春雨は喉の渇きを止めてくれます。

デザートには、補血効果のある当帰(とうき)を煎じて氷砂糖で甘味をつけたシロップをかけたヨーグルトがよろしいかと。
この場合、黒砂糖は温性で、体内の渇きを助長しやすいので、平性である氷砂糖もしくは白砂糖(ミネラルが入っていないので不本意ですが)がよいのです。

体の中の水分を補って潤してくれる蜂蜜をかけたヨーグルトでもいいですね。
でも、潤してはくれますが補血効果はありません。

2006年03月09日

気虚の便秘

便意はあるのに排出困難で息切れし、便をした後に疲れるというときの便秘(気虚の便秘)には、気を補って、腸の中をスムーズに通すように、潤いを与えなければなりません。

たとえば、麻の実党参、豚肉、椎茸、玉葱を使ったシュウマイ。

麻の実は腸を潤して便を通しやすくし、党参は気を補う効果が高く、豚肉も潤いをもたらし、椎茸も気を補ってくれます。

お茶には、気を大いに補ってくれる朝鮮人参を煎じていただくと良いですね。
朝鮮人参を単品で煎じたものは、独人湯(どくじんとう)と呼ばれています。

2006年03月08日

気滞(気が滞っている)の便秘

食欲がなく、みぞおち辺りがつかえて、ゲップも出るなんていうときの便秘(気滞の便秘)は、体の中を通っている気がスムーズに流れていないと中医学では考えます。
そんなときには、気を巡らさなければなりません。

たとえば、
大根、こんにゃくを柚味噌でいただく『味噌おでん』。

大根は消化を促進し、気を下に動かす力があり、こんにゃくは固まりをほぐし、腸の中の滑りをよくしてくれます。
柚も気を巡らし、消化器系の機能を高めるので、是非柚味噌にしていただくのがよろしいかと思います。

そして、お茶としては、やはり気を巡らしてくれる玫塊花(バラの花)橘皮(陳皮)のお茶がいいですよ。

2006年03月07日

実熱の便秘には

便が乾燥していたり、口が乾いたり口臭がある、舌が赤くて苔が黄色いなんていう場合の便秘(実熱の便秘)は、体の中に熱があると中医学では考えます。
そんなときには、熱をさまして便の通りをよくするメニューが、お通じをよくしてくれます。

たとえば、
ほうれん草、バナナ、いちじく、卵を使った『キッシュ』。

特に、バナナといちじくは、実熱の便秘にはとても有効なので、これらを取り入れたメニューを考えればよいと思います。

もう一つ、お茶としては、決明子(ハブ草の実)を使ったハブ茶がぴったりです。
決明子は、熱で乾燥して固くなった便に効果がありますよ。

2006年03月01日

黄耆(おうぎ)入り味噌汁

あさりの味噌汁アレルギーの人に対して、体表を防御する力をつける玉屏風散(ぎょくへいふうさん)という方剤があります。
貴重な玉(ぎょく)で作った屏風のように、バリアを作るという意味の方剤ですが、組成は黄耆(おうぎ)白朮(びゃくじゅつ)防風(ぼうふう)となっております。
主薬は黄耆で、気を増し、体表の防衛を固くする効果があります。

漢方薬はお高いもの。
続けてずっと飲まなければならないものもあります。
財力が持たないときには、黄耆のみを汁ものに入れてみるのも長く続けられるコツかもしれません。
先生も、そういうことなら、黄耆だけでもよいとおっしゃっていましたから。

30分位水から煎じたものを瓶に入れて冷蔵庫に入れておけば3〜4日は持つでしょう。
それが面倒なら、だしを取るときに一緒に、だし用やお茶用の小袋に入れて煮出せばよいと思います。

生薬はおいしくないもの、といったイメージがありますが、黄耆入りの汁物は、入れないときよりおいしくなるんですよ。
スパイスのように使うといった感じです。

2006年02月17日

汽鍋でスープ

汽鍋北京の研修旅行に行ったときのことです。
蘆先生がおっしゃるには、鍋の中に黄耆(おうぎ)と鶏肉を入れ、下から蒸して作るスープを入院患者さんたちに試したら、このスープを飲んだ被験者の方々の方が回復が早かったそうです。

鍋には生薬と材料が入っており、それを蒸気で蒸すと煮たのより高い温度になるので、濃くて薬の成分が充分に出たものになるそうです。

そのとき、先生が黒板で絵を書いて説明してくださった調理方法をもとに、中華街で仕入れた汽鍋をお湯の入った鍋にすっぽり入れて作ってところ、濃いスープがとれるはずなのに、全然普通のスープと変わりがありませんでした(このときは実家で作りました。)。
おかしいと思いつつ、再び家で試すと、外側のお湯が少なくなるのがとっても早いのです。
これは、やはり間欠泉のごとく、汽鍋の下の穴から鍋に吹き上がっているのでは?と疑いながら、作りました。
できあがったものは、やはり濃いスープとはいえないものでした。

さすがに、不安になって疑問がむくむく湧いてきたので、購入した照宝に、電話で汽鍋の使い方を聞いてみました。
「えっ、使い方をご存じないんですか」

お店の方が言うには、鍋の足部分(丸くて高さ2cmぐらい)が隠れる程度の鍋にお湯をはって蒸すんだそうです。
お湯の中に鍋が浸かっていてはいけないんだとか。

その後、自分で持っている中国料理の本を開くと、鍋が浸からないような寸胴鍋にたっぷりお湯を入れて蒸す、としっかり書かれていました。
先に本を読めばよかったのに、あまり考えもせずに、とにかくやってみよう主義の私は失敗も多いのです。

写真のスープは、黄耆とシャモ肉にいろいろ具を入れて作ったもの。
現在はこの汽鍋は友だちのところにあります。はい、しっかり譲ってしまいました。
だって、まともに作ると2時間立っても少ししかスープはできないんですよ。

2006年01月17日

春雨の和え物

春雨の和え物

韓国の宮廷料理は、五行(木火土金水)にそれぞれあてはまる(青赤黄白黒)を意識して、これらの五つの色を入れた料理がよく作られていたようです。
それで、五色を意識して入れてみるとどうなるかと思い、作ったみたのがこの春雨の和物です。
チァプチェの部類に入るんでしょうか。

五色 材料 五味 四気 効能
青(緑) わかめ 消痰散結、利水消腫
枸杞 滋補肝腎、明目、潤肺
滋陰潤燥、養心安神
春雨 清熱解毒、消暑
黒胡麻 補益精血、潤燥滑腸

春雨は緑豆の性味や働きを記述しています。
暑いときに食べるには良い食品だけれど、冬はあまりよくないのを知りつつ、少量だからいいかと入れてしまいました。
五色使うと、気、血、水、いろいろなところに効きそうですね。

酸味に使用したのは、『柿酢』です。
柿を醗酵させて作ったものです。
チャングムのお母さんと若き日のハン尚宮が、どちらかが最高尚宮になったときに使うと約束して、土の中に大事に埋めておいたのも、柿酢でしたね。
米酢に比べると、リンゴ、ブドウなど果実酢は一般的にマイルドですが、この柿酢も非常に口あたりが柔らかいです。
ドラマでは、チャングムが競合試合のときに、やはりオスクチェ(魚と茹でた野菜の和え物)に柿酢を使っていました。

2006年01月10日

七草粥

1月7日は「七草粥」をいただく日でしたね。
1月6日にスーパーに行ったときには、店頭に七草盛りの籠がいっぱい並べられていました。
が、それらの七草たちがとーってもみすぼらしい。
あれでお粥を作ってもパワーなんて出ないでしょう、てなことで、芹しか買いませんでした。

それでも、七草粥の効能は知りたい、ということで調べてみました。
しかし、あいかわらず、わからないものも多いのです。
古代中国にあったものは研究されていても、日本のものや西洋のものは当然中国にないので、それについての文献がない。
きっと、どこかにあるんでしょうけれど、今の私にはわかりかねます。

七草粥そのものは、お正月の御馳走をいただいた後の、弱っている胃腸をいたわるための食べものという認識ですが、現代ではもっと良いお粥がありそうです。
都会では母子草やタビラコなんて手に入りませんし、はこべですら道端のを引っこ抜く勇気はありません。(誰かが立ちションしたかもしれませんし)

個人的にはチャングムの中でクミョンが作った『五子粥』のほうが、現在でも作ることができ、なおかつお腹にやさしいと思っています。

薺(なずな)に関していえば、薬膳料理に結構使われています。
炒めたり、餃子の具に入れたり、割とポピュラーな食材のようです。

             
材料 現在名 五味 四気 働き
芹(せり) せり 甘、辛 帰経は肺、胃。体の中の余分な水分をとり、熱をさまし、止血効果があります。
薺(なずな) なずな 帰経は肝、腎、脾。体の中の余分な水分を排出させ、お腹を整え、止血作用があります。
御形(ごぎょう) 母子草
繁縷(はこべら) はこべ
仏の座 タビラコ
菘(すずな) 蕪(かぶ) 甘、苦、辛 帰経は脾。気を増し、食欲を促進し、胃を温め、咳を止める働きがあります。
蘿蔔(すずしろ) 大根 辛、甘 帰経は肺、胃。消化を助け痰を除き、脾胃の調子をととのえます。

2006年01月09日

蟹ご飯

蟹飯これは、『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』で畑先生が紹介していた蟹飯です。オリジナルではありません。
この番組は、辻調の先生たちが日替わりで登場して、それぞれ和洋中の料理を紹介する15分番組です。
ウィークデイのお昼の番組なので、DVDに録画してまとめて1週間分をチェックしています。

とってもおいしそうな料理だけメモって再現しているのですが、この炊き込みご飯は、上沼恵美子が世界一おいしいと思っている畑先生のご飯ならおいしいかと期待しつつ。
蟹の炊き込みご飯は蟹の味を出すのがむずかしいと感じていたので、畑先生のご飯はどんなもんかいなと作ってみました。

ゲスト(あおい輝彦さんだったかな)のコメントどおり、生姜が効いたご飯でした。
夫に言わせると生姜の味しかしないとか、私の蟹の入れ方が足りなかったのかも。
テレビでは、たらば蟹を使っていましたが、私の場合は冷凍のズワイなので。

でも、蟹は体を冷やすので、生姜を使うのは常道なのですよ。
蟹の豆豉炒めなどにも生姜やネギをいれるとおいしいし、何より冷えるのを防いでくれます。
畑先生は日本料理の先生ですが、生姜の絞り汁とかよくお使いです。

興味のある方にざっとレシピをご紹介しておきます。

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2006年01月02日

鶏と三つ葉のお雑煮

お雑煮関東地方のお雑煮は、シンプル。
かしわに三つ葉でかつおだしが定番です。
我が家のお雑煮もそれが基本で、ちょっとバリエーションをつけたり。

今回は百合根も加えて、かつおだしにプラス鶏だしです。
百合根は乾燥した季節にぴったり、鶏はお腹を温め、元気を補充してくれます。
それに香りの三つ葉とゆずを添えて、う〜ん良い香りと、気を巡らすというところですね。

2005年12月19日

福建風あんかけチャーハン

福建風あんかけチャーハン休日のランチに作ったあんかけチャーハンです。
通信教育の提出課題、それも必須課題だったので、昼間から豪華なランチとなりました。

ご飯部分は、ごく普通の卵チャーハンですが、上にかかっている具がとってもリッチ。

海老、干し貝柱、焼き豚、鶏肉、干し椎茸、青ネギ。

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2005年12月18日

坦々麺が薬膳かって

坦々麺これは、つぼみ菜入りの坦々麺です。
赤い唐辛子色をしていないのは、私が辛〜いのが苦手なため。
これでも、結構食べると辛いのです。

ところで、坦々麺が薬膳料理なのかと、疑問に思うかもしれません。
生薬を入れた料理ではなくても、食べ物には何らかの人間に働きかける効果があるのです。
古来から、『薬食同源』ということばがあるように。

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2005年12月16日

当帰クリームの苺のショートケーキ

苺のショートケーキ

クリスマスは近い。
けれど、クリスマスだときっとお腹がいっぱいでケーキは食べられない。
事前に食べておこうと(後になったら、歳末やお正月になってしまいます)、苺を買ってショートケーキを作りました。

だけど、例によって普通のショートケーキではありません。
生地にアーモンドプードルを加え、クリームに『婦宝当帰膠』を入れました。
これだけ聞いたら、おいしくなさそうと思うでしょうが、そんなことはないんです。

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2005年12月15日

くるみの揚げ物二変化

りんごとくるみの和え物さらに、くるみの蜜揚げが余っていたので、りんごと合わせました。
油っぽかったくるみが、さっぱりしたりんごと合わさって、なかなか良い感じ。

ふ〜ん、「蜜くるみ」、結構使えます。

2005年12月14日

くるみの揚げもの一変化

いんげんの和え物

くるみの蜜揚げがちょっと油っぽいので、いんげんと和えてみたら、これがバッチリ。
胡麻もまぶさっているので、インゲンのくるみごま和えとなりました。
家人も、香ばしくっておいしいとの評。

普通のごま和えやくるみ和えだと、あまり好まないというのに、くるみ揚げの意外な変化球ができて、驚きです。
ナッツは油で揚げると、カシューナッツなどもとっても香ばしくなりおいしくいただけますね。

食材 五味 四気 効能
インゲン 温補腎陽

2005年12月13日

くるみの蜜煮揚げ(時間のかかる作り方)

砂糖をまぶして作るくるみの蜜揚げは、砂糖をまぶすこと自体が結構難しい。
渋皮をとらなかったせいだとはしても、大量の砂糖をくるみにかけ、
ザルの下にはかなりの量の砂糖がこぼれます。

そう感じていたら、何と手持ちの本「プロのためのわかりやすい中国料理」の中から蜜につけてから作るレシピが載っていました。
これなら、おいしく作れそう。
けれど、食べたいと思い立ってもその日のうちには食べれません。

1. くるみは水からゆで、脂肪を抜きザルにあげる。

2. 鍋にグラニュー糖、水、麦芽糖を入れ火にかけシロップを作った中にくるみを入れ、20分煮る。 ボールに移し、1〜1日半置く。

3. くるみのシロップをきり、中高温の油で揚げ、バットに広げて煎りごまをまぶす。 少し温かいくらいで密封保存する。完全に冷ますと湿気ることがある。


2005年12月12日

くるみの蜜揚げ(比較的時間がかからない作り方)

蜜くるみ
先日、銀座「星福」の薬膳クラブの前菜で、くらげとともにくるみの蜜揚げが入っていました。
友だちがたいそう気に入り、レシピを知りたいとのこと。

そんなレシピあったかなと、
資料をひっくり返してみると、

ああ、ありました。

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2005年12月04日

大根葉とニンニクたっぷりのペンネ・アラビアータ

ペンネ・アラビアータ

休日の遅い昼食は、ペンネ・アラビアータで温まることにしました。外は、雨が降ってきて、どことなくうそ寒い。

唐辛子の四気は、熱。
食べると汗も出てきて、体表に邪があれば汗とともに外に出してくれます。

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2005年12月02日

銀杏のつけあわせ

銀杏と百合とりんごのパウンドケーキ

引き続き、銀杏の取り合わせです。
お肉のつけあわせに、皮つきポテトに銀杏、柚子たっぷり。
で、咳を止めて気を回す目的です。

またまた、変な合わせ方と、言われそうですが、いろいろ銀杏を使っていると、意外と銀杏て、
いろいろな組み合わせができるものなんだなと気づきました。

あの、ほろ苦くてクチュッとした噛みごたえ、大人が好む味だと思いませんか。
伝統的な日本料理の食材としてだけでなく、活用範囲のある食材です。

銀杏を使ったゼリーなんて、どうだろうか。

材料 五味 四気 帰経 効能
銀杏 甘、渋、苦 肺、腎 斂肺気、定喘嗽、止帯濁、縮小便、駆虫
甘、酸、 脾、肝 消食下痰、理気平喘、開胃健脾、解酒
じゃがいも 胃、大腸 益気健脾、調中和胃、解毒消炎

2005年12月01日

乾燥した季節向きのパウンドケーキ

銀杏と百合とりんごのパウンドケーキ

友だちのところに『便秘のときのパウンドケーキ』を持って行ったので、家にはパウンドケーキはありません。
口寂しくなって、今度は津液 (体の中の生理的な水分) を生み出して、風邪の季節には良さそうな食材を入れてみました。

それは、
銀杏と百合根とりんごです。

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2005年11月30日

便秘の会話

先日の友との会話。

友 「便秘の男の子がいるんだけど、便秘のパウンドケーキ、いいと思う?」
私 「便秘ったって、いろいろタイプがあるんじゃない?血虚なの?」
友 「やせ型で、陰虚だと思う」
私 「ふうん、でも調理師の卵なんだったら、どんな食材が良いのか教えてあげれば自分で作れるじゃない。」
友 「でも、独り暮らしで自分では作らないと思う。」

私 「それで、この前のパウンドケーキ食べて君は効いた?」
友 「私、便秘じゃないから、よくわからない。」

と、ここまで話をしていて、はたと私は思い出しました。

私 「そういえば、あの後、どっさり出た。いつもより量が多かった。」
友 「そういえば、私も量が多かった。」
私 「ハハハ、自覚してなくても体は正直ね。先生もそう言ってたじゃない。」

考えたら、あれだけ潤腸通便に効く、黒胡麻、胡桃、松子を入れたら、効かない人の方が問題です。
頭では便秘によいと書物に書いてあるのだと考えてはいても、何気に口にしていて、体の方から教えられてしまいました。

2005年11月27日

便秘のときのパウンドケーキのレシピ

パウンドケーキを友だちが食したところ、妙に評判が良かったので、作り方を記しておきます。
基本的にパウンドという名のとおり、約半ポンドずつの卵、砂糖、バター、小麦粉を使っています。1ポンドずつ材料を入れると2本のパウンドケーキができます。
私はベーキングパウダーを通常使わないので(自然食の人は普通は使いません。BPは添加物です。)、卵の膨らむ力だけで作っています。それゆえ、スポンジのような柔らかな食感にはなりませんが、その持つとずっしりと重たいパウンドケーキが好きなのです。

材料
バター 半ポンド(225g)
卵 4個
洗双糖 200g
小麦粉 200g
胡桃 80g
松の実 60g
炒り黒胡麻 50g
枸杞 50g、枸杞が浸るくらいのラム酒
(枸杞とラム酒以外はすべてオーガニック)

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2005年11月26日

便秘のときのパウンドケーキ

実がいっぱいのパウンドケーキ

最近、あまりケーキを食べたいという欲求はなくなっています。けれど、どっしりと重たいパウンドケーキは別。ときどき無性に食べたくなります。
ごく普通の中身のときは、レーズン、胡桃、ブランデーで作りますが、どうせ作るならひとひねりしてと、胡桃、胡麻、松の実、枸杞で作ってみました。

血虚の方の便秘にぴったり。 そう、虚秘には効きそうです。種系は脂肪分が多く、腸の中の滑りを良くするので、便秘がちの人には常食していただきたい食品です。
お菓子になってしまうと、バターも砂糖もたっぷり入っていますから、健康的とはいえないかもしれませんが、そこは甘い物を食べたいときの言い訳ということで。

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